多くのマッチングアプリは、安全面に配慮したシステムを採用していますが、残念ながら悪質なユーザーの存在を完全に排除することは難しいのが現状です。
マッチングアプリ詐欺からの被害を防ぐためにも、実際の事例や手口を知ったうえで「怪しい人の見分け方」を理解することが大切です。
そこで本記事では、下記の内容を解説します。
- マッチングアプリ詐欺の被害事例2選
- マッチングアプリ詐欺の主な5つの手口
- マッチングアプリ詐欺の被害を防ぐ対策・怪しい人の見分け方
- マッチングアプリに騙されてしまった時の対処法
なお、マッチングアプリ詐欺の被害を防ぐためには、運営会社もできる対策を講じることが重要です。
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目次
マッチングアプリ詐欺の被害事例2選
国民生活センターには、多くのマッチングアプリ詐欺の相談が寄せられています。
前提として、「インターネット異性紹介事業届」を提出し、個人情報保護マークを取得しているマッチングアプリは安全面に考慮したシステムになっています。
ただ、どうしても悪質なユーザーは紛れ込んでしまうものです。
そこで、マッチングアプリ詐欺の被害に遭わないためにも、まずは実際にどのような被害事例が発生しているのかを確認してみましょう。
- 暗号資産を送金したあと連絡が取れなくなった
- FX取引を勧められ、大金を振り込んだあと返信がこない
【事例1】暗号資産を送金したあと連絡が取れなくなった
1つ目は、マッチングアプリで知り合った男性に暗号資産を送金したあと、連絡が取れなくなった事例です。被害女性は、下記の流れで詐欺の被害に遭いました。
(2022年8月受付 40歳代女性) ※参考:「国民生活センター」 |
これは、国際ロマンス詐欺の手口です。この手口では、恋愛感情を得られた後に「2人の将来のために」などと伝えてさまざまな要求をしてきます。
被害者の中には、相手が外国籍ということで、多少怪しくても「価値観の違い」なのかと思い要求に応じてしまう人もいるようです。
どのような理由があっても、マッチングアプリで知り合った相手へ安易に送金しないように注意しましょう。
【事例2】FX取引を勧められ、大金を振り込んだあと返信がこない
2つ目は、投資経験のない男性がアプリ上でFX取引を勧められ、大金を振り込んだあと返信がこなくなった事例です。具体的には、下記の流れで被害に遭いました。
(2021年8月受付 50歳代男性) ※参考:「国民生活センター」 |
これは、投資詐欺のよくある事例です。メッセージ上では好意を示していても、最初からだます目的で近づいているケースもあります。
「プロの投資家」「負け知らず」などの言葉で誘われたとしても、安易に投資するのはやめましょう。
マッチングアプリ詐欺の主な5つの手口
詐欺に引っかからないようにするためには、自己防衛が欠かせません。そのためにも、マッチングアプリ詐欺の手口を知ることが大切です。
本章では、有名な詐欺の手口を5つ紹介します。
- 投資詐欺
- デート商法
- 結婚詐欺
- 国際ロマンス詐欺
- ぼったくり
【手口1】投資詐欺
1つ目は、暗号資産やFXなどの投資サイト・アプリを紹介されて投資金をだまし取られる詐欺です。
投資詐欺を企む者は、
- 必ず儲かる
- 元本は必ず保証する
- あなただけに教える特別な情報
などと言って、マッチングアプリで出会った相手を勧誘してくるのが特徴です。
以前は、マッチングアプリなどの出会い系サービス以外で投資詐欺が行われるケースが多く、60歳以上の裕福な人がよく詐欺被害に遭っていました。
しかし、最近ではマッチングアプリで出会った人に投資を勧め、好意を抱いている相手に送金させるケースも増えています。
【手口2】デート商法
デート商法は、恋愛感情を抱かせたあとデートに誘い、高額な貴金属や商品・サービスなどを契約させる詐欺です。
恋愛感情を利用して、サービスや商品の購入を迫るのが特徴です。
マッチングアプリの利用者は、「お付き合いしたい」「結婚したい」などと思っているからこそ、自分の良いところを見せたくて無理してしまうケースも見られます。
なお、もし契約してしまった場合でも、2018年に改正された「消費者契約法による契約解除」もしくは「特定商取引法によるクーリング・オフ」が適応される可能性があります。
心当たりがある人は、消費者ホットライン「188」で相談してみてください。
※参考:「日本消費者協会」
【手口3】結婚詐欺
結婚詐欺は、仕掛ける側に結婚するつもりがないにも拘わらず、結婚の約束をした状態で金銭の授受が行われる手口です。
婚約した状態で、
- 結婚式の資金を現金でほしい
- 家族に重い病気の人がいてお金が必要
- 結婚するために清算すべき借金がある
などと理由をつけてお金を借りたあと、そのまま連絡が取れなくなる事例がみられます。
【手口4】国際ロマンス詐欺
