「モニター価格で販売した商品が転売されてしまった」
「モニター価格の商品の転売ってどうやったら防げるの?」
とお悩みの事業者様はいらっしゃいませんか?
モニター価格の商品は、定価よりもかなり安く購入できるため、転売されやすいです。
転売を防ぐためには、いくつかの対策を合わせて行うことが大切です。
この記事では、
- モニター価格の商品が転売される仕組み
- モニター価格の商品が転売されたときの対処法3つ
- すぐにできるモニター価格の商品を転売されないための対策6つ
をご紹介します。
転売が起こったときのリスクについても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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モニター価格の商品が転売される仕組み
モニター価格の商品は、90%オフなど、かなりお得な価格設定になっていることが多いです。
定価で売っても(価格を吊り上げなくても)利益を出せるため、転売が起きてしまうことがあります。
モニター価格の商品が転売される仕組みは、以下の画像の通りです。
良い商品を安く手に入れて高く売ろうとする転売ヤーは増え続けています。
また、モニター価格の商品同様に「初回限定品」を狙った転売ヤーも増えており、被害が報告されています。
初回限定品を狙った転売対策についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、併せてご覧ください。
モニター価格の商品の転売が起こる理由3つ
モニター価格で商品が転売されるのには、
- 正規購入時より安くなっていて、転売をすると儲かるから
- 購入後に自分には合わないことが判明したから
- 安いから買ったが、冷静に考えると自分には必要のない商品だったから
といった理由があります。
2や3のタイプの転売は、消費者が、購入前の商品説明に見落としや抜けがあったり、衝動買いをすることによって起こります。
それに対して1のタイプの転売は、安く希少なモニター価格の商品を転売するために狙っている転売ヤーによって起こるものです。
1のタイプの転売の場合、2や3のタイプに比べて買い占めや価格の吊り上げが起こりやすくなります。
モニター価格の商品を転売されるリスク6つ
ここでは、モニター価格で販売した商品が転売されてしまうことによって企業が受ける可能性のある被害について解説します。
考えられるリスクとして、
- 【リスク1】自社ショップで購入してもらえなくなる
- 【リスク2】広告費が余分に掛かる
- 【リスク3】ブランドイメージが低下する
- 【リスク4】モニターの目的が達成されない
- 【リスク5】発売前の商品の情報が外部に漏れてしまう
- 【リスク6】転売ヤーの標的にされる
といったものがあります。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
【リスク1】自社ショップで購入してもらえなくなる
モニター価格の商品が転売されてしまうと、自社ショップで商品を買う人が減ってしまうリスクがあります。
なぜなら、こういった転売は、メルカリやヤフオクなどの大手フリマ・オークションサービス上で行われることが多く、消費者は使い慣れたサイトで簡単に購入できてしまうからです。
結果的に、転売された商品を買ってしまった消費者は自社ショップに辿り着かず、売り上げが低下してしまいます。
【リスク2】広告費が余分に掛かる
モニター価格の商品が転売されてしまうと、広告に想定よりも多くのお金を使うことになってしまうリスクがあります。
転売によって想定外の客層へとモニター商品が流れてしまうと、広告の予算に達しても、想定していた効果が得られない(レビューなどの数が満たない)場合があります。
そうして追加の広告を掲載することになると、結果的に当初の予定よりも多く広告に費用を掛けることになります。
【リスク3】ブランドイメージが低下する
モニター価格で販売した商品が転売されているのを放置すると、ブランドイメージが低下するおそれがあります。
なぜなら転売ヤーのなかには
- 食品などの商品について適切な管理をしない
- 購入後のサポートが十分ではない
などの対応をしている人がいて、このような状況で販売された商品は購入者とのトラブルになりかねないからです。
こういった商品をそのままにしていると、自社のショッピングサイトの商品が転売されたときにブランドイメージを損なうことになります。
【リスク4】モニターの目的が達成されない
モニター価格で販売した商品が転売されてしまうと、モニター価格を始めた目的が達成されないことがあります。
なぜなら、モニター価格での販売は、基本的には、ターゲット層に商品を買ってもらい、使用感を調査することが目的であるためです。
