「なぜ証券口座は乗っ取られるの?」
「証券口座乗っ取りの原因で最も多いのは?」
など、証券口座が乗っ取られる原因が知りたいと思っている方はいませんか?
最近では、フィッシング詐欺をはじめとした巧妙な手口による証券口座の乗っ取りが急増しています。
証券口座の乗っ取りは、資産を狙う悪意ある者たちによるもので、あなたの大切な資産を守るためには、原因を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。
この記事では、
- 証券口座乗っ取りの原因で最も多い「フィッシング詐欺」について
- その他、証券口座が乗っ取られる主な原因
- 証券会社になりすましたフィッシングメールの手口
などを解説していきます。
本記事を一読することで、証券口座の乗っ取りを未然に防ぎ、安心して取引を続けるための知識を身につけることができるでしょう。
なお、証券口座の乗っ取りは金融機関をはじめ、顧客の個人情報を扱っている企業様にも衝撃を与えました。
自社のフィッシング対策状況について知りたい企業様は、以下から資料をダウンロードしてご活用ください。
目次
【注意】証券口座乗っ取りの原因で最も多いのは「フィッシング詐欺」
証券口座の乗っ取りで最も多い原因は、フィッシング詐欺と考えられています。
※引用:日経ビジネス
フィッシング詐欺とは、実在する企業や団体になりすましたメールやSMSを送りつけ、偽のウェブサイトに誘導して、個人情報やクレジットカード情報を窃取する詐欺のことです。
証券会社になりすますフィッシング詐欺では、不正者が「緊急通知」や「取引制限」など不安を煽るメールを送りつけ、リンクから手続きを行うよう促し、ログイン情報などを窃取します。
このようなフィッシング詐欺に引っかかると、証券口座が乗っ取られ、不正取引や資金流出の危険があります。
証券口座乗っ取りによる不正取引の現状
フィッシング詐欺などで窃取した顧客情報(ログインIDやパスワードなど)を使用した、インターネット取引サービスでの不正アクセスや不正取引の被害が急増しています。
以下は、金融庁が発表しているもので、2025年1月~6月までの半年間における証券口座への不正アクセス・不正取引件数をまとめた表です。
※引用:金融庁
2025年1月~6月で確認されている証券口座への不正アクセスは12,758件で、そのうち不正取引が行われたのは7,139件です。
ただし、金融庁が現時点で各証券会社から報告を受けている件数であり、まだ判明していない不正アクセスや不正取引が存在する可能性があるため、今後も注意が必要です。
あなたの証券口座が乗っ取られているか確認する方法や、乗っ取られてしまった場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しておりますので参考にしてください。
証券口座が乗っ取られる主な原因は4つ
証券口座が乗っ取られるのには、さまざまな原因が重なっているケースもあります。
原因として挙げられるのは4つです。
- フィッシング詐欺に引っかかる
- セキュリティ設定の甘さ
- パスワードリスト型攻撃を受ける
- 端末がマルウェアに感染する
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
【原因1】フィッシング詐欺に引っかかる
先ほども説明しましたが、証券口座の乗っ取りで最も多い原因は、フィッシング詐欺だと考えられています。
フィッシング詐欺とは、知名度の高い大企業や実在する団体の名前を使い、メールのリンクから偽サイト「フィッシングサイト」へと誘導し、あなたの個人情報を窃取する詐欺のことです。
フィッシングメールからログイン情報などの個人情報を窃取されることにより、証券口座が乗っ取られてしまいます。
しかし、フィッシングメールは本物に非常に似ているため、一般ユーザーが見分けるのは非常に難しいと言われています。
証券会社からのメールが本物か偽物か見分けたい方は、『3. 【最も多い原因】証券会社になりすましたフィッシングメールの手口3つ』で実際に被害が確認されているメールの内容を紹介しておりますので参考にしてください。
なお、さまざまな企業になりすましたフィッシングメールの見分け方については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので気になる方はお読みください。
【原因2】セキュリティ設定の甘さ
証券口座乗っ取りの原因として、セキュリティ設定が不十分なことも挙げられます。
特に、多要素認証を有効にしていない場合、パスワード漏洩のリスクが高まります。
また、簡単すぎるパスワードや、パスワードの使い回しもリスクを高めます。
【原因3】パスワードリスト型攻撃を受ける
パスワードリスト型攻撃と呼ばれるサイバー攻撃を受けることが原因で、証券口座が乗っ取られることがあります。
パスワードリスト型攻撃は、サイバー犯罪者が過去に流出したパスワードリストを利用して、複数のアカウントに対して不正にログインを試みる手法です。
特に、同じパスワードを複数のサービスで使い回している場合、攻撃者がそのパスワードを入手することで、証券口座も簡単に乗っ取られる危険性があります。
【原因4】端末がマルウェアに感染する
証券口座乗っ取りで軽視できない原因の1つに、端末のマルウェア感染があります。
マルウェアは悪意のあるソフトウェアで、感染すると個人情報や機密データを不正に取得されます。
