「反社チェックの方法が知りたい」
「そもそも反社チェックが必要な理由ってなんだろう」
このようなお悩みはありませんか?
実は、反社チェックは政府指針や条例の中でも重要視されています。もし反社会的勢力との取引が明るみになると企業存続の危機に陥ることも。
とはいえ、「具体的にどのような方法でチェックするのがいいのだろうか」と悩む方もいるでしょう。
そこで本記事では、
- 反社チェックが必要な理由3つ
- 反社チェックが必要な対象やタイミング
- 反社を行う3つの方法
などについて解説いたします。
さらに、記事の後半では「反社の可能性が高い相手と接触した際の対処法」についても紹介しますので、コンプライアンス強化を図りたい方はぜひ最後までご一読ください。
目次
反社チェックとは
反社チェックとは、取引先企業や株主の中に「反社会的勢力との関係が疑われる人物や組織が存在していないか」を取引前に確認することです。
反社チェックは、別名コンプライアンスチェックとも呼ばれています。では、反社会的勢力とは具体的にどのような存在のことを指すのでしょうか。
2007年に法務省から出された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の中で、反社会的勢力に関して以下のような記載があります。
著名人による反社会的勢力との交流がニュースで騒がれたこともあり、「反社チェック」という言葉を耳にする機会も増えてきました。
しかし、そもそもなぜ反社チェックを行うことが重要なのでしょうか。続いて、反社チェックが必要な理由について見ていきましょう。
反社チェックが必要な理由3つ
反社チェックが必要な理由は、以下の3つです。
- 政府指針や条例で定められている
- 反社との取引が明るみになると、企業存続の危機に陥る可能性がある
- 反社と取引を行った結果、反社から不正要求されるリスクがある
では、1つずつ解説します。
【理由1】政府指針や条例で定められている
反社チェックが必要な1つ目の理由は、政府指針や条例で定められているためです。
前章でも紹介した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の中では、「反社会的勢力との関係遮断のための取組みをより一層推進する必要がある」と記載があります。
実際に、暴力団は組織実態を隠ぺいする動きを強化し、不透明化を進めているのが事実です。
また、2011年からは「暴力団排除条例」が全都道府県で施行されました。本条例は、企業や一般市民が暴力団と関係性を持たないことを目的としています。
コロナ禍では、暴力団がコロナ貸付金を騙し取る事件も発生し、企業や一般市民はいつ被害に遭うか分かりません。
暴力団排除条例は、各都道府県によって条例の内容が異なるものです。たとえば東京都では、契約書を結ぶ際に暴力団排除に係る特約条項を定めることが推奨されています。
企業にあっては、自社が置かれている都道府県の暴排条例について、しっかり確認しておくことが大切です。
【理由2】反社との取引が明るみになると、企業存続の危機に陥る可能性がある
そもそも企業には、利益の追求だけでなく社会的責任を果たすことも求められています。
もし反社との取引が明るみになると、「コンプライアンス違反企業」というレッテルを貼られてしまうことも。
過去には、反社との関わりを疑われたのち上場廃止に至った企業も存在します。
他にも銀行融資を止められたり、取引先との関係が途絶えてしまったりと、反社とのつながりによって企業存続の危機に陥る可能性があるのです。
【理由3】反社と取引を行った結果、反社から不正要求されるリスクがある
反社との取引で怖いのは、一度つながるとその後に関係性を絶つのが難しいことです。
たとえば、「反社と取引したことを世間に知らしめる」と脅しをかけられ、不当な要求をされることもあるでしょう。
反社との取引で気を付けなければならないのは、経営陣だけではありません。企業に属する社員が反社とのトラブルに巻き込まれる可能性も十分あるのです。
ここまでの情報を、一度まとめます。
■反社チェックが必要な理由3つ
- 政府指針や条例で定められている
- 反社との取引が明るみになると、企業存続の危機に陥る可能性がある
- 反社と取引を行った結果、反社から不正要求されるリスクがある
では、具体的に反社チェックはどのような範囲で実施すべきなのでしょうか。続いて、反社チェックが必要な対象、タイミングについて見ていきましょう。
反社チェックが必要な3つの対象とは?タイミングも紹介
ここからは、反社チェックが必要な対象を3つに分けてご紹介します。
- 取引先企業
- 自社社員
- 株主
それぞれどのタイミングで実施すべきか、参考にしてみてください。
【対象1】取引先企業
