クレジットカード決済は、実店舗はもちろん、インターネットショッピングでも広く利用されています。利便性の高い決済手段ですが、悪用される事例が増えているのも現状です。悪用にともなって行われるチャージバックは、企業に大きな損失を与えます。
今回は、クレジットカードの悪用にともなうチャージバックについて、企業への影響やチャージバックを防ぐ方法を解説していきます。
チャージバックの詳細についてはこちらの記事をご参照ください。目次
チャージバックはクレジットカードの悪用によって起こる
チャージバックとは、クレジットカードが悪用されたときに発生します。クレジットカード会社経由で利用者に補償が行われます。クレジットカードの悪用は年々増加傾向にありますが、そのような手口があるのでしょうか?主なクレジットカード悪用の手口を知っておきましょう。
クレジットカードの盗難・紛失による悪用
クレジットカードそのものを盗難されたり、紛失されたりすると、悪用される可能性が高いです。実店舗で悪用される場合もありますが、サインや暗証番号を求められるので、避ける傾向があります。
実店舗での利用に対して、インターネットショッピングではサインや暗証番号などでの本人確認は行われないので、簡単に悪用できてしまいます。
<h3>クレジットカード情報の漏洩による悪用</h3>
インターネットショッピングはクレジットカード情報さえあれば利用できる場合が多く、クレジットカード情報を狙う悪質な手口が増えています。主な手口には以下のようなものがあります。
・フィッシング詐欺:偽サイトに誘導しカード情報を入力させる
・ネットショッピング詐欺:偽ネットショップで購入手続きをさせカード情報を入手する
・スキミング:クレジットカードの磁気ストライプから情報を抜き取る
・偽造カード:不正に入手したカード情報から偽造カードをつくる
利用者を攻撃する手口だけでなく、ECショップのセキュリティの穴をついてくる不正もあります。セキュリティが脆弱だとサイバー攻撃によって利用者のカード情報を漏らし、悪用を引き起こしてしまうでしょう。
クレジットマスターを使った不正による悪用
クレジットカードマスターとは、プログラムを用いてカード番号を割り出す手口です。カード番号の規則性を悪用して、カード情報を特定し、インターネットショッピングなどで不正利用が行われます。
有効期限やセキュリティコードも割り出す手口もあり、本人認証や不正検知などに対応していないECショップであれば、簡単に不正利用されてしまうのです。
チャージバックは利用者を守る反面、EC事業者は損失を被る
チャージバックは、ユーザーにとっては被害額が補償されるありがたい仕組みです。一方で、企業は売上や購入された品物などの取り扱いで、不利益を被ってしまいます。チャージバックが企業にどのような影響を与えるか見ていきましょう。
クレジットカード会社経由で利用者への返金が求められる
利用者が不正利用に気づくと、クレジットカード会社や決済代行会社からEC事業者へチャージバックの通知が行われます。売上は取り消しとなり、既に入金された売上金額の返還が必要です。売上金額はクレジットカード会社経由で利用者へ返金されます。
ユーザーを守る仕組みであるものの、EC事業者は一度発生した売上を失ってしまうのがチャージバックのデメリットです。
不正利用で購入された商品は戻ってこない
不正利用だと気づかずにEC事業者が商品を発送していた場合、その商品は返ってきません。商品代金をクレジットカード会社が補填してくれることもないので、商品と売上を両方失ってしまいます。
不正利用は高額商品や換金性の高い商品を狙う傾向があります。ブランド品や家電などの商品を不正購入されると、EC事業者の損失はより大きくなるでしょう。
クレジットカードの悪用を防ぎチャージバックを起こさない方法
チャージバックが起きると、企業にとって大きな損失が出てしまいます。損失を防ぐには、チャージバックを起こさないことが大切です。主な方法を4つご紹介するので、ぜひチャージバック対策を実践してみましょう。
3Dセキュアで認証を強化する
3Dセキュアは、クレジットカード決済における本人認証サービスです。3Dセキュアに対応したオンラインショップを利用すると、クレジットカード情報の入力に加えて、事前登録で発行できる3Dセキュア用のパスワードで本人認証を行います。
本人しかわからないパスワードを使用するので、クレジットカード情報が漏洩していたり、盗み出されたりしたとしても、3Dセキュアが不正利用を阻んでくれます。パーソナルメッセージやワンタイムパスワードを活用した3Dセキュアもあり、よりセキュリティ性が高いです。
3Dセキュア導入についてはこちらの記事もご参照くださいセキュリティコード
クレジットカードの券面には、表面または裏面に3~4ケタのセキュリティコードが印字されています。クレジットカードの磁気には記録されていないので、スキミングの心配がなく、カード所有者にしかわからないカード情報です。
ECショップにセキュリティコード認証を導入すると、3Dセキュアと同様に第三者の不正利用を食い止めることができます。
不正検知システム・サービスを導入する
不正検知システム・サービスを導入すると、取引情報などから不正取引を検知することができます。
システム・サービスによっては、リスクを数値化したり、分析結果についてコメントを残したりできるなど、リスクの高い不正利用を発見・対処できるようになります。
チャージバック保険・保証サービスに加入して万が一に備えるのがおすすめ
不正利用対策を行っても、不正利用が起きチャージバックが発生する可能性はあります。もしもに備えて、チャージバック保険・保証サービスに加入するのがおすすめです。
月額保険料を支払うことで、チャージバックが起きたときに保険金による補償を受けることができます。限度額はあるものの、チャージバックによる損失をおさえられます。
まとめ
クレジットカードの悪用は、手口が多様化しています。盗難・紛失のほか、カード情報を不正に入手する手口もあり、不正利用被害は毎年増加しているのが現状です。
クレジットカードの悪用があるとチャージバックが起こり、事業者は入金済み売上と発送済み商品の両方を失ってしまいます。損失が出ないように、チャージバックを防ぐ必要があり、不正利用対策が注目されています。3Dセキュアやセキュリティコード、不正検知システムなどを導入して、チャージバックによる損害を未然に防ぎましょう。