「クレジットカードの暗証番号の入力はいつ義務化されるの？」
「クレジットカードの暗証番号必須化の影響を受ける店舗はどこ？」
など、疑問をお持ちの方はいませんか？
クレジットカードの暗証番号入力が必須化されるのは、2025年4月からです。
2025年3月末までは、サインによる本人認証の「PINバイパス」が可能ですが、4月からサインが廃止されることから、今から暗証番号入力の必須化に対応できるように準備をしておかなければいけません。
この記事では、
- クレジットカードの暗証番号必須化の影響を受ける店舗の特徴3つ
- 【利用者向け】クレジットカードの暗証番号を忘れたときの対処法2つ
- 店舗で安全にクレジットカードを使うための注意点4つ
などを解説していきます。
店舗・クレジットカード利用者全ての方に関係があることですので、本記事を一読して、暗証番号必須化になってから慌てることがないようにしましょう。
目次
2025年4月からクレジットカードの暗証番号入力が必須化になる
2025年4月から、ICチップ付きのクレジットカードを店舗で使うときは、暗証番号の入力が必須となります。
つまり、今までできていたサインによる本人認証「PINバイパス」は、2025年3月をもって廃止となるので注意してください。
これは、日本クレジット協会から発表されたもので、不正利用防止を目的としたセキュリティ強化の一環です。
※引用：日本クレジット協会
日本クレジット協会では店舗で役に立つポスターを配布中ですので、以下からダウンロードしてぜひ活用してみてください。
よって、店舗側は据え置き型端末の配置見直しや、決済端末機の変更を検討しなければいけない場合もあるでしょう。
また、クレジットカード利用者においては、カード決済時には暗証番号を覚えておく必要があります。
なぜ、暗証番号入力が必須化されるのか？
その理由は、簡単に言うと「セキュリティの強化」です。
暗証番号の入力は、第三者によるクレジットカードの不正利用を防ぐための重要な手段です。
万が一、カード情報の盗難や詐欺に遭ってしまった場合も、暗証番号を必須化することで店舗での不正利用を防ぐことができます。
クレジットカードが不正利用される原因や対処法については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
少額取引やネットショッピングでは暗証番号は不要
クレジットカードの暗証番号必須化の動きは、セキュリティ強化の一環として注目されていますが、現時点では全ての取引で必須となるわけではありません。
特に、タッチ決済可能な少額の取引やネットショッピングでは、今後も暗証番号の入力が不要です。
しかし、今後のセキュリティ強化の流れによっては、暗証番号の必要性が拡大する可能性も考えられます。
クレジットカードを安全に利用するためには、最新のセキュリティ情報を常に確認し、必要に応じて暗証番号の管理を徹底することが重要です。
【注意】EC加盟店は3Dセキュアの導入が義務化になる
EC事業者は、クレジットカードの暗証番号必須化に直接的に関係しませんが、ネットショッピングでカードを安全に利用するための取り組みとして、2025年3月末までに3Dセキュア2.0の導入が義務化されています。
3Dセキュア2.0は、不正利用のリスクが高い場合のみ追加で本人確認を行うための仕組みで、不正利用のリスクを減少させることが期待できます。
EC事業者は、顧客の安全を確保するためにこのシステムを速やかに導入する必要があります。
3Dセキュア2.0導入の義務化により、消費者は安全なネットショッピングを期待できるようになるでしょう。
3Dセキュア2.0を導入するために必要な作業や導入しないままでいることのリスクは、以下の記事で詳しく解説していますので、EC事業者様はぜひお読みください。
クレジットカードの暗証番号必須化の影響を受ける店舗の特徴3つ
クレジットカードの暗証番号必須化の影響を受ける店舗の特徴は、主に3つです。
- 据え置き型の決済端末機を使用している店舗
- お客様から離れた場所で決済処理をしている店舗
- サインでの本人確認を認めている店舗
例えば、今まではお客様がわざわざレジまで出向かなくても、クレジットカードを一旦お預かりして、暗証番号ではなくサインで決済していた店舗は要注意です。
もし、据え置き型の決済端末を使用している場合、クレジットカードの暗証番号が必須化されたあとは、お客様にわざわざレジに出向いてもらわないといけなくなります。
特に、お客様が着席したまま決済を行っているレストランや美容室などでは、決済端末機の変更を検討した方がいいでしょう。
おすすめの決済端末機については、『3.2 2. 遠くにいるお客様まで端末機が届かない場合は改善しておく』で紹介しています。
