楽器事業、音響機器事業、その他事業の3つの領域で事業を展開するヤマハ株式会社。その他の事業に位置づけられるゴルフ用品事業において同社が運営する「ヤマハ ゴルフオンラインストア」で、不正検知システム「O-PLUX」をご利用いただいています。
今回は、2022年2月に「O-PLUX」を導入された経緯やその後のご利用状況などについて、同社ゴルフHS事業推進部 澤様にお話をうかがいました。
自社初の直販の取り組みとしてオープンした「ヤマハ ゴルフオンラインストア」。取扱商品を拡大したタイミングでチャージバックが発生
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貴社のオンラインサイトについて教えてください。
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私が所属するゴルフ部門ではメインのゴルフクラブのほか、それに付随するキャディバッグやグローブ、サンバイザーなどのアクセサリーを企画・販売しています。
「ヤマハ ゴルフオンラインストア」は2020年6月にオープンしたのですが、実はそれまで当社では直販をしてきていませんでしたので、この時に初めて直販を開始したという状況でした。当初はアクセサリーのみを扱うサイトとしてオープンしましたが、その後徐々にゴルフクラブなどへとひろげていき、現在はヤマハのゴルフ部門すべての商品を取り扱っています。
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やはりゴルフをされる方のご利用が多いのでしょうか?
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そうですね。50〜60歳代を中心としたゴルフをされる男性が9割で、まれに贈り物でご利用いただく方もいらっしゃるようです。ご提供している決済方法はクレジットカードと代引きで、ほとんどがクレジットカード決済でのご利用ですね。
ヤマハ ゴルフオンラインストア
https://store.golf.yamaha.com/
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サイトオープンの2020年6月から2021年12月に不正検知システム「O-PLUX」のトライアルをされるまでの期間で、不正注文があったのでしょうか。
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はい。サイトオープンから一年ほど経った2021年の4月ぐらいにチャージバックが発生しました。実際にそれが明らかになるまでは二ヶ月ほどのタイムラグがありますが。
不正注文が始まった原因は、ゴルフクラブの取り扱いを始めたことだと考えています。アクセサリー商品は単価も低く、換金性もそれほど高くありません。一方ゴルフクラブはどのような状態でも中古ショップにポンと持っていけばお金に変えられるので狙われたのではと…。
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取扱商品を広げたことで不正注文が始まったのですね。
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その時、立て続けに4件の不正注文があったのですが、ゴルフクラブは単価が高額なので突然数十万円のチャージバックが発生した、という状況です。
社内でも事例がなかったのでどのような対策をしたらよいかわからない状態でした。最初はクレジットカード会社での責任になるのではとも思いましたが、ECサイトでは違うのですよね。警察に届け出てずっとやりとりをしていたのですが、残念ながら犯人を捕まえることはできませんでした。
チャージバックの実績で保険の加入も困難ななか、不正検知システムの導入を検討。「O-PLUX」トライアルで効果を実感し即導入へ
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やはりクレジットカード不正の犯罪グループの中核に迫ることはなかなか難しそうですよね。
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はい、そこでなにかしら対策しないといけないと動きだしました。
サイトのオープン当初は立ち上げだけで手一杯になってしまいセキュリティに関しては整備が追いついていませんでした。そのため二段階認証など最低限のところから対応を始めて、続いて3Dセキュアを導入しようとしました。ですが、これについては決済代行会社とECカートシステムとの相性の問題があったようで利用できませんでした。今はまた状況が違うかもしれませんが。
次にチャージバック保険を検討しましたが、すでにチャージバックが発生していたことで適切な保険に入ること自体が叶いませんでした。
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確かに、チャージバックの実績があると保険という選択も難しくなりますよね…。それで、不正検知システムの検討へとすすまれたのですね。いくつかのツールがありますが比較などはされたのでしょうか?
