8%から10%への消費税増税。軽減税率・経過措置・ポイント還元などについて解説

2019.11.22
不正検知・ノウハウ

2019年10月1日より消費税率が10%に引き上げられ、

それに伴い

  • 軽減税率
  • 経過措置
  • ポイント還元

などが実施されました。

この記事では、増税によって行われた施策に加えて、増税の目的や確保された財源の用途などの情報もまとめました。

※キャッシュレス・ポイント還元事業の終了後の発表や、2020年9月11日の閣議後の記者会見にて行われた消費税に関する今後の情報についても追記しました。(※2020年9月現在)

2019年10月1日から消費税率が8%から10%に

2019年10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられることが決定しました。

消費税引き上げの目的は、社会保障費の財源を確保することです。

確保された財源は、

  • 国債の返済
  • 教育・子育ての充実
  • 社会保障の充実

にあてられる予定です。

数ある税金の中から消費税が選ばれたのは、景気によって変動しにくく、引き上げることで安定的な税収増加が見込めるためです。

(所得税や法人税は利益によって税収が変わるため、景気の影響を大きく受けます)

そのため8%から10%の消費税引き上げで、年間約5.6兆円の税収増加が見積もられています。

補足として、2019年4月15日に経済協力開発機構(OECD)は「日本の財政健全化のためには消費税を26%まで引き上げる必要がある」という声明を発表しました。

ですが、2019年の参院選にて安倍首相から「10%増税後は今後10年くらいの間はあげる必要はない」という発言があり、しばらくは10%で維持される見通しです。

参考:財政健全化には消費税26%も OECDが日本に指摘|朝日新聞DIGITAL

2019年10月1日から行われる消費税増税のポイント

ここで消費税増税について把握する際に知っておきたい、2つのポイントをまとめておきます。

  • 軽減税率
  • 経過措置

それぞれ見ていきましょう。

軽減税率

1つ目は軽減税率に関して説明します。

軽減税率とは「高所得者層より低所得者層の方が負担が大きくなること(逆進性)を防ぐために、特定の品目に対しては軽減税率(8%)が適用される」という仕組みです。

軽減税率が適用されるのは

  • 酒類・外食を除く飲料食品
  • 週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づく)

の2つです。

軽減税率の対象となる「酒類・外食を除く飲料食品」とは、

  • 一般的な飲食料品
  • テイクアウト
  • 弁当・惣菜(持ち帰りとして販売される場合)
  • 屋台での軽食(いすやテーブル等の飲食設備がない場合)
  • 有料老人ホーム等での飲食料品の提供・学校給食(1食あたり640円以下かつ一日の累計額が1,920円までの場合)
  • 出前・宅配

などが含まれます。

参考:よくわかる消費税軽減税率制度|国税庁

経過措置

2つ目は経過措置です。

経過措置とは消費税増税の適用開始日(2019年10月1日)以後に行われる一部の取引は改正前の税率を適用するという仕組みです。

対象は以下の10項目のどれかに該当する取引です。

1. 旅客運賃等
2. 電気料金等
3. 請負工事等
4. 資産の貸付け
5. 指定役務の提供
6. 予約販売に係る書籍等
7. 特定新聞
8. 通信販売
9. 有料老人ホーム
10. 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に規定する再商品化等

引用:消費税率等に関する経過措置について | 国税庁

消費税増税で注目されているポイント還元とは

また消費税増税に伴い、キャッシュレス決済を利用することで消費者が受けられるポイント還元も注目されています。

ポイント還元とは、

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • 交通系ICカードなどの電子マネー
  • QRコード

といった「電子的に繰り返し利用できる決済手段」を中小・小規模事業者との取引で利用した場合、最大で税込価格の5%分の現金に相当するポイントが付与される仕組みです。

期間は2019年10月~2020年6月までの9ヶ月間で、対応しているのは経済産業省に申請し審査を通過し登録された店舗です。

こういった取り組みから、キャッシュレス決済の利用が増加すると考えられています。

参考:キャッシュレス・ポイント還元事業|経済産業省

キャッシュレスに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

キャッシュレス・ポイント還元事業は2020年6月30日で終了

2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として行われたキャッシュレス・ポイント還元事業は、2020年6月30日をもって終了しました。

経済産業省は、「ポイント還元事業で得られた加盟店や決済に関するデータを、中小店舗や自治体、決済事業者が利用しやすい形で公開していくことが必要である」とし、店舗の種類別の登録状況や利用状況を公開。

ポイント還元事業加盟店分布図

※参考:経済産業省

2019年10月1日から2020年3月16日までの対象決済金額は約7.2兆円。

還元額は約2980億円に及んだとも発表しています。

また、数字の推移だけでなく、アンケートによる意識調査も行われています。

2020年6月30日に公開された消費者及び店舗向けアンケートの調査結果では、「どの地域区分でも5割前後の消費者が、還元事業をきっかけにキャッシュレスを始めた又は支払手段を増やした。どの地域区分でも、2019年11月からその割合は増加している」と発表されており、今回の取り組みがキャッシュレス決済の普及に一役買ったことが伺えます。

調査結果には様々な項目があり、中には「どの地域区分でも約5割の消費者が、ポイント還元される店舗で購入するようになった。また、どの地域区分でも、2019年11月からその割合は増加している」という結果もあり、キャッシュレス決済の導入有無(決済方法の多様化)が利益に繋がるとも考えられます。

※参考:経済産業省

【最新】菅義偉首相「今後10年上げる必要ない」と発言

2020年9月11日、閣議後の記者会見にて、当時菅義偉官房長官(現首相)が「安倍晋三首相は今後10年上げる必要がないと発言した。私も同じ考えだ」と発言しました。

この発言は10日に放映されたテレビ東京の番組で、「将来は10%超への消費税率引き上げが必要」との考えを示した事に対し、「あくまで将来的な話としてお答えした」と補足したものです。

少子高齢化を踏まえ、社会保障費の財源が求められてはいるのは事実です。そのため、将来的に消費税が変動する可能性はあるものの、新型コロナウィルスの影響もあり具体的な時期は断定できないといえます。

※参考:日本経済新聞

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