国際ロマンス詐欺は、外国人を装い、マッチングアプリを通じて被害者に接触を図り、恋愛感情や親近感を抱かせて金をだまし取る行為です。
恋心を利用して「一緒に投資や副業をやろう」と誘って金をだまし取ったり、海外にいる家族への送金を理由にお金を借りたりします。
たとえば、次のようなセリフがよくある例です。
- 贈り物を用意したけど税関で止められてしまい、罰金の支払いを命じられたのでお金を一時的に貸してほしい
- 家族が病気で急きょ帰国することになってしまったけど、現金が足りないから貸してほしい
国際ロマンス詐欺は近年特に多発しており、多くの被害が報告されています。
【手口5】ぼったくり
マッチングアプリを通じたぼったくり被害も、増加傾向にあります。ぼったくりは、店側と女性(もしくは男性)がグルになって行われるのがよくある手口です。
【ぼったくりでよくある被害例】
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このように、最後には法外な金額を請求され、払えなければ痛い目に遭うリスクもあります。
マッチングアプリに関連するぼったくりの相談が相次いでいる状況を受け、警視庁でも2023年7月にマッチングアプリを運営する4社に対して不正利用の防止の協力を呼び掛けました。
マッチングアプリ詐欺の被害を防ぐ対策・怪しい人の見分け方
マッチングアプリ詐欺の被害は、消費者センターや警察などに相談をしても、お金を取り返すことは困難です。
そこで本章では、そもそも騙されないための対策として「怪しい人の見分け方」を紹介します。
【怪しい人の見分け方の例】
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テンプレとは、「定型文」や「ひな形 」のことです。
悪質なユーザーは、罠にかける人を探すためにテンプレを使用して、多くの人に同じような文章を送っているケースがあります。
また、悪質なユーザーは多くの人を相手にしているため、相手の返信には目を通していないことも多く、会話がかみ合わないという不自然さを感じることもよくある特徴の一つです。
やり取りする中で少しでも違和感や不安を感じたら、その相手をブロックしましょう。
独立行政法人国民生活センターでは、「マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト」を発表しているのでそちらもご活用ください。
また、マッチングアプリで出会った相手と周囲に人がいない場所でデートをすると、予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクも高まります。
不安がある場合は、人目のある公共の場所を使うなどデートの場所選びも大切です。
マッチングアプリ詐欺に騙されてしまった時の対処法
「マッチングアプリ詐欺に騙されたかも」と思ったら、まずは記録(証拠)を残すのが基本的な対処法です。
相手とのやり取りや写真、被害が分かるものなどの記録を持って相談に行きましょう。具体的な相談先としては、次のような場所(相手)が挙げられます。
【マッチングアプリ詐欺に騙された時の相談先】
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マッチングアプリ詐欺に遭ったら運営窓口に通報して、規約違反によるアカウント停止もしくは強制退会にしてもらいましょう。
他の会員が被害に遭わないためにも、報告は早めにするべきです。
もし口座やカードを不正利用されてしまった場合、銀行やカード会社に連絡すると無効化・再発行してもらえることがあります。
また、国民生活センター消費者ホットライン「188」へも相談しましょう。「188」は、最寄りの消費生活センターなどを案内する全国共通の電話番号です。
※引用:「政府広報オンライン」
国営の総合相談所である「法テラス」では、さまざまなトラブルに関するアドバイスを無料で受けることができます。
さらに、情報商材やデート商法の場合は、弁護士を通じて交渉することで返金や契約解除ができる可能性が高まります。
もちろん、警察への相談も可能です。
マッチングアプリで詐欺の被害に遭った場合には、「詐欺罪」や「性犯罪」「恐喝罪や暴行罪」に該当する可能性があります。
下記の情報を用意して、被害届を提出しましょう。
【被害届を提出する際に用意しておいたほうが良いもの】
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不正アクセスが原因で大手マッチングアプリから情報漏えいした事例
マッチングアプリを利用する際、個人情報の入力や身分証明書の提出などを求められることが一般的です。
本来は、利用者同士が安全に使えるように運営会社が実施している対策ですが、実はこれらの情報が狙われて会員情報の一部が流出する事例も発生しています。