転売のために購入されてしまった商品は、アンケートが消費者に届かないなどの理由で、モニター価格の目的を満たせなくなります。
【リスク5】発売前の商品の情報が外部に漏れてしまう
モニター価格で販売した商品が転売されてしまうと、商品の情報が外部に漏れてしまうことがあります。
なぜなら、モニター価格で販売する商品は、開発中のものなど、発売前のものが多く含まれるためです。
丁寧にターゲットを選定しても、転売によって不確定な情報が外部に漏れてしまうことがあります。
【リスク6】転売ヤーの標的にされる
モニター価格の商品が転売されてしまうと、さらなる転売の標的とされてしまうリスクがあります。
転売ヤーに転売がしやすい企業だと認識されると、他の商品も転売されやすくなります。
転売対策が甘いとみなされたり、利益を上げやすいと認識されたりしないためには『4 モニター価格の商品を転売されないための対策5つ』を読んでください。
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モニター価格の商品が転売されたときの対処法3つ
ここでは、モニター価格で販売した商品が転売されているのを発見した時に取るべき対処法について解説します。
その対処法とは、
- 【対処法1】サイト運営側に連絡して出品停止をお願いする
- 【対処法2】出品者に商品を取り下げるように交渉する
- 【対処法3】悪質な場合は警察や弁護士に相談する
の3つです。
以下にそれぞれの対処法を詳しく説明します。
【対処法1】サイト運営側に通報して出品を停止してもらう
モニター価格で販売した商品が転売されているのを見かけたら、そのサイトの運営に通報をして、出品を停止してもらいましょう。
通報をして運営に悪質な転売であると認められれば、出品停止されるだけでなく、通報があったという事実も残ります。
もちろん、通報の内容が認められないこともありますが、まず最初に取る手段として有効です。
以下に、主なフリマサイトやオークションサイトでの通報の方法をご紹介します。
メルカリの場合
メルカリで悪質な転売商品を運営に通報する場合、以下の手順で行うことができます。
2.商品画面内の「このショップ・商品を事務局に報告」をタップする
3.適切な報告理由を選択する
4.「事務局に報告する」をタップする
※報告理由から「その他」を選択した場合、報告理由の詳細を入力する必要があります
5.「商品の報告を受け付けました」とメッセージが表示されたら報告完了です。
楽天ラクマの場合
楽天ラクマで悪質な転売商品を通報する場合、以下の手順で行うことができます。
■iOSの場合
2.[問題を報告]をタップします。
3.報告理由を選択・任意で問題の詳細を入力し、右上の[送信]をタップします。
2.[問題のある商品を報告]をタップします。
3.報告理由を選択・任意で問題の詳細を入力し、右上の[報告する]をタップします。
Yahoo!オークションの場合
Yahoo!オークションで悪質な転売商品を通報する場合、以下の手順で行うことができます。
■PCの場合
1.商品ページの[違反商品の申告]を押します。
2.該当する違反内容を選択して、[送信]を押すと報告が完了します。
■スマートフォンの場合
1.商品ページの「違反商品の申告」から該当する違反内容を選択して送信してください。
※引用:Yahoo!オークション公式
商品の転売が違法なケースかどうかは、『3.3 【対処法3】悪質な場合は警察や弁護士に相談する』で詳しく説明しています。
また、違法ではなくても、各サービスの利用規約やガイドラインに反する内容であれば通報を認めてもらえるので、それぞれのサービスの利用規約をよく確認しましょう。
【対処法2】出品者に商品を取り下げるように交渉する
運営への通報がうまくいかないときは、出品者に直接、商品の掲載を取り下げるように交渉するのも効果的な対処法です。
例えば、出品されている商品が
- 販売時に転売禁止であることを明記していたもの
- 高額転売・無在庫転売などの悪質なもの
などの場合は、その旨を添えて出品者にメッセージを送れば出品を取り下げてもらえることがあります。
出品者と他の利用者の間で商品の取引が成立してしまう前に商品を取り下げてもらう必要があるため、転売されているのを見かけたらすぐに連絡をしましょう。
【対処法3】悪質な場合は警察や弁護士に相談する
無在庫転売や大量転売、高額な転売などによって業務に深刻な影響が出る場合は、警察や弁護士に相談しましょう。
転売の中には、悪質なもの、法律で禁止されているものがあり、そういったケースは法的措置を取ることができます。
モニター価格の商品を転売することが犯罪であるかどうか、以下で詳しく解説します。
モニター価格の商品の転売は犯罪?