取引先企業のチェックタイミングは、「新規取引先」と「既存取引先」によって異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
新規取引先は、取引が始まるタイミングでチェックする
新規取引先の反社チェックは、新規取引が始まるタイミングで実施します。
対象は、取引先企業だけにとどまりません。大株主をはじめ、顧問税理士や顧問弁護士など取引先企業の外部関係者も対象に実施しましょう。
なお、場合によっては取引先と契約を結ぶまでに反社チェックの結果が判明しないこともあり得ます。
そのような事態に備え、調査結果の内容次第では契約を破棄できる旨を契約書に盛り込んでおくと良いでしょう。
既存取引先も、固定で決めた定期タイミングでチェックを続ける
取引先への反社チェックは、継続して行うことが大切です。なぜなら、以前は問題が出てこなかった取引先が、いつの間にか反社と関わっていることもあるからです。
ただし、あまりに頻度が多すぎると、担当者の負担も大きくなる点に注意しなければなりません。年1回と決めるなど、一定期間ごとで実施するといいでしょう。
【対象2】自社社員
自社社員の場合でも、チェックすべきタイミングが色々あります。「入社前」と「役員就任決定後の就任前」に分けて、詳しく見ていきましょう。
入社前にチェックを行う
入社前の反社チェックは、正社員だけでなくアルバイト社員やパート社員も対象です。「学生の新卒なら反社チェックの重要性はそこまで高くないのでは?」と思われる方がいるかもしれません。
しかし、現代ではSNSを通じて学生と暴力団がつながるケースも見られ、実際に強盗傷害事件や給付金詐欺に学生が絡む事件も起きています。
役員就任決定後の就任前にもチェックを行う
社員の役員就任が決定した際も、反社チェックは必要です。このとき、本人以外にも親族や親族が経営する企業なども対象に実施しましょう。
なぜなら役員は組織内の責任あるポジションとなり、後から反社と関わりがあることが明るみに出ると取り返しがつかなくなってしまうからです。
本人のチェックはもちろん、親族や親族が経営する企業なども含めてチェックすることをおすすめします。
【対象3】株主
反社チェックの対象には、株主も含まれます。
株主を増やす場合や変更する場合に実施しましょう。なお、株主になる相手が法人の場合、代表者や役員、組織の外部関係者まで忘れずに反社チェックを行ってください。
ここまで、反社チェックの対象とタイミングについてお伝えしましたが、「どのようにチェックすべきか」気になっている方もいると思います。
続いて、反社チェックを行う方法について見ていきましょう。
反社チェックを行う3つの方法
反社チェックを行う方法には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 自社で調査する
- 自動化ツールやアウトソーシングを活用する
- 行政機関を活用して調べる
それぞれの内容を見ていきましょう。
【方法1】自社で調査する
時間と手間はかかるものの、自社で反社チェックを行う方法があります。
【自社で調査する方法】
- 契約書に「暴力団排除条項」を盛り込んで反応を見る
- インターネットや新聞のデータベースで検索する
- 法人登記で企業情報を確認する
- 資料を追加で提供するよう依頼する
- 各業界団体の反社データベースを照会する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
契約書に「暴力団排除条項」を盛り込んで反応を見る
まず、取引先と契約を結ぶ段階で見定める方法です。契約書に「暴力団排除条項」を盛り込み、契約書を確認する際の反応を見ましょう。
相手によっては内容の変更を求めてくることもありますが、その場合はより注意が必要です。「反社勢力ではないこと等に関する表明・確約書」を提出してもらい、書面で保管しておきましょう。
インターネットや新聞のデータベースで検索する
取引先企業や代表者を「暴力団」や「検挙」などの言葉と合わせて検索し、検索結果を確認する方法です。
手軽に調査できますが、時間や手間が発生してしまうといったデメリットもあります。
なお、反社チェックをインターネットで検索する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので関心のある方はぜひご覧ください。
法人登記で企業情報を確認する
国税庁の「法人番号公表サイト」で企業の信用調査を行う方法です。本社所在地や社名が短期間で変更されている場合には、より注意が必要になります。
検索結果によっては、実際に事務所のある場所へ足を運び、怪しい点がないか直接確認するのも効果的です。