クレジットカードの暗証番号が必須になる前に店舗が行うべきこと3つ
クレジットカードの暗証番号が必須化になる前に店舗が行うべきことは、主に3つあります。
- お客様に周知してもらうためにポスターなどを活用する
- 遠くにいるお客様まで端末機が届かない場合は改善しておく
- お客様からの質問に答えられるように従業員教育を行う
お客様の混乱を招かないためにも、店舗では暗証番号が必須になる前に必ず以下のことを行うようにしてください。
1. お客様に周知してもらうためにポスターなどを活用する
クレジットカードの暗証番号必須化に伴い、事前にお客様への周知は重要です。
店舗での告知を強化するために、日本クレジット協会が作成した啓発ポスターを店舗で活用するのがおすすめです。
※引用：日本クレジット協会
日本クレジット協会では店舗で役に立つポスターを配布中ですので、以下からダウンロードしてぜひ活用してみてください。
また、メールやSNSでの情報発信も効果的です。
これにより、お客様の混乱を防ぎ、スムーズな移行をサポートできるでしょう。
2. 遠くにいるお客様まで端末機が届かない場合は改善しておく
クレジットカードの暗証番号必須化に伴い、遠くにいるお客様まで端末機が届かない店舗での対応が求められます。
遠くにいるお客様に対してもスムーズに決済が行えるよう、決済端末機の位置や設置方法を見直し、必要に応じて端末機を移動可能な状態にするなどの改善を行いましょう。
これにより、顧客の利便性を高めると同時に、セキュリティの強化にも貢献できます。
移動可能な決済端末機のおすすめは、以下で紹介していきます。
暗証番号必須化に対応するには「ポータブル型決済端末」がおすすめ
クレジットカードの暗証番号必須化に対応するためには、ポータブル型決済端末の導入がおすすめです。
ポータブル型決済端末とは、携帯電話会社が提供する通信回線を利用して、クレジットカード決済ができる持ち運び型の決済端末機のことです。
これにより、お客様が暗証番号を入力しやすくなり、セキュリティも向上します。
特に、小規模店舗や移動販売業者は、スマートフォンやタブレットと連携したポータブル型決済端末を活用することで、柔軟かつ効率的な決済環境を構築できます。
3. お客様からの質問に答えられるように従業員教育を行う
お客様からの質問に答えられるように、クレジットカード暗証番号の必須化に関する知識を従業員に教育しておく必要があります。
これにより、お客様の疑問や不安に迅速に対応し、信頼性の高いサービスを提供できるでしょう。
従業員は最新のセキュリティ対策についても熟知し、必要に応じてアドバイスを行えるようにしましょう。
暗証番号に対応していないクレジットカードは今後もサインでOK
暗証番号に対応していないクレジットカードに関しては、暗証番号必須化のあとも従来通りサインでの決済が可能です。
海外のクレジットカードがこのケースが該当することが多いです。
ただし、セキュリティ強化の観点から、暗証番号対応カードへの移行が推奨されています。
暗証番号を設定することで、カード不正利用のリスクを減らすことができるため、クレジットカード利用者は今後の対応に注目し、自身のカードの仕様を確認しておくと良いでしょう。
【利用者向け】クレジットカードの暗証番号を忘れたときの対処法2つ
ここからは、クレジットカードの暗証番号を忘れたときの対処法を2つ紹介します。
- カード会社に連絡する
- 違うカードを使うまたは決済方法を変更する
今の時点で暗証番号を覚えていない方は、クレジットカードの暗証番号入力が必須化になる前に、必ず【対処法1】を確認して手続きを完了しておくようにしてください。
【対処法1】カード会社に連絡する
クレジットカードの暗証番号を「覚えていない」「忘れてしまった」場合は、まずカード会社に連絡し、必要な手続きを確認しましょう。
多くのカード会社では、オンラインで暗証番号の設定や変更が可能です。
ただし、暗証番号を変更するためにはカードの作り直しが必要になるケースもあり、時間がかかってしまうこともあります。
※引用：楽天カード
店舗での決済時にクレジットカードの暗証番号が分からなくなってしまったときは、【対処法2】の別のクレジットカードや決済方法を使うようにしましょう。
安全な暗証番号の設定方法
安全な暗証番号を設定するためには、複数の数字をランダムに組み合わせ、他のカードやアカウントと異なる番号を設定するようにしましょう。
誕生日や簡単な数字の組み合わせなど、第三者が簡単に予想できるものは不正利用のリスクが高いのでやめてください。
クレジットカードの暗証番号入力の必須化に伴い、安全な暗証番号に見直すことは、セキュリティを強化し不正利用を防ぐことにつながります。
【対処法2】違うカードを使うまたは決済方法を変更する