結論、モニター価格の商品を転売することは、基本的に犯罪ではありません。
本来の転売は「不要なものを売る行為」であり、転売を禁止する法律はありません。
しかし、モニターという目的に反する、自社サイトやフリマサイトの利用規約に違反しているなど、倫理に反する転売はあります。
また、以下のようなケースは、犯罪行為とみなされる場合もあります。
- 古物商許可なしでの継続的な転売
- 特別な許可が必要な商品(お酒、医薬品、化粧品など)の無許可転売
- 日本への輸入規制がある商品の無許可転売
- 商用目的でのチケットの転売
- 偽物・コピー品の転売
- 盗難品の転売
これらのケースに該当する転売であると思われる場合は、警察や弁護士に相談しましょう。
モニター価格の商品を転売されないための対策5つ
先ほどご紹介した対処法は、すべて転売が起きた後に行います。
モニター価格の商品の転売を未然に防ぐためには、以下で紹介するような転売対策をいくつか重ねて行うことが重要です。
- 【対策1】無料または安すぎるモニター価格にしない
- 【対策2】転売禁止であることを分かりやすく明記する
- 【対策3】フィードバックアンケートを工夫する
- 【対策4】定期的にフリマサイトを巡回して確認する
- 【対策5】不正注文検知システムを導入する
それでは、それぞれの対策について詳しく解説します。
【対策1】無料または安すぎるモニター価格にしない
モニター価格で販売する商品を転売させないために、価格設定は無料または安すぎるものにしないようにしましょう。
安価、または無料で入手できる商品は、仕入れ値を抑えることができるため、転売されやすいです。
転売を防止するためにも、お得ではありながらも安くしすぎない価格設定にしましょう。
【対策2】転売禁止であることを分かりやすく明記する
モニター価格の商品が転売されることを防ぐために、購入までのプロセスで転売禁止であることを分かりやすく示しましょう。
転売禁止を明確にしていないと、転売されても止めることができない場合があります。
購入前に転売をしないことに同意するチェックボックスを用意する、大きな文字で目に留まるように転売禁止と示すなど、転売禁止の旨を繰り返し強調することで転売の対策をすることができます。
【対策3】フィードバックアンケートを工夫する
モニター価格で商品を販売するときに、使用した感想を聞くアンケートの内容を工夫することでも、転売を対策することができます。
回答者がアンケートを面倒だと感じると、他のアンケートに答えてくれそうな人に転売してしまう可能性があります。
複雑すぎる内容や長時間かかるような内容は控え、分かりやすく、答えやすい内容のアンケートを作成しましょう。
【対策4】定期的にフリマサイトを巡回して確認する
モニター価格の商品が転売されるのを防ぐために、こまめにフリマサイトで自社商品を検索して転売されていないか確認し、転売があれば『3 モニター価格の商品が転売されたときの対処法3つ』に従って対処しましょう。
見つけた転売にはしっかり対処することで、「どの商品も転売ができないんだ」と消費者に理解してもらうことができます。
特に、新商品を発売した直後や、商品が突然沢山売れた直後は、注意して各フリマサイトを確認しましょう。
【対策5】不正注文検知システムを導入する
モニター価格の商品は、不正注文検知システムを導入することで効果的に防止することができます。
蓄積された取引データを活用して、不正転売につながる可能性が高い取引を未然に防ぐことができます。
自力で対策をしても防ぎきれない転売は、システムを活用して効果的に対策しましょう。
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まとめ
ここまで、モニター価格の商品が転売される理由や転売を見つけたときの対処法、転売されないための対策についてご紹介してきました。
モニター価格の商品を転売することは犯罪ではありませんが、悪質な転売は会社にとって
- 自社ショップで購入してもらえなくなる
- ブランドイメージが低下する
- 転売ヤーの標的にされる
などのリスクがあるため、対策が必要です。
その対策とは、
- 転売禁止を分かりやすく明記する
- 定期的にフリマサイトで確認する
- 不正注文検知システムを導入する
などがあり、これらを重ねて行うことで効果的にモニター価格の商品の転売を防止することができます。
また、転売が起こるのはモニター価格で販売した商品だけではありません。
ネット通販では、実店舗での買い物よりも不正注文が起こりやすく、不正注文によって大きな損失が出てしまうこともあり、事業をするうえで不正注文への対策は必須です。
以下の記事では、ネット通販全般における不正注文の手口や対策を詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
これらの対策や対処法を理解して、モニター価格の商品を悪質な転売ヤーから守りましょう。