資料を追加で提供するよう依頼する
取引先で不審な動きが見られたときには、資料を追加で提供するように依頼するのも1つです。
先ほど紹介した「反社勢力ではないこと等に関する表明・確約書」などを提出してもらい、反社との関係がないことを明らかにしてもらいましょう。
各業界団体の反社データベースを照会する
不動産業界や金融業界をはじめ、各業界団体は独自の反社データベースを所有していることがあります。
業界団体に問い合わせを行い、データベースを照会して調査することが可能です。中には業界を問わず、独自の反社データベースを持っている団体もあります。
【方法2】自動化ツールやアウトソーシングを活用する
自社で調査する方法とは異なり、自動化ツールやアウトソーシングを活用すれば手間を大幅にカットできるメリットがあります。
【自動化ツールやアウトソーシングの活用】
- 自動化ツールを活用する
- 専門調査機関に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自動化ツールを活用する
1つ目は、自動化ツールの活用です。手作業で実施していた反社チェックも、ツールを使えば大幅に手間を削減できます。
たとえば評判検索ツールの「うわさ発見」は、取引先企業や人をネガティブワードとともに自動検索することが可能です。
うわさ発見を使えば、取引先500社の反社チェック作業時間を8時間から1分にまで短縮できます。
取引先は2,000件まで登録でき、登録した取引先をボタン1つで一括チェックできる機能もあります。
無料プランは登録不要なので、気になる方は試しに検索してみてはいかがでしょうか。
専門調査機関に依頼する
2つ目は、専門調査機関に依頼する方法です。独自の反社データベースを使って検索する方法や内偵捜査など、さまざまな方法で反社チェックを行います。
費用や調査方法は依頼先によって異なるため、どのような内容になるのか事前に確認しておくといいでしょう。高い費用は発生しますが、精度の高い調査結果を期待できます。
【方法3】行政機関を活用して調べる
行政機関を活用して反社チェックを実施する方法もあります。取引先で反社の危険度が高いと判断した場合、以下のような機関を活用するのも効果的です。
【行政機関を活用する方法】
- 全国暴力追放運動推進センターへ相談する
- 警察へ相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
全国暴力追放運動推進センターへ相談する
1つ目は、全国暴力追放運動推進センターの活用です。暴追センターは「暴力団のいない社会」を目指して活動する団体で、全国47都道府県に設置されています。
暴追センターの会員になると反社チェックが行えますので、確認したい取引先の情報(名前・生年月日・住所)がわかる資料を持参して訪ねてみるのも1つです。
警察へ相談する
最も信頼できる情報を所有しているのが、警察です。警察では、取引先の反社チェックについて個別の事案に対応してくれることがあります。
警察は独自のデータベースを所有しており、自社では調査しきれない情報を得ることが可能です。
しかし、金融機関などを除き、一般の企業にはハードルが高い点がデメリットと言えます。
ここまで、反社チェックの方法について解説しましたが、中には「いつの間にか反社と関係性を持ってしまった」なんてことがあるかもしれません。
続いて、反社と関係性を持ってしまった場合の対処法について確認しましょう。
反社の可能性が高い場合の対処法とは?3つの流れで解説
ここからは、相手が反社の可能性が高い場合の対処法を3つのステップに分けて解説します。
- 上司や関係部署に相談する
- 顧問弁護士や警察に相談する
- 取引を中止する
では、順番に見ていきましょう。
【ステップ1】上司や関係部署に相談する
交渉相手や既存の取引先が反社の可能性が高い場合、その時点で上司や関係部署に相談しましょう。
一度深いつながりを持ってしまうと、なかなか関係性を断ち切れなくなりますので、早めに周囲へ相談することが重要です。
【ステップ2】顧問弁護士や警察に相談する
顧問弁護士や警察へも、反社の可能性が高いと分かった段階で早めに相談してください。弁護士からの内容証明郵便を送るなど、法的手段を検討するのも1つです。
【ステップ3】取引を中止する
もし取引を中止する場合、中止する理由を正直に伝えてはいけません。なぜなら、訴訟を起こされたり慰謝料を請求されたりする可能性があるからです。
そのため、「自社の審査基準は非公開であるため教えられない」と伝えるのが賢明です。
反社チェックをしようと思ったときによくある3つの質問と回答
反社チェックに関して、よくある質問は次の3つ。
- 反社チェックを効率化・自動化する方法はないの?