クレジットカードの暗証番号が必須化されたあと、もし店舗で決済時に暗証番号を忘れてしまった場合は、他のカードを利用するか、異なる決済方法を検討しましょう。
デビットカードや電子マネー、QRコード決済など、暗証番号入力が不要な方法を選ぶことで、スムーズに支払いが完了します。
| 暗証番号入力が不要な決済方法3つ | |
|---|---|
| デビットカード | 金融機関が発行している、預金口座と紐付けられたカードで、デビットカードで決済すると代金が口座から引き落とされる仕組み |
| 電子マネー | ICカードやスマホなどを通じて、電子データ化されたお金をやりとりし、商品またはサービスの代金を支払う決済方法 |
| QRコード決済 | 店舗または顧客側が用意したQRコードを読み取って支払いをする決済方法 |
店舗で安全にクレジットカードを使うための注意点4つ
クレジットカード利用者が、店舗で安全にクレジットカードを使うための注意点は4つです。
- カード番号やセキュリティコードが周りに見えないようにする
- 暗証番号は手で隠して入力する
- スキミング防止のためにICチップ付のクレジットカードを使う
- クレジットカードを紛失したときはカード会社に連絡する
クレジットカードの暗証番号必須化で、セキュリティが強化されるとはいえ、クレジットカード利用者が適切に使えていないと不正利用の危険性は高まります。
必ず以下の注意点を確認するようにし、安全にクレジットカードが使えるようにしましょう。
【注意点1】カード番号やセキュリティコードが周りに見えないようにする
注意点の1つ目は、カード番号やセキュリティコードが周囲から見えないようにすることです。
特に公共の場所での利用時には、周囲の目に注意し、情報が盗まれないように配慮しましょう。
また、暗証番号は他人に知られることのないよう、慎重に管理してください。
【注意点2】暗証番号は手で隠して入力する
注意点の2つ目は、暗証番号を入力するときは、必ず手で隠して行うことです。
これにより、覗き見による不正利用を防ぎ、安全性を高めることができます。
【注意点3】スキミング防止のためにICチップ付のクレジットカードを使う
注意点の3つ目は、スキミングを防ぐためにICチップ付のクレジットカードを使うことです。
スキミングとは、特殊な端末でクレジットカードの磁気ストライプに記録されている情報を盗む犯罪手口のことです。
ICチップは、磁気ストライプよりも安全性が高く、暗証番号の必須化と組み合わせることでより強固なセキュリティ対策が行えます。
セキュリティが充実しているクレジットカードの特徴が知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているのでお読みください。
【注意点4】クレジットカードを紛失したときはカード会社に連絡する
もし、クレジットカードを紛失したときは、速やかにカード会社に連絡することが重要です。
不正使用を防ぐため、紛失時にはカードを一時停止または停止する手続きを行う必要があります。
これにより、不正利用のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
クレジットカードを紛失した、またはクレジットカードが入っている財布を落としてしまった場合の対応方法は、以下の記事で分かりやすくまとめてありますので参考にしてください。
まとめ
2025年4月から行われる、クレジットカードの暗証番号入力の必須化は、セキュリティ強化の一環として進められます。
この変化により、店舗でのクレジットカードの不正使用リスクが大幅に減少することが期待されています。
クレジットカードの暗証番号入力の必須化に大きな影響を受ける店舗は以下の通りです。
- 据え置き型の決済端末機を使用している店舗
- お客様から離れた場所で決済処理をしている店舗
- サインでの本人確認を認めている店舗
もし、自店舗がこれらに該当する場合は、暗証番号が必須化する前にポータブル型決済端末に切り替えるなど、改善しておくようにしましょう。
また、クレジットカード利用者においては、暗証番号の入力は本人であることを確認するための重要なステップとなりますので、暗証番号を忘れないようにしましょう。
もし忘れてしまった場合は、
- カード会社に連絡する
- 他のカードまたは決済方法に変更する
などで対処するようにしてください。
店舗・クレジットカード利用者それぞれが安全にクレジットカードを使うことができるように、暗証番号の入力が必須化する前に行うべきことを必ずやっておくようにしましょう。
なお、EC事業者様においては暗証番号必須化には直接関係ありませんが、セキュリティ強化として2025年3月末までに3Dセキュア2.0の導入が義務化されますのでご注意ください。
