アクワイアラとは?EC・クレジットカード業界での主な役割を解説

2020.06.12
不正検知・ノウハウ

「クレジットカードの仕組みってどうなっているの?」
「アクワイアラとイシュアという用語は何を意味する?」

普段何気なく使用しているクレジットカードですが、意外とその仕組みについて理解している人は少ないです。

特にカード会社にはアクワイアラとイシュアという2種類が存在していて、それぞれの役割分担とはいかなるものなのか説明できる人はわずかでしょう。

また、将来的に事業を興そうと考えていらっしゃる方は決済方法を考えた時にカード会社と契約する必要も出てくるので仕組みや用語を確認しておく必要があります。

今回は

  • アクワイアラとは何か
  • EC・カード業界におけるアクワイアラの役割
  • アクワイアラとイシュアの違い

について解説します。

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アクワイアラとは何か

アクワイアラ(Acquirer)とは英語で「得る者・獲得する者」という意味を指します。

クレジットカード業界では加盟店管理会社という意味を指します。

加盟店とは、クレジットカードやプリペイドカードなどの決済システムを導入した店舗のことです。

事業者はアクワイアラと契約しないとクレジットカードの導入はできないようになっています。

本章ではアクワイアラについて解説いたします。

  • アクワイアラの位置づけ
  • 代表的なアクワイアラ

ちなみに、海外ではアクワイアラの役割は銀行が担うことが多いですが、日本ではクレジットカード会社が行うことが多いです。

アクワイアラの位置付け

アクワイアラのEC・カード業界での位置付けは以下のイメージです。

アクワイアラの位置付け

アクワイアラは割賦販売法においては立替払取次業者に定義され、消費者からの入金より前に売上代金を立替えて小売店やECサイトへと入金を行います。

そして、小売店などがカード決済できるようにカード会社との取次を行います。

代表的なアクワイアラ

クレジットカードが使えるお店を増やす会社がアクワイアラです。

アクワイアラは世界各国に存在しています。

しかし、国際的なルールによってアクワイアラと加盟店は同一でなければならないと定められています。

そのため、国内事業者が国際ブランドの決済を導入する場合は、日本法人のアクワイアラーと契約しなければなりません。

日本の代表的なアクワイアラは以下の通りです。

  • 株式会社JCB
  • 三井住友カード株式会社
  • 三菱UFJニコス株式会社
  • 楽天カード株式会社
  • イオンクレジットサ-ビス株式会社
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • トヨタファイナンス株式会社
  • SMBCファイナンスサービス株式会社
  • ライフカード株式会社
  • ポケットカード株式会社
  • UCカード株式会社(アクワイアラ専業)

例えば、店舗に設置されているカード決済端末を設置するのもアクワイアラで、承認依頼伝票がアクワイアラを経由してイシュアに飛びます。

ECの決済の仕組みとアクワイアラの役割

EC・通販サイトで最も使用されているクレジットカード決済ですが、中でも「アクワイアラ」が担っている役割は新規加盟店の開拓、加盟店の審査・管理、加盟店への支払い取次ぎなどがあります。

この章では「アクワイアラ」を取り巻くクレジット業界で各社が担っている役割について紹介します。

  • EC決済の仕組み
  • イシュア
  • 決済代行サービス
  • アクワイアラの役割

ECサイトで、消費者がクレジットカードを利用する際の仕組みはどのようになっているのか、消費者・EC/通販サイト・クレジットカード決済会社の三社の仕組みからみていきましょう。

ECの決済の仕組み

ECサイトで消費者がクレジットカードを利用する時、どのような仕組みになっているのかを図解すると以下のイメージになります。

 

ECの決済の仕組み

上図の順序を説明をすると

  1. 消費者がクレジットカード利用でECサイト(加盟店)で商品を購入します。
  2. ECサイト(加盟店)からクレジットカード会社へ利用分の請求をします。(売上から決済手数料を差し引いた金額が入金されます。)
  3. クレジットカード会社が、消費者に対して利用代金の支払い請求をします。
  4. ECサイト(加盟店)が消費者に対し、サービスの提供(商品の発送等)をして完了です。

消費者が商品購入の決済方法としてクレジットカード決済を選択した際には上記の流れで決済処理や売上金の入金が行われます。

イシュアとは

イシュア(issuer)は英語で「発行者・発行人」を意味していて、クレジットカード業界では利用者と契約し、クレジットカードを利用者に対して発行・提供する企業をイシュアといいます。

クレジットカード決済を利用したい場合は、イシュアとの契約が必要になります。

また、消費者が購入した製品やサービスの代金を引落したりする業務はイシュアが行い、製品やサービスの売上代金はまず、消費者からイシュアへと支払われます。

イシュアと加盟店は金銭の授受を行う契約はないので、消費者の支払代金の取次ぎは、アクワイアラになります。

イシュアについてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

決済代行サービスとは

決済代行サービスとは、EC事業者とクレジットカード会社や金融機関の間に立ち、EC事業者に様々な決済手方法を提供するサービスのことを指します。

クレジットカード決済や電子マネー、コンビニ払いといった決済方法の導入をスムーズに行うのに必要といえます。

決済代行サービス・会社とは

例えば、決済代行サービス・会社を利用しないで「カード決済」を導入しようとすると、各カード会社と直接契約を個々に結ばなくてはならず、手続き、導入後の決済管理、セキュリティ対策などが必要になり、煩雑な手続きとなります。

