キャッシュレス決済が普及しており、なかでもクレジットカード決済はインターネットショッピングでも多く利用されています。不正被害も増えており、ユーザーの安全や企業の利益を守るためにセキュリティ対策が欠かせません。今回は、キャッシュレス決済の安全性を高める3Dセキュアについて、不正の現状やメリット・デメリットなどから解説します。
3Dセキュア導入についてはこちらの記事もご参照ください。
目次
キャッシュレス決済の安全性を高める3Dセキュア
キャッシュレス決済は、海外で当たり前の決済手段であり、日本でも普及が進んでいます。キャッシュレス決済の普及に伴って、クレジットカードの不正被害も増えており、セキュリティ対策が必須です。
そのひとつである3Dセキュアは、クレジットカード決済の安全性を高めることができます。今回は、キャッシュレス決済における不正の現状や3Dセキュアのメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。
キャッシュレス決済で起きている不正の現状
キャッシュレス決済と3Dセキュアには、つながりがあります。キャッシュレス決済の普及や不正などを背景に3Dセキュアが開発・導入されているので、キャッシュレス決済について理解することも大切です。まずはキャッシュレス決済の普及率や不正の現状を整理していきましょう。
キャッシュレス決済の普及率
キャッシュレス決済は、海外では広く普及しているものの、日本では2016年時点では19.9%にとどまっていました。キャッシュレス決済の普及を目指して取り組んでおり、2018年時点で24.1%まで普及しています。
24.1%のうち、約20%はクレジットカード決済であり、実店舗での利用はもちろん、インターネットショッピングで利用するケースも多いです。将来的には、世界水準の80%を目標にしており、今後もキャッシュレス決済が増えていくと予想されます。
クレジットカード決済の不正は増加傾向
キャッシュレス決済の大半を占めるクレジットカード決済は、利用者が増加するとともに、不正利用被害も増えています。
一般社団法人 日本クレジット協会が発表した「クレジットカード不正利用被害の集計結果」によると、平成26年時点で114億円だった被害が平成30年には235億円まで増加しているという結果が出ました。被害額のうち、番号盗用による被害が多くを占めています。
参考:一般社団法人 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の集計結果」
キャッシュレス決済の安全性を高める、3Dセキュアとは
キャッシュレス決済のなかでも、クレジットカード決済の不正利用被害が目立っています。年々増加傾向にあり、不正利用を防ぐ必要が求められるなか、導入されているのが3Dセキュアです。
3Dセキュアとは、クレジットカード情報の入力に加えて、本人にしかわからないパスワードを必要とし、本人だけが認証されるサービスとなっています。クレジットカード情報が盗用されたり、偽造カードが作られたりしても、3Dセキュアのパスワードがなければ利用できず、第三者による不正利用を防ぐことが可能です。
キャッシュレス決済に3Dセキュアを利用するメリット・デメリット
キャッシュレス決済のなかでも、3Dセキュアはクレジットカード決済の安全性を高めることができます。ユーザーの安全性はもちろん、不正にともなう事業者の損失を防ぐメリットもありますよ。一方でデメリットもあるので、3Dセキュアのメリットと合わせてチェックしていきましょう。
【メリット】クレジットカードの不正を未然に防ぐ
3Dセキュアによって、本人しかわからないパスワードが求められるので、第三者による不正利用が簡単にはできなくなっています。
3Dセキュアに対応しているにも関わらず、認証画面に遷移しなかったとき、悪質サイトかもしれないと疑うきっかけにもなりますね。
【メリット】チャージバックによる損失を防ぐ
クレジットカード決済の不正が起きると、クレジットカード会社が売上を取り消し、利用者に返金されるチャージバックが発生します。チャージバックでの返金は、事業者からクレジットカード会社を経由して行われるので、事業者には損失が生まれます。
購入された品物も戻ってこないので、3Dセキュアによってクレジットカード不正を防止することで、チャージバックを防いで損失が出ないように対策可能です。
【デメリット】ユーザーの購入手続きに手間が増える
3Dセキュアを利用すると、クレジットカード情報入力画面からカード会社の3Dセキュア認証画面に遷移し、パスワードを入力する必要があります。安全性を高めるサービスではあるものの、ユーザーにとっては購入までにフローがひとつ増えるのが気になるポイントです。
すばやく買い物をしたいというユーザーは面倒に感じるかもしれません。購入手続きの段階で離脱する可能性があることを理解しておきましょう。
【デメリット】セキュリティに配慮したパスワード管理・設定が求められる
3Dセキュアのパスワードは、ユーザーが忘れずに管理する必要があります。忘れてしまうと3Dセキュアを利用できないので、セキュリティ性が弱くなってしまいます。
簡単なパスワードを設定すると、特定されてしまい悪用されるかもしれません。特定されにくいパスワードを設定して、3Dセキュアを狙う手口に対応する必要があります。
セキュリティ強化を目的に3Dセキュア2.0が登場
3Dセキュアのセキュリティを強化する目的で、新たに3Dセキュア2.0が登場しています。ヨーロッパで初めて登場し、日本でも普及が進められています。
3Dセキュアでは、ユーザー個人にパスワード管理やセキュリティ性の高いパスワード設定を求められていました。特定されてしまったり、パスワードを狙った詐欺に合ったりするなど、十分に効果を発揮できないリスクがあります。
3Dセキュア2.0の場合は、認証時のみ発行されるワンタイムパスワードや生体認証など、より簡単で確実な本人認証が取り入れられています。
まとめ
日本ではキャッシュレス決済の普及に取り組んでおり、2018年時点で24.1%まで年々上昇しています。クレジットカード決済が大半を占めてしますが、不正利用被害額も増加傾向です。3Dセキュアは不正対策のひとつで、本人しか知らない認証パスワードを使用することで、第三者の不正利用を防ぐことができます。
今後さらにキャッシュレス決済が増えていくと予想されるので、セキュリティ対策として3Dセキュアの導入を検討してみましょう。