ECサイトを改善して売上を向上させるには、課題を見極めて的確な施策を打つ必要があります。
また、PDCAサイクルを回して常に改善を繰り返すことが大切です。
不正注文検知システムの国内ECサイト導入実績No.1の当サイトを運営する「かっこ」の独自調査を元に、この記事では以下について解説します。
- ECサイトを改善して売上を伸ばす8つのポイントと22の施策
- ECサイト改善で欠かせないPDCAサイクルの回し方
- ECサイト改善のために分析すべき3つのページ
ECサイトの売上向上につながるヒントを多く紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください。
なお、ECサイトを運営するうえでは不正対策も欠かせません。
当サイトでは、「EC業界の不正対策が現状どうなっているのか」独自調査したレポートを無料配布しています。
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目次
ECサイトを改善して売上を伸ばす8つのポイントと22の施策
当サイトを運営する「かっこ」は不正注文検知システムを提供・開発していて、ECサイト導入数は累計110,000サイト以上と、国内No.1の実績があります。
その導入しているECサイトを独自調査し、どうすればECサイトの売上を上げることができるのか、どうすれば利益を損なわない運営ができるのかをまとめているので、それを元にECサイトを改善して売上を伸ばすポイントとおすすめの施策を紹介します。
- アクセス数を増やす
- アクセスから購入までの導線を改善する
- 商品を見つけやすくする
- 商品の魅力を伝わりやすくする
- サイトの表示速度を速める
- 決済機能を豊富にする
- サイトの信頼性を担保する
- ユーザーの疑問・悩みを解消する仕掛けをつくる
これらの施策によってユーザーの利便性を高めることで、売上向上が見込めます。
【ポイント1】アクセス数を増やす3つの施策
アクセス数が足りない場合は、アクセス数を増やす施策が必要です。
アクセス数を増やす代表的な施策としては、次の3つが挙げられます。
【アクセス数を増やす3つの施策】
- SEO
- SNS
- Web広告
SEOとは「検索エンジンの最適化」を意味する言葉です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ECサイトやオウンドメディアのページを上位表示させる施策のことを指します。
他には、SNSアカウントを育てたり有料のWeb広告を利用したりすることで、ECサイトへのアクセス増加を期待できます。
ただし、これらの施策は奥が深いため、学習しながら実施するか実績のある専門業者に委託するのがおすすめです。
【ポイント2】アクセスから購入までの導線を改善する2つの施策
2つ目は、アクセスから購入までの導線を改善することです。
具体的な施策としては、次の2つが挙げられます。
【導線を改善する2つの施策】
- 購入までの手数を減らす
- 「商品をカゴに入れる」「購入する」などのボタンをわかりやすい場所に置く
導線を短くわかりやすくすることで、「カゴ落ち(かごに入れたのに商品を買わないこと)」を防いで購入数の増加を期待できます。
その際、「購入まで何クリックか」「入力しなければならない項目はいくつか」など、最小限の手数で済むように細かくチェックしましょう。
必要のない項目は、迷わず省くことが大切です。
また、購入ボタンを近くに配置することで欲しいと思った商品をカートに入れやすくなり、購入される確率が高まります。
購入を検討している人が迷わないこと、最小限の手数で購入できることが重要です。
【ポイント3】商品を見つけやすくする4つの施策
続いて、商品を見つけやすいサイト構造やレイアウトになっているか見直しましょう。
具体的な施策は、主に次の4つです。
【商品を見つけやすくする4つの施策】
- 人気商品を見やすいところに置く
- カテゴリーを整理する
- 売上ランキングやおすすめ商品を表示する
- 検索機能を充実させる
たとえば、カテゴリーを整理することで、欲しい商品ジャンルの一覧にすぐ飛べるようになります。
また、検索機能を充実させるとユーザーが欲しい商品にたどり着きやすくなるため、利便性の向上にもつながります。
【ポイント4】商品の魅力が伝わりやすくなる3つの施策
次のような方法で、商品の魅力を伝わりやすくすることも重要です。
【商品の魅力が伝わりやすくなる3つの施策】
- 実物をイメージしやすいように解像度の高い画像を用意する
- シンプルで読みやすい説明文にする