特に昨今では、「インフォスティーラー」と呼ばれる情報窃取型マルウェアによる被害も確認されており、注意が必要です。
「インフォスティーラー」の被害に遭うと、感染した端末からID・パスワードなどの認証情報、クレジットカード情報、Cookie、ウォレット情報などが窃取される恐れがあります。
マルウェアについて、詳しくは以下の記事で解説しておりますので気になる方はお読みください。
証券会社になりすましたフィッシングメールの手口3つ
ここからは、証券口座乗っ取りの原因として最も多いとされているフィッシング詐欺におけるメールの手口を3つ紹介していきます。
- 口座取引制限など手続きを急かす手口
- 「危険」「強制ロスカット」など不安を煽る手口
- 証券口座乗っ取り被害に便乗した手口
今回紹介するフィッシングメールの手口は、2025年初頭から多発している証券口座乗っ取りの原因として実際に被害が確認されているものです。
それでは、以下でそれぞれの手口について詳しく解説していきます。
1. 口座取引制限など手続きを急かす手口
「異常な取引を検出」や「口座取引を制限」といった内容のフィッシングメールが多く確認されています。
このようなフィッシングメールには、「こちらから本人確認手続きをお願いします」などとリンクが記載してありますが、このリンクをクリックしてログイン情報を入力してしまうことで証券口座が乗っ取られてしまいます。
2. 「危険」「強制ロスカット」など不安を煽る手口
「拠出金維持率が危険水準に低下」や「強制ロスカットが発生する可能性がある」といった内容のフィッシングメールも実際に確認されています。
フィッシングメールでは、このように不安を煽る内容を送りつけるのは常套手段であり、不安を感じさせることで正常判断ができないようにし、急いでリンクをクリックして確認させようとするのが狙いです。
フィッシングメールのリンクをクリックするだけでもマルウェアが仕掛けられることがあり、マルウェアに感染すると証券口座のログイン情報を窃取される危険性もあるため注意が必要です。
3. 証券口座乗っ取り被害に便乗した手口
特に注意してもらいたいのは、2025年初頭から多発している証券口座乗っ取り被害に便乗した手口で、補償対応やセキュリティ設定に関するフィッシングメールです。
実際に証券口座乗っ取り被害に便乗したフィッシングメールとはどのような内容なのかは、以下の画像をご覧ください。
今回紹介した全てのフィッシングメールの手口に共通することですが、いずれもメールに添付されているリンクから本人確認やセキュリティ設定をさせるように仕向けてきます。
ただし、本人確認やセキュリティ設定はいずれも公式サイトからアクセスして行うのが大事です。
証券会社を語るメールからログイン情報を入力したり、セキュリティ設定は行わないというのは意識しておくようにしましょう。
なお、以下の記事では最新のフィッシング詐欺の事例を紹介しておりますので、気になる方はお読みください。
証券口座の乗っ取り被害に遭わないための対策7つ
最後に、証券口座の乗っ取り被害に遭わないための対策を7つ紹介します。
- 怪しいメールはリンクをクリックせずに即削除
- 必ず公式サイトからログインを行う
- 多要素認証を利用する
- パスワードを使いまわさない
- ログイン履歴を定期的に確認する
- セキュリティソフトを導入する
- フリーWi-Fiからのログインを避ける
証券口座の乗っ取り被害に遭わないためには、それぞれの対策を日常的に意識して行う必要があります。
2025年初頭から被害が多発している証券口座の乗っ取りでは、フィッシングメールのリンクから個人情報を入力したことが主な原因ではありますが、他にもさまざまな原因が重なって情報漏洩が発生している可能性があります。
パスワードを使いまわさないことや、フリーWi-Fiからログインしないなど、普段から気を付けるべきことを覚えておくようにしましょう。
フリーWi-Fiの危険性については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、外出先でフリーWi-Fiに接続する機会が多い方はお読みください。
まとめ
証券口座の乗っ取りは、あなたの大切な資産を脅かす深刻な問題です。
証券口座が乗っ取られる原因として最も多いのが、「フィッシング詐欺」によるものと考えられています。
フィッシング詐欺とは、実在する企業や団体になりすましたメールやSMSを送りつけ、偽のウェブサイトに誘導して、個人情報やクレジットカード情報を窃取する詐欺のことです。
2025年初頭から被害が多発している証券口座の乗っ取りでは、フィッシングメールに記載のリンクからログイン情報などを入力してしまうことで口座が乗っ取られてしまったケースが多かったようです。
ただし、フィッシングメールにだけ気を付けていればいいのではなく、以下のさまざまな原因が重なり乗っ取られるケースもあります。
- セキュリティ設定の甘さ
- パスワードリスト型攻撃を受ける
- 端末がマルウェアに感染する
セキュリティ設定を強化させておくことや、パスワードを使いまわさないことは常日頃意識しておくようにしましょう。
日常的に注意を払うことで、安心して証券取引を続けることができるようになります。
なお、金融機関をはじめ、顧客の個人情報を扱う企業様においてもフィッシング詐欺は他人事ではありません。
自社がフィッシング詐欺のなりすましに悪用されないためにも、企業側でもフィッシング詐欺対策は行っていきましょう。