伝統技術で作る木軸ペンに注文が殺到、予約注文の受付を支えた不正対策とは

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有限会社野原工芸様

有限会社野原工芸様

木曽の山あい、南木曽町。中山道の宿場町・妻籠宿のほど近く、「木地師の里」に根ざす有限会社野原工芸。100年以上にわたり「木」と「ものづくり」に向き合い、本物の素材と、日本の文化と歴史のなかで磨かれてきた確かな技術から、木軸のペンをはじめとする製品を生み出しています。 同社が運営するオンラインストアでは、半期に一度の予約販売などの際に不正検知サービス「O-PLUX」をご利用いただいています。今回は、導入の経緯やご活用の状況について、同社代表取締役の野原一浩様と木下美保子様にお話をうかがいました。

伝統技術で作る木軸ペンが話題に、テレビ放映を機に注文が急増

「南木曽ろくろ細工」という伝統工芸品があるのですね。
木下様:はい、ろくろ細工の歴史は1000年以上あると言われています。手仕事による高度な技術を要するため、木を知り尽くした木地師(きじし)と呼ばれる職人によって作られてきました。木地師の発祥はもともと滋賀県とされていますが、よりよい木を求めて山から山へ移り住みこの地に定住したことで、「南木曽ろくろ細工」として知られるようになりました。
私たちもこの地で初代の木挽き屋から始まって木地師として南木曽ろくろに携わり、今の社長で四代目になります。
100年にわたり、伝統と技術を伝え、受け継いでいらっしゃるのですね。その技術をもとに作られている木軸のペンは大変な人気です。

野原様:ペンを作りはじめたのは28年ほど前になります。そのころは茶筒をメインに日常の道具を作っていましたが、大きな木から木目を見て削りだすので、使わない部分がたくさん出てしまうのですね。そこが「無駄な部分」になってしまうことを、会長である私の父はずっと気にしていました。無駄にするのではなくなにかうみだせないかと考えたことが、ペン作りへつながっていったようです。

nohara nohara 上:野原一浩様/下:木軸のボールペン
木下様:木は自然の造形物です。同じように自然の造形物である石は、ものすごい価値がありますよね、(親指と人差し指の指先をわずかに離して)こんなに小さくても。木にも同じ価値があるという思いが会長にはずっとあったんです。
器などはその時しか使わないけれど、ある意味でもっと身近なものを、人の手の中に収まるようなものを作りたかったという話を聞いたことがあります。
その思いが伝わり、多くの方々に求められるようになったのですね。ここまで知られるようになったきっかけはあったのでしょうか。
野原様:ご注文は年々増え続けている状況ではありましたが、大きな転換点といえるのは、2015年にNHKのドキュメンタリー番組で紹介されたことですね。放映後、一気に注文が増えました。オンラインストアのアクセス集中でサーバーがダウンしたことも何度もありました。

人気の過熱はおさまらず、不正注文の確認作業が大きな負担に

オンラインストアの開設は2008年と早いですが、それまでは特に問題はなかったのでしょうか。
野原様:はい。それまでは常時オープンしていてご注文から一週間ほどで出荷していました。番組で紹介されてからは、在庫管理が困難になりお客様に木の種類を選んでいただけなくなってしまいました。出荷も一か月先までのびました。需要に対して製造が完全に追いつかない状況に陥り、常時販売は止めざるを得ませんでした。




野原工芸オンラインストア
https://store.nohara.jp/

急な展開で想定外のことも多かったのではないでしょうか。
野原様:サーバーがダウンすると当然クレームも増えます。エンジニアの方にご協力いただいてインフラの強化をすすめ、注文を分散させるために試行錯誤しましたが、どうやっても予約開始と同時に殺到してしまいました。当初はもとの納品スケジュールの水準まですぐ落ち着くだろうと考えていましたが、遅れるばかりで元に戻ることはありませんでした。
それでとうとう限界がきてECカートをshopifyに切り替え、半年に一度ご注文をお受けする今のスタイルへ移行しました。決済方法も納期の兼ね合いでクレジットカードは難しく銀行振り込みのみにしました。
人気の高さから、転売目的の注文も多くなりそうです。
木下様:フリマサイトやオークションサイトで定価の5倍や6倍といった高値で販売されているのを目にするようにはなりましたね。

nohara 木下様(手前右)

注文データのチェックなどはされていたのでしょうか。
木下様:はい。オンラインストアでは一日で数千件のご注文があります。多くの方にお届けできるようお一人様・同一世帯1点までと制限をしていますが、あらゆる手段による重複注文が多発していました。同一人物と思われる複数アカウントでの多数注文をはじめ、キャンセル前提のいたずら注文まで、例を挙げたらきりがありません。
注文をそのままお受けすることはできませんので、データをダウンロードして手作業で一つひとつ目視して、メールで問い合わせて――本当にたいへんな時間と労力がかかりました。

「O-PLUX」の導入で予約注文を自動審査、工数削減以上に実感した精神的負担の軽減効果

それで「O-PLUX」を導入いただいたのですね。2023年でした。
野原様:はい、転売対策についていろいろ調べて、私たちがやりたいことを実現するには「O-PLUX」が一番適していると思いました。ただ実際どうかまではわかりませんのでトライアルを実施して、感触をつかめたのですぐ導入を決めました。予約販売も迫っていましたので。
お急ぎでの導入となりましたがいかがでしたか?
野原様:導入といってもshopifyのアプリストアから「O-PLUX」を選んで入れるだけです。必要情報を入力したら使え、とても楽でした。審査も自動でリアルタイム判定してくれるのでその点も助かりました。

nohara 「O-PLUX」の審査イメージ

実は、導入後もしばらくは、従来の目視チェックも並行して行っていました。「O-PLUX」がどこまで見ているのかを実感値として持っておきたかったためです。そこから徐々に手放していって今はほぼお任せしている状況です。安定した受注環境が整備できました。
木下様:とにかく、精神的にとても楽になったことが本当にありがたいです。半年の売上がここで決まってしまいますし、以前は「間違えていないか」「気づいていないことはないか」と常に不安と向き合う状態でした。
作業工数で比較しても、二人体制であたっている注文完了後のご案内業務が4日短縮できました。これは不正チェックの業務分に相当し全体の30%に及びます。
「O-PLUX」を継続的に利用しているなかでも状況や傾向の変化もあり、いろいろ悩む部分もありますが、いつもかっこさんに細かなことも相談させていただき感謝しています。
こちらこそ、お役にたてているようで安心いたしました。
野原様:私たちだけでなく、お客様にとっても、こうしたシステムをきちんと導入していることが安心につながればという思いで使わせていただいています。
買っていただいたら終わりではなく、アフターケアを通してお付き合いは続きます。ぜひ長くお使いいただいて、木の風合いが少しずつ変わっていく様子を味わっていただけたらうれしいですね。
製造量を大きく増やすことはできませんが、これからも木のよさを知っていただけるよう、丁寧なものづくりを続けていきたいと思います。お手元に届くまでの時間も、楽しみに待っていただけたらありがたいです。

nohara

有限会社野原工芸 https://www.nohara.jp/

2026年3月3日取材 
※内容は取材時のものです。

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