- 商品が見やすいレイアウトにする
どのような実物なのかがわからないと不安を感じてしまうものですが、解像度の高い画像を用意することでユーザーが商品をイメージしやすくなります。
その際、実際の利用シーンを撮影するなど、より商品が魅力的に見える画像を用意しましょう。
また、シンプルで読みやすい説明文やフォント・文字の大きさ、色使いも重要です。
画像・文章・サイトのレイアウトを整えて、商品の魅力を伝わりやすくしましょう。
【ポイント5】サイトの表示速度を速める3つの施策
読み込みが遅いとサイトから離脱される原因になるため、サイトの表示速度も非常に重要なポイントです。
「PageSpeed Insights(Googleが提供している計測ツール)」などのツールを用いて、ページ速度を計測しましょう。
ひとつの目安として、ページの表示に3秒以上かかると離脱される可能性が高まると言われています。
ページの表示速度を高める施策は、主に次の3つです。
【ページ表示速度を高める3つの施策】
- 画像を圧縮する
- サイトのレイアウトや構成をシンプルにする
- コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用する
画像の読み込みはデータ量が大きいため、大容量の画像ファイルがあると表示速度を遅くさせます。
画像を圧縮した状態でアップロードしたり、サーバー内で圧縮する機能を使ったりして、画像ファイルの容量を小さくしましょう。
また、サイトのレイアウトや構成をシンプルにすることで、ページ表示速度の改善を期待できます。
さらに、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の利用も有効です。
CDNを簡単に説明すると、Webコンテンツを配信するときに、複数の代理サーバーを利用することです。
1つのサーバーにアクセスが集中するのを避けることで、ページの表示速度の安定につながります。
【ポイント6】決済機能を豊富にする
決済機能が豊富であるほど、ユーザーの利便性が向上します。
次の例のように、今では多くの決済手段が登場しているため、ユーザーの希望する決済手段をできるだけ多く用意することが大切です。
【ECサイトで用意されている決済機能の例】
- クレジットカード
- ID決済
- 電子マネー
- コンビニ払い
- 銀行振込
たとえば、楽天Payのような実店舗で使えるQRコード決済は、Web上では「ID決済」として導入できます。
楽天ペイは、楽天市場以外のECサイトでも決済手段として利用することが可能です。
ID決済のアカウントにログインするだけで決済できることから、ユーザーは支払情報を新たに入力し直す必要がありません。
ユーザーの手間を省ける上に、セキュリティ面のメリットもあるため、できるだけ導入しましょう。
なお、その他のオンライン決済の種類やメリット・デメリットに関しては、下記記事で網羅的に解説していますのでご一読ください。
【ポイント7】サイトの信頼性を担保する4つの施策
Web上には、ユーザーから個人情報やお金をだまし取る悪質なサイトが存在します。
そのような背景もあり、Webでの購入に抵抗を感じるユーザーが一定数いることも事実です。
サイトの信頼性を担保し、Webで商品を購入する心理的ハードルを下げることができれば、売上向上につながります。
サイトの信頼性を担保するための施策は、主に次の4つです。
【サイトの信頼性を担保する4つの施策】
- 運営元企業・監修者を記載する
- 利用規約やプライバシーポリシーを表示する
- レビューや口コミを掲載する
- メリットだけはなくデメリットも紹介する
サイト内に運営元企業や監修者、利用規約やプライバシーポリシーを掲載することで、ユーザーへ安心感を与えられます。
レビューや口コミの掲載も、実際に利用している人の生の声がわかることから、信頼性を担保するための施策として有効です。
また、メリットだけではなくデメリットも紹介することで、ユーザーから信頼してもらいやすくなります。
【ポイント8】ユーザーの疑問・悩みを解消する2つの施策
ユーザーが抱く疑問や悩みは、できるだけ早く解消することで購買につなげやすくなります。
ここでは、多くのECサイトが取り入れている2つの施策を紹介します。
【ユーザーの疑問・悩みを解消する2つの施策】
- よくある質問(FAQ)を掲載する
- チャットボットを導入する
ユーザーがECサイトを利用する際、同じような疑問・悩みを抱くことは意外と多いものです。
事前によくある質問(FAQ)をまとめておくことで、ユーザーが疑問を持ったときすぐに解決できるようになります。
