
スマートフォンやPC、コンシューマーゲーム機等、多様なプラットフォーム向けのゲームタイトルの開発を手がける株式会社ウインライト。同社のブロックチェーンゲームタイトル「元素騎士Online」において不正なアカウント作成の対策として「O-MOTION」を導入した経緯やその後のご利用状況などを同社プランナー持田様に伺いました。
ユーザーからの信頼が重要となる「ブロックチェーンゲーム」
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「元素騎士Online」のサービス内容について教えてください。
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持田様:「元素騎士Online」は、ブロックチェーン技術を取り入れ、暗号通貨やNFTをサービス内で活用できる次世代型メタバースRPGとして、2022年11月30日にリリースしました。現在稼働しているブロックチェーンゲームタイトルとしては一番古いタイトルになっています。
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ご利用者様はどのような方が多いでしょうか。
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持田様:サービス開始当初はウォレット機能の部分を外部プロダクトで担っていたため、Web3.0のリテラシーを持った人でないと理解が難しい部分がありました。
現在では独自のウォレット機能「MV Wallet」が組み込まれたので、通常のスマートフォンゲームで遊んだことがあればどなたでも利用できるサービスに変化しています。
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独自のウォレット機能をサービスに組み込むというのは業界でも珍しいのでは。
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持田様:はい、他には聞いたことがないですね。機能を開発するにしても、プラットフォームとして認められてこないと成り立ちません。
外部ウォレットでの連携から始まり、みんなで仮想通貨等を盛り上げて、ユーザー様から信頼されていることを確認したうえでできたのが「MV Wallet」です。
大量発生するBOTアカウント、対応に追われる現場
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不正なアカウント作成が始まったときのご状況をお伺いできますか。
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持田様:「元素騎士Online」ではブロックチェーンサービスであり、ゲームを攻略することでNFTや暗号通貨を実際に得て、収益につなげることができる側面があります。サービスリリース以降、アカウントを多数作成してBOTで自動的にゲームを攻略するような動きがすごく多くみられました。
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「O-MOTION」導入以前は、どのように不正なアカウント作成に対応されていたのでしょうか?
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持田様:キャラクターの挙動やIPアドレスを確認してのBOTアカウントの停止措置を日夜手動で継続していましたが、アカウントを止めても新しいアカウントを作ってしまえば再開できてしまうため、完全にいたちごっこが続いてしまっていました。
特定のIPアドレスからの接続や、特徴的なロジックで生成されたアカウントを自動でブロックする機能のリリース・アップデートも行いましたが、それでも取り締まり切れない状態でした。
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多くの社内のリソースを割いての対応だったんですね。
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持田様:それにばかり開発リソースを割いているとサービス本体の更新にリソースが割きづらくなり、結果としてゲーム自体の更新を楽しみにしているお客様に迷惑をかけてしまうことになります。
社内で不正利用の取り締まりや抑止を行えるシステムを他の会社に頼る方針が決まり、その中で「O-MOTION」の存在を知りました。
自社では難しかった【デバイス情報の検知】が導入の決め手
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「O-MOTION」選定における決め手はどこでしたか?
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持田様:IPアドレスやアカウント作成ロジックという部分においては我々で対策をしていましたが、「O-MOTION」が不正利用者のデバイス情報から同一デバイスによる不正な操作を検知することができることを知り、導入を判断しました。
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お急ぎでの導入を希望されていましたが、導入はスムーズでしたか?
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持田様:その当時ゲーム内で連続してアップデートがあり並行で導入作業を行いましたが、私共のサービス専用のソースをご準備いただいてそれを組み込むだけだったので、実働は1〜2週間程度。スムーズに導入できました。
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導入により感じられている効果はありますでしょうか。
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持田様:「O-MOTION」導入後、明らかに不正と思われるアカウント作成数が大きく減りました。
導入直後は月間アカウント作成数のうち3〜4%くらいは不正アカウントと見られていました。導入後はアカウント作成の段階で、「O-MOTION」の検知に引っかかり、以降はあきらめたのか比率が下がったことで現在では0.5%未満という割合で推移しています。
ユーザー様からも「おかしな動きをしてるキャラクターが明らかに減った」という声が届いており、効果が上がったという手応えを感じることができました。
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一般のユーザーさんも「このアカウントおかしいな」というのがわかる状態だったんですね。
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持田様:BOTの動きは、集団で固まって一人だけ強いキャラクターだけが戦っているような、明らかにおかしい挙動なので。1つのマップの中で、自分以外全員がBOTだったという体験をされたユーザー様もいました。
そういったものを放置しておくと運営が信用されなくなってしまう。信用できないサービスは使いたくないですよね。どんどんユーザー様が離れていってしまうっていうのがわかっていることなので、すごく助かっています。
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正規のユーザーさんの安心につながっているとのことで何よりです。弊社サポート体制も含めご感想などがありましたら教えてください。
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持田様:毎月のレポートを頂戴しありがたく拝見してます。特に目立った問題も起きてないので、今は安心してサービスのアップデートに目を向けることができている。
これは「O-MOTION」、かっこさんのおかげだと思っています。
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嬉しいお言葉ありがとうございます。今後もレポートや「O-MOTION」のアップデート等でサポートいたします。
それでは最後にひとこといただけますでしょうか。
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持田様:従来のゲームタイトルであれば、大量の不正利用があったとしても、通信費などのインフラ費用が負担でき、サービス体験を損ねない範囲であれば、ここまで気にかける必要はなかったかもしれません。「元素騎士Online」は、ゲームサービスといえど、Web3.0・NFTといったサービスの性質上、BOTによる不正利用によってサービス体験が非常に悪いものになってしまう恐れがあります。今後もこのような性質のゲームタイトルを取り扱う際には、「O-MOTION」を導入しての不正アカウント作成の抑止というのはすごく重要で、引き続き導入を検討すべきかなと考えています。
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本日はお時間をいただきありがとうございました。