
ジュエリーブランド「4℃(ヨンドシー)」などを展開する株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツは、公式オンラインショップ「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」を運営しています。クレジットカード不正利用対策として、2024年11月に不正検知サービス「O-PLUX」を導入いただきました。今回は、第二事業部・デジタルマーケティング部部長の西川逸人様に不正検知サービス「O-PLUX」の導入経緯や効果についてうかがいました。
EC拡大とともに顕在化したクレカ決済における課題
- 「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」について教えてください。
-
「4℃」は、1972年に立ち上げたジュエリーブランドで、現在は全国主要都市の百貨店や路面店を中心に、ブランドごとに合計125店舗を展開しています。ECサイトでも多くのお客様にご利用いただいていて、特にギフト需要が全体の半数を占めています。最近では、自分用にジュエリーを購入される方に向けたプロモーションにも力を入れており、20〜40代まで幅広いお客様に平均的にご利用いただいています。
4℃のダイヤモンドジュエリーコレクション Precious Diamond
- 店舗とECの連携は、近年重要性が高まっていますよね。御社でも強化されていると伺いました。
-
はい。2025年からは、店舗とECサイトの会員データの統合を進めており、既存会員の方に向けたCRM施策を本格的に強化しています。私としては、「店舗に近い接客をECでも再現したい」という思いがあり、サイト改善やコンテンツづくり、お客様が安心して購入できる環境づくりを継続して進めています。
4℃ JEWELRY ONLINE SHOP
お客様からの声から気づいた決済承認率の課題
- ここからは、当時の状況について伺わせてください。ジュエリーは高額商材のため不正に狙われやすい印象がありますが、実際はいかがでしたか。
-
そうですね。私がEC部門に来た当初は、年間で数件レベルだったものの、2〜3年前から不正注文が少しずつ増え月5,6件発生していました。弊社は3Dセキュアを導入しているため、金銭的な実害はなかったのですが、カスタマーサポートへ「カード決済ができない」といったお客様からの問い合わせの電話やメールが来るようになっていました。現場としては、お客様が困っているので、どうにか解決したいという思いが強くなっていきました。
- カードが使えないだけでも機会損失につながりますよね。
-
おっしゃる通りです。特に2024年頃から、ある特定のカード会社だけ承認が通りにくい状況が増えてきていて、決済代行会社に相談した際にも、利用金額の上限超過ではないようで、詳細はカード会社に聞かないと分からないといわれて。このカード決済の承認率を改善できたら、コンバージョン率も上がるのではないかと思っていました。
- そういった経緯で、決済承認率に着目されていたのですね。
-
はい。決済代行会社にカード会社ごとの承認率を出してもらいました。その前から決済承認率が悪いという感覚はありましたが、数字を目にしたのは初めてでした。ちょうどその頃、EC業界の方々が集うイベントで、かっこさんと出会い「O-PLUX」を知りました。
当時、クレカ不正利用被害は月5,6件程度でしたが、単価が10万円以上だと不正顕在化加盟店の基準(不正利用金額が3か月連続50万円超)を越えてしまうリスクもあったので、対策が必要でした。
日本の商習慣、独自の視点での外部データ活用が
「O-PLUX」導入の決め手
- 不正対策サービスを検討する中で、最終的に「O-PLUX」を選ばれた決め手は何だったのでしょうか。
-
まず大きかったのは、日本企業として、日本の商習慣や文化に寄り添ったロジックを持っている点です。住所や姓名の読み方など、日本ならではの表記ゆれにしっかり対応していて、不正の見抜き方が日本のECに最適化されていると感じました。
加えて、空き家データの活用など、独自の視点で不正対策に取り組んでいる点も面白いと思いました。他社にはない視点で、よくここに着目したなという驚きがありましたね。
また、海外の不正検知サービスだと、管理画面が見づらかったり、AIによりロジックがブラックボックスになりがちなところがあります。その点「O-PLUX」は判定ロジックが見える化されていて、自社の状況に合わせてチューニングを相談しながら進められるのが良かったです。
コスト面でもちょうど良いと感じましたし、w2システムとの標準連携があったので一から開発する必要はなく導入もスムーズでした。
「O-PLUX」の審査:外部データベースなど複数の要素でリアルタイムに解析
不正利用対策に取り組むことで、決済承認率が10%向上
-
導入後、どのような効果を感じていますか。
まず、月5.6件あった不正利用がなくなりました。さらに、「O-PLUX」で不正利用対策をしているから、承認率を上げてとカード会社と交渉したことで、決済承認率を約10%向上させることができました。
- 今後「O-PLUX」の仕組みをこういう風に使っていきたいなどがありますか?
-
「O-PLUX」というよりは不正対策全般の話になりますが、もうちょっとコンバージョンを妨げることのない運用方法を検討していきたいと考えています。具体的には、3Dセキュアの対象を選択できるようにしリピート購入やリスクが低い注文に関しては認証をかけないようにできれば、顧客体験の向上をさらに一歩先に進められるのかなと思っています。
-
3Dセキュアの運用パターン
- 3Dセキュアの運用方法に関するご相談は確かに最近多くなっています。
不正対策をしっかりすることで3Dセキュアによる認証も最適化して顧客体験を上げるために私たちも貢献していきたいと思います。
今回は貴重なお話をありがとうございました。