また、自動会話システムのチャットボットも有効です。
多くの場合、画面右下にチャットボットが表示され、24時間365日その場で質問ができる状態になっています。
自動でよくある質問のリンクを教えてくれたり、深い悩みに対しては担当者につないでくれたりするため、ユーザーの疑問をより早く解決できます。
ここで、これまでに紹介した内容をまとめます。
【ECサイトを改善して売上を伸ばす8つのポイント】
- アクセス数を増やす
- アクセスから購入までの導線を改善する
- 商品を見つけやすくする
- 商品の魅力を伝わりやすくする
- サイトの表示速度を速める
- 決済機能を豊富にする
- サイトの信頼性を担保する
- ユーザーの疑問・悩みを解消する仕掛けをつくる
いきなりすべてに取り組むのはハードルが高いので、できる施策から始めてみましょう。
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ECサイト改善で重要なのはPDCAサイクルを回し続けること
ECサイトを改善するうえで、PDCAサイクルを回し続けることが非常に重要です。
PDCAサイクルとは、下記4つのステップを繰り返すことを指します。
【PDCAサイクル】
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
なかでもECサイトの売上改善で特に重要なのは、Check(評価)とAction(改善)です。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
1:Plan(計画)
まずは、最終的に達成したい売上「KGI(Key Goal Indicator)」を設定します。
そして、現在の状況を把握し、KGIを達成するためにどのような課題があるのかを明確にしましょう。
たとえば、今あなたのサイトには次のような課題があるとします。
- ページ表示速度が4秒と遅い
- カゴ落ち率が70%と高い
もし複数の課題があるときは、優先順位をつけてどれから取り組むべきか検討するようにしましょう。
課題を明確にしたあとは、課題解決に向けた施策を計画していきます。
このとき、具体的な数値で目標を立てるのがおすすめです。
- ページ表示速度が4秒と遅い→画像サイズを縮小して「表示速度を3秒以下」にする
- カゴ落ち率が70%と高い→次の施策に取り組んで「カゴ落ち率50%以下」を目指す
- 入力項目を減らす
- ID決済や電子マネー決済、コンビニ払いを導入する
そして、KGIだけでなく中間指標であるKPI(Key Performance Indicator)も設定します。
「〇〇日後にページ表示速度を3秒以内にする」、「◯ヵ月後にカゴ落ち率50%以下にする」など、より細分化した計画を立てましょう。
2:Do(実行)
施策が決まったら、KPIの達成に向けて実行します。
このとき、ただ実行するだけではなく、改善点や気づいたことを記録しておきましょう。
細かなメモを残しておくことで、次の「評価」のフェーズを進めやすくなります。
3:Check(評価)
「計画」「実行」のあとは、それらの内容を細かく評価することが大切です。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといった分析ツールを使いつつ、
- PV(ページビュー数)
- CV(コンバージョン数)
- CVR(コンバージョン率)
などの項目を効果測定しておきましょう。
KPIで設定した期日がきたら、何%達成できたのかを評価します。
目標達成できなかったものに対して今後どうすれば達成できるのか、次のAction(改善)で考えます。
4:Action(改善)
Action(改善)のフェーズでは、達成できていないKPIを今後どうすれば改善できるのかを考えましょう。
画像を圧縮してもページ表示速度が3秒以内にならなかったとすれば、
- もっと画像を減らせないか
- 削除できる無駄なコードはないか
などの改善策が考えられます。
また、KPIへの取り組みが順調だったとしても、KGIの売上目標を必ず達成できるとは限りません。
他にできることはないか、さらなる改善策を検討することも大切です。
ECサイトでよくある例として、
- PV(ページビュー数)が落ちているならSEOやSNS施策に取り組む
- CVR(コンバージョン率)が落ちているならライティングやデザインを変えてみる
などの施策が考えられます。
改善策を考えたら、再び最初のPlan(計画)に戻ります。
