「インバウンド需要を取り込むためにはどうすればいい?」
「インバウンド観光客向けにスマホ決済を導入するメリットは?」
コロナ過明けでインバウンド観光客(訪日旅行)が戻ってきている中、インバウンド需要を取り込みたいと考えている店舗が増えてきました。
海外のキャッシュレス決済の普及率は日本に比べて高く、インバウンド需要を取り込むためには各国が利用できるスマホ決済の導入が必須だと言えるでしょう。
実際にインバウンド観光客からは、日本のキャッシュレス決済普及率の低さから「現金しか利用できなくて困った」などの声が多いです。
この記事では、
- インバウンド需要を取り込むにはスマホ決済導入が必須であること
- スマホ決済導入でインバウンド需要を取り込める理由
- インバウンド観光客向けにスマホ決済を導入するメリット
などについて解説していきます。
この記事を一読することで、インバウンド需要を取り込むために重要なスマホ決済の導入を前向きに検討できるようになるでしょう。
インバウンドへ向けてのマーケティングについては以下から資料をダウンロードして参考にしてください。
目次
インバウンド需要を取り込むにはスマホ決済導入が必須!
冒頭でもお伝えしたように、インバウンド需要を取り込むにはスマホ決済の導入が必須です。
なぜならば、海外のキャッシュレス決済普及率は日本に比べてかなり高い水準にあるからです。
日本ではクレジットカードを利用できる店舗は多いですが、スマホ決済を導入している店舗はまだまだ少ないです。
日本での消費量が多い韓国や中国ではスマホ決済の利用者も多く、各国が利用できるスマホ決済を導入してこれらのインバウンド観光客を確実に取り込んでいく必要があるでしょう。
インバウンド観光客が日本に来て困ったケース3つ
インバウンド観光客が日本に来て「キャッシュレスが使えないことで困った!」という声が多くあります。
ここでは、インバウンド観光客が日本に来て困ったケースを3つ紹介します。
- 交通系ICカードのチャージ方法が現金のみだった
- 観光地でも小さいお店は現金しか使えなかった
- 時間帯によってキャッシュレス決済ができなかった
もしこれらのケースに当てはまってしまう店舗は、早急にスマホ決済を含めたキャッシュレス決済ができるようにしていきましょう。
【ケース1】交通系ICカードのチャージ方法が現金のみだった
困ったケースの1つ目は、「交通系ICカードのチャージ方法が現金のみだった」ということです。
日本人は、基本的に交通系ICカードなどは現金でチャージするのが当たり前だと考えています。
しかし海外では、交通系ICカードのチャージもキャッシュレスで行っているケースが多いようです。
自国ではキャッシュレスが当たり前のインバウンド観光客にとっては、交通系ICカードのチャージ方法が現金しかできない時は、「お金が足りなくて困った!」となるのは当然のことでしょう。
【ケース2】観光地でも小さいお店は現金しか使えなかった
困ったケースの2つ目は、「観光地でも小さいお店は現金しか使えなかった」ということです。
日本でも、観光地ではほとんどの店舗で幅広いキャッシュレス決済が選択できるようになってきています。
しかし、中には現金でしか決済ができないといった店舗もあります。
インバウンド観光客の場合「キャッシュレス決済ができないなら、できる店舗で購入しよう」と考えることから、現金のみの店舗はインバウンド観光客からの売上機会を失う可能性が非常に高いと言えるでしょう。
店舗集客についてのお役立ち資料は以下からダウンロードしてください。
【ケース3】時間帯によってキャッシュレス決済ができなかった
困ったケースの3つ目は、「時間帯によってキャッシュレス決済ができなかった」ということです。
あまりないケースですが、ランチではキャッシュレス決済ができるのにディナーではキャッシュレス決済ができないといった店舗もあるようです。
ネットなどで得た事前情報では「キャッシュレス決済可」となっていたのに、実際行ってみたら現金払いしかできなかった時は、必要最低限の現金しか持っていないインバウンド観光客にとっては困ってしまう出来事となるでしょう。
インバウンド観光客のキャッシュレス決済普及率はどれくらい?
