国内最大級の大容量・高速バックボーンを誇る自社データセンターを運営するさくらインターネット株式会社。なかでもクラウドサーバサービス事業におけるサービス品質改善対策のための不正対策について、カスタマーリレーション本部カスタマーエンゲージメント部ネットセーフティ企画課 眞崎さゆり様にお伺いしました。
サービス品質を支えるための取り組み
- 「O-PLUX」をどのようにご利用されているのかお聞かせください。
- 当社サービスは申込みいただいた方に会員IDを発行し、そのIDを使ってサービスを申し込んでいただく流れになります。
その会員IDを申し込んで頂いたタイミングで「O-PLUX」を使っています。不正行為のためにサーバーを使おうとするケースがあり、不正に使われてしまうと、例えば同じIPアドレス経由のメール送信がブロックされてしまうなど、既存のお客様にも迷惑がかかってしまうことになります。そのため、不正な申し込みを未然にチェックすることで、既存のお客様に対し安心して使ってもらえる環境を提供するために利用しています。
また、不正な申し込みを防ぐことでチャージバック対策としても活用しています。
運用としては、怪しい申込みに対する挙動をチェックするメンバーがいて、「O-PLUX」の審査結果とその理由もサービス停止などの判断材料にするようになりました。
さくらインターネット https://www.sakura.ad.jp/
様々に移り変わる不正傾向への対応
- 名前やメールアドレスなど、一部情報を変えて申しこんでくるケースなどもあるそうですが、どんな傾向がありますでしょうか。
- 忘れた頃に同一人物らしき不正者が再度やってくることもあります。時間も経っていて目視だけでは、見逃してしまいそうなものも、様々な情報を使いシステム的にチェックしているので、機械的に把握することができています。また、特徴がつかみにくいケースもありますが、新たな傾向と思われるものがあった場合は、サポートやサービス運用の者にも相談し、一緒に確認しながら対策を考えているおかげで、柔軟に対応することができています。
導入効果は不正な申込への対応措置の敏速さ
- 具体的には、どのような効果があったのでしょうか。
- 今までは、チャージバックが確定するなどの段階で強制的に解約措置をとっておりましたが、発覚するまでに時間がかかることが多く、平均して5カ月近くかかっておりました。それを70%の不正な申込みにおいて、10日以内で対応できるようになり、より敏速に対応することで既存のお客様へより安全な環境を提供できるようになりました。
早期に不正を見つけられるようになったため、不正利用を未然やできるだけ早いタイミングで対処できるだけではなく、チャージバックの被害を抑える効果も確認できるようになりました。
運用面では、怪しい項目が洗い出された状態からチェックができるので、チェックの時間短縮にもつながりました。
- ありがとうございます。
チャージバックの低減だけではなく、新たな「O-PLUX」の導入効果を気づかせていただきました。いち早く不正を見つけ対応することが既存のお客様への安心につながることがよくわかりました。