しかし、決済代行サービス・会社を利用すれば複数の決済方法をEC・通販サイト一括で導入することができます。

決済代行サービス・会社についての詳細は以下の記事を参考にしてください。

アクワイアラの役割

EC・カード業界でのアクワイアラの役割は主に以下の3点になります。

  • 加盟店の新規開拓
  • 加盟店の審査
  • 支払いの取次ぎ

アクワイアラの役割は実際にクレジットカード利用者からは分かりにくいですが、クレジットカード利用者が安全に使用できるための重要な役割を担っています。

加盟店の新規開拓

アクワイアラはカード発行会社(イシュア)と、店舗などクレジットカード決済を利用したい事業者との間に立ち、事業者と契約を結ぶことでクレジットカードが利用できる加盟店を増やしていく役割があります。

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加盟店の審査

アクワイアラには、加盟店を審査する役割もあります。

その事業者が扱う商品・サービスでクレジットカード決済を利用して問題がないかなどを審査したうえで、加盟店契約を締結します。また、契約後も加盟店の管理を行います。

支払いの取次ぎ

加盟店でカード決済が行われると、カード発行会社(イシュア)がカード利用者から代金を回収します。

アクワイアラはイシュアからその代金を取り次いで、加盟店に支払いを行っています。

「アクワイアラ」と「決済代行」は異なる

よく「アクワイアラ」と「決済代行」は間違われます。

決済代行会社は、加盟店の審査や契約手続き、売上入金管理などを代行し、複数のアクワイアラと契約すると発生してしまう手間を低減することができます。

決済代行会社を利用すれば管理ツールを一元化することができるため、決済機関ごとの管理が不要となります。

決済代行会社が入った場合、加盟店手数料の支払い先がアクワイアラから決済代行会社へと変わるのです。

ここでは「アクワイアラ」と「決済代行」の2つについて、さらに以下の違いについて説明します。

  • 手数料の相場
  • 運用
  • 手数料の使い道

手数料の相場

加盟店手数料は各社好評を控えているので、見積もりを取ることをおすすめします。

クレジットカード決済を導入するにあたりEC事業者にとって、少しでも店舗の利益をあげるために加盟店手数料を安くするかというのは重要課題です。

複数のアクワイアラと契約すればその分だけ加盟店手数料がかかるので、その場合は決済代行会社を利用したほうがいいでしょう。

決済代行会社も多くの種類があり、各社手数料も違うので条件を比較した上で検討してみましょう。

運用

アクワイアラは、主な運用業務として加盟店を増やすことが第一にあげられており、決済代行会社は売上入金管理を行うことが主な運用業務となっています。

決済代行業者の運用業務は以下の通りです。

  • 売上入金管理
  • アクワイアラに代わって加盟店審査
  • アクワイアラに代わって契約の事務手続き

決済代行業者を使用すると、アクワイアラに代わり決済代行業務を行うので、契約の手間を省いて簡素化できるというメリットがあります。

しかし、決済代行業者の数も年々増加傾向にありますので、自社に最適な業者選びをしましょう。

手数料の使い道

加盟店が支払う得られる手数料はすべてがカード会社に流れるわけではなく、アクワイアラ・決済代行会社にも流れます。

アクワイアラ・決済代行会社ごとの加盟店からもらった手数料の使い道は以下になります。

  • アクワイアラ・・・イシュアへ支払う手数料、国際ブランドへのライセンス及びネットワーク手数料 etc.3社で分配します。
  • 決済代行会社・・・決済手数料、トランザクションフィー、振り込み手数料、取り消し処理手数料 etc.

以上のようにアクワイアラと決済代行は異なります。

補足. アクワイアラとイシュアの違い

ここまで、アクワイアラについて解説してきました。

アクワイアラと混同されるのがもう一つ、イシュアの存在です。

両社の決定的な違いについて簡単に補足すると、以下が大きな違いになります。

  • アクワイアラ・・・クレジットカードの加盟店契約会社。
  • イシュア・・・クレジットカードの発行会社

クレジットカードにはVISA、Mastercardなどの世界で使える国際ブランドがあります。

アクワイアラは国際ブランドとのライセンス契約をして加盟店を増やし、対してイシュアはカード会員を増やし、クレジットカードを発行する役割を担っています。

アクワイアラとイシュアの日本での役割

アクワイアラはクレジットカード決済において国際ブランドも重要な役割をになっています。

国際ブランドとはクレジットカード決済のシステムを提供している会社で、VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubが世界5大ブランドと呼ばれています。

カードにこれらの刻印や記載があることによって世界中でカード利用ができます。

対してイシュアは加盟店は現金利用客以外の顧客を増やすことに加え、利用者にとって国際ブランドのクレジットカードを国内外で安全に使うことができる役割を担っているのです。

代表的なイシュア

消費者がどのカードを作ろうかと考えるときに重要となるのがイシュアだと言えます。

日本の代表的なイシュアは以下の通りです。

  • 三井住友カード株式会社
  • 三菱UFJニコス株式会社
  • 株式会社クレディセゾン
  • UCカード株式会社
  • 株式会社ジャックス
  • トヨタファイナンス株式会社
  • SMBCファイナンスサービス株式会社
  • American Express International
  • 株式会社ジェーシービー
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • イオンクレジットサ-ビス株式会社
  • 楽天カード株式会社

例えば、店舗でクレジットカードを使うと、アクワイアラを経由して飛んできた承認依頼伝票がイシュアに到着します。

イシュアは、決済金額が与信枠内の場合は、決済を承認します。

まとめ

最後にまとめると、アクワイアラとは加盟店契約会社のことです。

日本ではイシュアがアクワイアラの業務を兼任していることが多いですが、JCBなどは日本の国際ブランドであり、イシュアとアクワイアラ3つの役割をすることでセキュリティを強固にしています。

しかし、JCBのようなセキュリティが強固なクレジットカードは少ないです。

こういった用語の意味や最新情報、業界のノウハウは不正検知への理解にも繋がります。

当サイトではそういった不正検知に役立つ情報を発信していますので、より知識を深めたいという方は他の記事もぜひご覧ください。

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