ここからは、世界主要国におけるキャッシュレス決済普及率がどれくらいの比率であるかを紹介していきます。
「日本に比べて海外のキャッシュレス決済普及率は高い」と言ってきましたが、実際にグラフを見ていただければ日本との違いに驚くことでしょう。
グラフから分かるように、韓国や中国では国民のほとんどがキャッシュレス決済を利用しているということが分かるでしょう。
特に数字を見てみると明らかで、キャッシュレス決済の比率が日本は32.5%に対してすぐ近くの韓国では95.3%という高い水準であることに驚きます。
また、近郊アジア圏の韓国・中国・台湾・香港の4ヵ国を合わせるとインバウンド観光客の約半数に当たります。
※引用:JTB総合研究所
つまり、キャッシュレス大国の韓国を含めて近郊アジア圏のインバウンド需要を確実に取り込むためには、各国が利用できるスマホ決済の導入が必須であると言えるでしょう。
インバウンドへ向けてのマーケティングについては以下から資料をダウンロードして参考にしてください。
海外でキャッシュレス決済が普及しているワケ
これだけ海外でキャッシュレス決済が普及しているのは、治安の問題が大きいと言えるでしょう。
治安が良いと言われている日本では、道を歩いていてスリや盗難に遭う可能性は非常に低いです。
しかし海外ではスリや盗難被害が日常茶飯事で、なるべく現金を入れた財布を持たないといった対策を行っています。
よって、海外では身を守るためにもキャッシュレス化が急速に進んでいるというこです。
アジア各国で主に使われているスマホ決済
インバウンド観光客の多くが近郊アジア圏から訪れているということで、近郊アジア圏で主に使われているスマホ決済について覚えておくといいでしょう。
以下の表では、近郊アジア圏で主に利用されているスマホ決済についてまとめました。
国別(アジア圏) | 主に利用されているスマホ決済 | 詳細 |
---|---|---|
韓国 | kakao Pay | 韓国で最もダウンロードされているアプリのカカオトークが提供するスマホ決済 |
中国 | Alipay・WeChat Pay | Alipay:アリババグループが提供する中国の通貨「人民元」で支払いを行うQRコード決済サービス WeChat Pay: 中国国内で利用率No.1のメッセンジャーアプリ「WeChat」の決済機能で、QRコードのスキャン・掲示で支払う方法 |
シンガポール | PayNow・DBS PayLah! | PayNow:シンガポールの銀行協会によって開発されたほぼ即時のリアルタイム決済システムで、QRコードを読み取るか自分のコードをアップロードすることで支払いを行う DBS PayLah!:シンガポール三大銀行のDBSが提供するQRコード決済サービス |
台湾 | JKOPAY・AlipayHK | JKOPAY:街口電子支付股份有限公司が提供するスマホQR決済サービス AlipayHK:中国のモバイルウォレット「Alipay+」が提供する香港向けのモバイル決済サービス |
今回紹介させていただいた近郊アジア圏の国々は、インバウンド観光客の多くを占めています。
これらの国々が利用できるスマホ決済を導入することで、インバウンド需要を取り込み売上アップを期待できると言えるでしょう。
「PayPay」や「LINE Pay」がこれらの海外スマホ決済と連携を開始しているので、詳細は「6. 「PayPay」や「LINE Pay」が海外Payと連携を開始している」を参考にしてください。
スマホ決済導入でインバウンド需要を取り込める理由4つ
ここまで、スマホ決済導入でインバウンド需要を取り込めるとお伝えしてきましたが、その理由は4つあります。
- 海外のキャッシュレス比率が高いから
- キャッシュレス大国の韓国や中国の消費量が多いから
- 手持ちが足りない場合でも来店が見込めるから
- 現金を持たないことで財布の紐が緩むから
それぞれ以下で詳しく解説していきます。
【理由1】海外のキャッシュレス比率が高いから
理由の1つ目は、前章のグラフで見てもらった通り、海外のキャッシュレス比率が高いことが挙げられます。
海外で普及しているキャッシュレス決済は、クレジットカードだけではなくスマホ決済の需要も高いです。
よって、各国が利用できるスマホ決済を含めた幅広いキャッシュレス決済の選択肢を用意することで、インバウンド需要を取り込むことができるでしょう。
【理由2】キャッシュレス大国の韓国や中国の消費量が多いから
理由の2つ目は、キャッシュレス大国と言われている韓国や中国の消費量が多いからです。