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色々なツールの情報収集をする中で、利用中のECカート「ebisumart」を運用するインターファクトリーさんから「O-PLUX」をご紹介いただいてトライアルを実施しました。この時に充分な効果を感じられたので、そのまま導入することに決め、社内決裁もすぐに通りました。
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トライアルで感じられた効果について詳しく教えていただけますか。
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トライアルはCSV連携なのでAPI連携よりも検知ルールが若干少ないかと思いますが、過去の不正注文を審査にかけるときちんとNG判定になりましたし、フィードバックされる審査結果についても正確でした。CSV連携でも審査がスムーズで簡単だな、と印象的でした。
なにより、毎回目視で一つひとつチェックしなくても自動で審査が完了する点がとても便利だなと思いました。導入後はAPI連携を想定していたので、なおさらです。
それに費用も想像していたより高額でなかった点も導入へと踏み切りやすかったですね。
inpres DRIVESTAR ドライバー SPEEDER NX for Yamaha M423d
https://store.golf.yamaha.com/
APIの標準連携でお任せ導入。導入後は受注処理の工数が1%未満まで激減!
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ご評価いただきありがとうございます。「O-PLUX」とAPIで標準連携している「ebisumart」での導入となりましたが、こちらはスムーズでしたでしょうか。
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インターファクトリーさんに全面的にお任せしてご対応いただきました。特にトラブルなどもなく、スムーズな導入でした。
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それはよかったです。導入して感じられている効果はございますか?
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運用工数が導入前の1%未満まで激減しています。
導入前は、例えばふりがなの入力を少し間違えているレベルの全く問題のないオーダーでも細かく見ないといけなかったところ、導入後は自動で大枠の評価までしてくれるのでまったく触らなくてよくなりました。
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工数が1%未満まで減ったのですね!お役に立てて嬉しい限りです。
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さらに審査結果で警戒すべきポイントをフィードバックしてくれるので、その点も非常に助かっています。以前はとっかかりがなにもないなか手探りで目視チェックをしていたのでとても大変でした…。
チャージバックは1、2件発生しましたが、導入前と比較して半数以上は確実に不正注文を未然に防げていると感じています。それに受注処理の時間が大幅に削減できていますので、本当に大きなメリットがありました。
O-PLUXの機能
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大きなメリットを感じていただけているとのことで安心しました。
もしご要望などありましたらお聞かせください。
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これから新しい不正の手口もどんどん出てくると思うので、不正検知システムのニーズも増えるでしょうし、ECサイトにおいて設置は必須になっていくと思います。
「O-PLUX」は利用加盟店がネガティブ登録していくことでシステム自体が強化されていくので、そういった情報の最新性に魅力を感じています。これからさらに利用加盟店が増えていくことでシステムがより増強されていくことを期待しています。
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ありがとうございます。「O-PLUX」は、日々、トレンドを捉えながら多角的な機能アップデートも行っています。例えばご利用中の「ebisumart」と「O-PLUX」のAPI標準連携について、以前はクレジットカード決済のみが対象だったところ、最近全決済を対象にお使いいただけるようになりました。もしご希望がありましたらお声がけいただければありがたいです。
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そうなのですね。決済手段については将来的に拡大していく可能性もあるので、そのあたりも含めて検討していきたいと思います。
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ぜひお願いします。それでは最後にひとこといただいてもよろしいでしょうか。
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ECにはショッピングモールなど多くの選択肢があるなか、あえて「ヤマハ ゴルフオンラインストア」を選んでくださるお客様は、自社運営のサイトという安心感を重視されているのだと考えています。そういった観点からも、不正対策はしっかりと行い、不正注文のない安心して使えるサイトであり続けていかなければ、という思いがあります。
また、「O-PLUX」により不正対策を自動化することでオペレーションの時間を大幅に短縮することができていますので、マーケティングやキャンペーンなど施策にリソースを振り分けることで、「ヤマハ」の魅力をさらに知っていただき、より多くのお客様に商品をお届けすることにつなげていきたいと考えています。
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貴社の安心安全なサイト運営に貢献でき大変光栄です。今後も引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。