たとえば、大手マッチングアプリの「Omiai」では、不正アクセスにより約170万件分の個人情報が漏えいする事件がありました。
このような情報漏えいは、不正者がシステムの脆弱性を狙って不正アクセスを仕掛けてくることにより発生するケースも多々あります。
そのため、事業者側も不正アクセスに対する対策が欠かせません。
大手マッチングアプリの「Omiai」で起きた個人情報漏えいの詳細が気になる方は、下記の記事をご覧ください。
【企業向け】被害を防ぐために運営会社ができる対策3選
監視体制が整っていないマッチングアプリは、詐欺事件が発生しやすくなってしまうため、運営会社はできる対策を講じることが大切です。
ここでは、企業の負担を軽減させつつ厳格に本人確認できる方法を3つ紹介します。
- eKYCを導入する
- 登録者情報の素行チェックを導入する
- 不正検知システム(O-MOTION)を導入する
これらは会員の満足度を上げるためにも有効な手段ですので、下記に当てはまるような事業者様は、ぜひ導入を検討してみてください。
【こんな悩みはないですか?】
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【対策1】eKYCを導入する
eKYCとは、オンラインだけでスムーズな本人確認ができる仕組みのことです。「本人確認書類の読み取り」や「顔画面を認証する機能」などがあります。
本来、マッチングアプリの入会申し込みには、本人確認書類の提出はもちろん、面倒な個人情報の入力が必要です。
しかし、eKYCはオンラインで本人確認を行うため、従来のように書類を郵送する必要がありません。
そして、OCR(光学的文字認識)やAIといった技術を活用して本人確認を行い、なりすましなどの不正利用も見破れます。
顔認証も自動で行うため、チェック工程を大幅に省人化でき、本人確認の業務にコストがかかっている企業ほど、eKYCを導入するメリットは大きいです。
eKYCの詳細が気になる方は、下記の記事をご覧ください。
【対策2】登録者情報の素行チェックを導入する
多くのマッチングアプリでは、利用規約の中で反社会的勢力やその構成員による会員登録を禁止しています。
そこで重要になるのが、登録者情報の素行チェックです。
具体的には、記事検索サービスなどを活用して、会員登録時に犯罪歴や反社該当の有無を事前にスクリーニングしましょう。
そして、反社会的勢力やその構成員のおそれがあると判断した場合、アカウント削除などの措置をとることで、マッチングアプリ詐欺を防ぐ対策にもつながります。
【対策3】不正検知システム(O-MOTION)を導入する
より強固な対策をしたい企業におすすめなのが、不正検知に特化したサービスを導入することです。
たとえば、かっこ株式会社の不正検知システム「O-MOTION」は、会員登録時だけではなく登録後ログインするたびに機能します。
まず、会員登録時に「O-MOTION」ができる対策は次のとおりです。
【O-MOTIONによる会員登録時の不正対策】
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※Tor(トーア)とは、IPアドレスを相手に知られることなくインターネットに接続したり、メールを送信したりできる匿名の通信システムのこと
そして、登録後のログインにおいては下記のような対策が可能です。
【O-MOTIONによる登録後のログイン対策】
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これらの対策をすべて自分たちで行うのは相当ハードルが高いですが、O-MOTIONを導入することでシステム側が対策してくれるようになります。
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まとめ
大手のマッチングアプリは、安全な出会いができるように公的証明書による本人確認や24時間365日の徹底した監視体制、会員からの通報やブロック機能、AIによる顔認証など工夫されているものがほとんどです。
しかし、それでも会員の中には悪徳業者やサクラが潜んでいる場合があります。
そのため、マッチングアプリ詐欺の被害を防ぐために利用者自身が「怪しい人の見分け方」を押さえておくことが大切です。
【怪しい人の見分け方の例】
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企業向けの対策としては、「eKYCの導入」「登録者の素行チェック」「不正検知サービスの導入」がおすすめです。
利用者が安心してアプリを使うためにも、できる対策から取り組んでみてください。
なお、当サイトでは、不正アクセスの現状や手口・対策についてまとめた資料を無料配布しています。
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