- 反社チェックで調べたとき、同姓同名の場合はどうすればいいの?
- 反社チェックを効率化できるチェックリストはないの?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【質問1】反社チェックを効率化・自動化する方法はないの?
反社チェックを効率化・自動化するときは、ツールを導入するのがおすすめです。
たとえば評判検索ツール「うわさ発見」なら、手作業でしていた反社チェックを自動で行います。
登録不要の無料プランも試せますので、興味のある方は以下からチェックしてみてはいかがでしょうか。
【質問2】反社チェックで調べたとき、同姓同名の場合はどうすればいいの?
同姓同名の場合、まずは生年月日を確かめましょう。もし生年月日が違えば、別人と証明できます。
同姓同名かつ生年月日も同じである場合、弁護士に相談して弁護士経由で検察庁に確認を依頼するのが良いでしょう。
【質問3】反社チェックを効率化できるチェックリストはないの?
事前にリストを作っておくと、抜け漏れなく効率的に反社チェックが進められます。反社チェック時、たとえば以下のようなポイントをリスト化するといいでしょう。
【自動化ツールやアウトソーシングの活用】
- インターネット検索時に不審な氏名の情報はないか
- インターネット検索時に不審な社名の情報はないか
- 社名が短期間で変更されていないか
- 本社所在地が短期間で変更されていないか
- 事業で必要な許認可を取得しているか
- 事務所に反社会的勢力と思われる人物が出入りしていないか
上記はあくまで一例で、実際にはもっと多くの項目をリスト化する必要があります。
とはいえ「チェックリストを自分で作ってチェックするのが大変……」と思った方もいるのではないでしょうか。そういった場合は、精度の高いツールを導入するのがおすすめです。
使い勝手を試したい方は、以下から取引先名を入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ:自社で取り組みやすい反社チェックの方法を選択しよう
今回は、反社チェックが重要な理由や具体的な方法などをお伝えしました。ここで、これまで紹介した内容をまとめます。
- 反社チェックとは、取引先企業や株主の中に「反社会的勢力との関係が疑われる人物や組織が存在していないか」を取引前に確認すること
- 反社との取引が明るみになると、企業存続の危機に陥る可能性がある
- 相手が反社の可能性が高い場合、上司や関係部署、顧問弁護士や警察などにすぐ相談する
反社チェックが重要視される中、暴力団も組織実態を隠蔽する動きを強化したり、不透明化を進めたりしています。
「反社チェックの手間を省きたい」「より効率的に実施したい」と考える方には自動化ツールの活用がおすすめです。
たとえば評判検索ツール「うわさ発見」では、取引先500社の反社チェック作業時間を8時間から1分へ短縮させることも可能です。
無料プランなら登録不要で試せますので、気になる方は以下からチェックしてみてください。