このように、「計画」「実行」「評価」「改善」を何度も繰り返していくのがPDCAサイクルです。
ECサイト改善のために分析すべき3つのページ
ECサイトを改善するためには、特に分析すべき3つのページがあります。
- 多くのアクセスを集めているページ
- アクセスは多いがCVRが低いページ
- CVRは高いがアクセスが少ないページ
どのページに課題があるのか、どこを改善すべきかの見極めが非常に重要です。
1.多くのアクセスを集めているページ
アクセスが多いページから改善すると、より早く・より大きな効果を期待できます。
そのため、まずは多くのアクセスを集めているページを探しましょう。
特に下記3つの視点でチェックするのがおすすめです。
- 検索エンジン、SNS、広告など「流入経路」はどうか
- アクセスの多い時間帯はいつか
- モバイル用サイトとPC用サイトでは、どちらがアクセスされているか(アクセス数が多いサイトを改善したほうが早く効果が出る)
2.アクセスは多いがCVRが低いページ
アクセスが多くCVRも高いなら、あまり改善する必要はありません。
しかし、アクセス数は多いがCVRが低い場合は、改善することで売上の向上を見込めます。
CVRが低い場合、コンテンツやデザインに原因があることも多いです。
したがって、アクセス数が多くCVRが低いページが見つかったときは、次のようなポイントを意識しながらチェックしてみてみましょう。
- 商品の魅力が十分に伝わる文章になっているか
- 一目で商品の魅力が伝わる画像を使っているか
- 余計なものに意識をとられるデザインになっていないか
- レビューや口コミを上手く使えているか
- 購入までの導線はわかりやすいか、カートに商品を入れやすいか
アクセス数が多いページなら、CVRを改善するだけで売上が大きく改善する可能性があります。
3.CVRは高いがアクセスが少ないページ
CVRが高くてアクセスが少ないページの場合は、アクセス数を増やすことで売上向上を期待できます。
もっとも早く効果が出やすいのは、内部リンクを設置してアクセス数の多いページから誘導する施策です。
他にも、「SNSからの誘導」や「SEOで上位表示を狙う」などの施策があります。
一般的にSEO施策で効果を出すには時間がかかるため、実施する場合は長期的な視点で評価するようにしましょう。
ECサイト運営では不正対策も欠かせない
ここまでECサイトを改善する方法を解説してきましたが、ECサイトの運営には不正対策も欠かせません。
年々巧妙化するクレジットカードの不正利用や、悪質な転売への専門的な対策が必要です。
万が一、ECサイトに入力した顧客のクレジットカード情報が不正利用されてしまうと、
- 信頼を大きく失ってしまう
- 損害賠償で訴えられる
などのリスクがあり、最悪の場合は事業存続の危機に陥ってしまいます。
クレジットカードの不正利用被害は増加傾向にあり、2014年と比較して2021年では3倍近い被害額が出ました。
※引用:「一般社団法人日本クレジット協会」
また、自社の商品が悪質な転売目的の人へ渡ってしまうと、良い口コミが生まれずに商品に悪いイメージがついてしまいます。
このようなリスクに対してしっかり対策をしないと、顧客の信頼を失って売上を圧迫してしまう可能性があるのです。
ECサイトの不正対策をするなら、不正注文を見抜くクラウドサービス「O-PLUX」がおすすめです。
O-PLUXでは、累計110,000サイトの注文データを日々審査しており、不正の最新情報を集約・更新しています。
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まとめ:PDCAサイクルを回してECサイトを改善しよう
ECサイトを改善するためには、今どの施策が重要なのか見極める必要があります。
ECサイトの売上を伸ばすポイントは、主に次の8つです。
- アクセス数を増やす
- アクセスから購入までの導線を見直す
- 商品を見つけやすくする
- 商品の魅力を伝わりやすくする
- サイトの表示速度を速める
- 決済機能を豊富にする
- サイトの信頼性を担保する
- ユーザーの疑問・悩みを解消する仕掛けをつくる
適切なタイミングで的確な施策をおこなうことで、ECサイトが改善されて売上向上につながります。
PDCAサイクルを回しつつ、何度も改善を繰り返しましょう。
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なお、ECサイトを運営するうえでは不正対策も欠かせません。
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