前章のグラフでも見ていただいたように、近郊アジア圏の韓国・中国・台湾・香港の4ヵ国でインバウンド観光客の約半数に当たります。
※参考:JTB総合研究所
よって、近郊アジア圏の国々が主に利用しているスマホ決済を導入することで、インバウンド需要を取り込むことができるでしょう。
【理由3】手持ちが足りない場合でも来店が見込めるから
理由の3つ目は、現金の手持ちが足りない場合でも来店してもらうことができるからです。
もともと現金を利用するつもりがないインバウンド観光客は、キャッシュレス決済可の店舗を事前に調べて利用しているケースが多いです。
公式HPや店舗掲載アプリなどでキャッシュレス決済可をアピールすれば、インバウンド観光客を取り込むことができると言えるでしょう。
また、店舗の入り口付近にキャッシュレス決済ができる旨の張り紙や看板を置くのも有効です。
【理由4】キャッシュレス決済を利用することで財布の紐が緩む
理由の4つ目は、キャッシュレス決済を利用することで財布の紐が緩むということが挙げられます。
例えば、現金払いをする前提で買い物する時は、予算を決めて買い物をする人が多いでしょう。
しかし、キャッシュレス決済を利用する前提で買い物をする時は、値段を気にせずに買いすぎてしまうという現象が起こりやすいです。
このようにキャッシュレス決済を利用できる店舗では、金銭感覚を麻痺させる効果が期待できるので、インバウンド需要を多く取り込むことができるでしょう。
インバウンド観光客向けにスマホ決済を導入するメリット3つ
インバウンド観光客向けにスマホ決済を導入することは、インバウンド需要を取り込むだけでなく他にも様々なメリットがあります。
メリットは主に3つあります。
- 売上増加が見込める
- アプリと連携して収支の管理が楽になる
- 現金盗難などのトラブルを避けられる
それぞれ以下で詳しく解説していきます。
【メリット1】売上増加が見込める
コロナ過が明けインバウンド観光客の流入が戻りつつある今、スマホ決済を導入することで売上増加が見込めると言えるでしょう。
特に観光地にある店舗などでは、積極的に各国が利用できるスマホ決済の導入を進めるべきです。
インバウンド観光客は一度で多額の買い物をしてくれることもあるので、そのような売上機会を逃すことがないようにしましょう。
【メリット2】アプリと連携して収支の管理が楽になる
連携して収支の管理が楽になるアプリの活用も進んでいます。
現金の管理が不要になることで、業務の効率化が上がり無駄な経費削減にも繋がります。
このように店舗でキャッシュレス化を進めていくことで、業務効率化と売上拡大のどちらも期待できるのは嬉しいポイントです。
【メリット3】現金盗難などのトラブルを避けられる
スマホ決済を導入することで、金庫やレジに現金をたくさん入れずに済むので、現金盗難などのトラブルを避けられるでしょう。
現金払いしかできない店舗では、犯罪者に現金がたくさんあるという認識をさせてしまうことがあります。
スマホ決済を導入すれば、現金盗難などのトラブルを完全に避けられる訳ではないですが、可能性を低くすることはできるでしょう。
日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れている
グラフから見ても分かるように、 日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れています。
そのため、「日本は経済的には先進国だが、キャッシュレス化に関しては後発国だ」と言われています。
日本が世界各国に比べてキャッシュレス決済の普及が遅れているのには、主に4つの理由があります。
- キャッシュレス決済を利用するメリットが感じられないから
- 不正利用をされる不安があるから
- 個人情報が漏洩しないか心配しているから
- 現金払いで不便せず問題ないから
特にスマホを使い慣れていない高齢の方たちは、スマホ決済などのキャッシュレス決済を使いこなすことができずに現金払いで支払いを行っているケースが多いです。
また、スマホ決済やクレジットカード決済などでは不正利用される可能性がゼロではありません。
そのため、「不正利用の被害に遭わないか」「個人情報が漏洩してしまわないか」などの不安を感じている方が一定数いるということです。
当サイトを運営するかっこ株式会社では、このような不安を解決させるために不正利用や個人情報漏洩についての情報をたくさん発信しています。
不正利用や個人情報漏洩について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
2025年までにキャッシュレス決済比率の倍増を目指している
前述でもお伝えした通り、日本はキャッシュレス決済の普及が遅れていますが、2025年までにキャッシュレス決済比率の倍増を目指しています。
以下の経済産業省の資料では、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し、将来的には世界最高水準の80%を目指していくということです。
※引用:キャッシュレスの将来像に関する検討会とりまとめ|経済産業省
2025年には大阪・関西万博が行われるため、ここでインバウンド需要を取り込むためにはキャッシュレス決済比率を倍増させる必要があるということです。
「PayPay」や「LINE Pay」が海外と連携を開始している
インバウンド需要のさらなる取り込みを目指して、「PayPay」や「LINE Pay」が海外と連携を始めています。
特に、インバウンド観光客の割合が多い近郊アジア圏との連携を開始していて、多くのインバウンド需要を狙っています。
「PayPay」と「LINE Pay」の海外連携については、以下で詳しく解説していきます。
PayPayの海外連携
「PayPay」を導入する加盟店では、
- 中国の「Alipay」
- 香港の「AlipayHK」
- 韓国の「Kakao Pay」
を利用しているインバウンド観光客は、設置されているQRコードから決済できるようになりました。
また、「PayPay」を導入する加盟店のうち「Alipay+(アリペイプラス)」を利用する店舗において、
- タイの「TrueMoney」
- マレーシアの「Touch ‘n Go eWallet」
- フィリピンの「GCash」「HelloMoney by AUB」
での決済が可能になっています。(参考:PayPayプレスリリース)
「PayPay」は全国に展開するチェーン店からクレジットカードで決済できない個人経営の店舗まで幅広く利用できます。
また、主要な国内スマホ(コード)決済サービスのうち「Alipay+」と提携している唯一のサービスです。
特に観光地にある店舗では、インバウンド需要を取り込むために「PayPay」などのスマホ決済の導入を検討していきましょう。
LINE Payの海外連携
「LINE Pay」はインバウンド対応の決済サービスを提供するために、2018年に「LINE Pay Global Alliance」を発表しました。
これにより、
- 韓国の「Naver Pay」
- 中国の「WeChatPay」
- 台湾・タイ・インドネシアの「LINE Pay」
との連携で、上記それぞれのPayユーザーは日本のLINE Pay加盟店でのスマホ(コード)決済ができるようになりました。
しかし、「LINE Pay Global Alliance」はインバウンドに特化した仕組みなので、日本人が海外を旅行する時に役立つサービスではありません。
最後に、キャッシュレス決済でも不正利用が増えてきているので利用者はもちろんですが、加盟店・事業者での対策もきちんと行っていきましょう。
まとめ
インバウンド需要を取り込むためには、スマホ決済の導入が必須だというお話しをしてきました。
スマホ決済の導入を進めることでインバウンド需要を取り込める理由は4つです。
- 海外のキャッシュレス比率が高いから
- キャッシュレス大国の韓国や中国の消費量が多いから
- 手持ちが足りない場合でも来店が見込めるから
- 現金を持たないことで財布の紐が緩むから
キャッシュレス大国の韓国では、キャッシュレス決済の比率が95%を超えていて、ほとんどの国民がキャッシュレス決済を利用しています。
その韓国を含む、近郊アジア圏の韓国・中国・台湾・香港の4ヵ国はインバウンド観光客の約半数を占めているので、インバウンド需要を取り込むためにはここの層を逃してはいけません。
そこで日本では「PayPay」や「LINE Pay」がこれらの近郊アジア圏との連携を始めていて、多くのインバウンド需要を取り込む取り組みを始めています。
それでも日本は世界各国と比べてキャッシュレス決済の普及率が低いですが、2025年の「大阪・関西万博」開催までにキャッシュレス決済比率を倍増させる目標を掲げています。
インバウンド観光客が不自由なく日本で楽しむためにも、インバウンド向けのスマホ決済の導入をはじめ、キャッシュレス決済導入を早急に検討していきましょう。