不正検知・ノウハウ

【後払い未払い発生時の対策】督促手順や支払う意思がない購入者への対応について

決済方法の1つとして挙げられる「後払い」。

購入者にとってはクレジットカードのように契約をする必要がなく、商品を確認してから支払うため安心な決済方法といえます。
しかし、この後払いを導入すると通販事業者にとっては、「未払い」のリスクも発生します。

今回は後払い導入によって発生する未払いのリスクや、その督促手順、債権譲渡型の後払いについての情報をまとめました。

未回収リスクへの対応が必要な「後払い」

後払いとは事業者が商品やサービスを提供した後に、購入者に払込票や請求書などを使ってコンビニや銀行、郵便局などで代金を支払ってもらう方法です。

購入者にとって後払いを使うメリットは、

  • 払込票や請求書などを使って支払うため、カード情報流出などの心配がない
  • 商品を確認してから支払いができるため安心感がある
  • 都合の良いタイミングで支払いができる(事前にお金を用意する必要なし)

といったものがあげられます。

しかし、事業者にとって後払いの仕組みは「未払い」のリスクがあります。

自社で後払いを運用する場合、未払いが発生した際にどのような対応をとるか検討しておきましょう。

後払い未払い・滞納する購入者への督促手順

まずはメールや電話、手紙で連絡を取り、未払いの旨を伝えて支払いをお願いします。

うっかりして払い忘れたような場合には、大半はこれで解決します。

支払われないようであれば、「法的措置をとる場合がある」など強めの文言を使い連絡することもあります。

連絡がつかない場合や、こうした対応でも支払われないようであれば、最初から支払う意志がなかった・支払える状況でなかったという可能性が高まります。

その場合は、

  1. 内容証明を送付
  2. 督促手続きをする
  3. 少額訴訟の手続きをする
  4. 被害届を提出をする

といった対応をしていくことになります。

ただ、実際には準備・対応に時間と手間がかかるために被害額と比べて割に合わず、こうした手続自体を諦める事業者も多くあります。

またこれらの手続を進めても、購入者が最初から虚偽情報で購入していたなどでまったく連絡がつかず、事業者が泣き寝入りせざるを得ないようなこともあります。

1.内容証明を送付

郵便局から送付できる内容証明郵便を使うと、日本郵便がいつ誰宛に郵送したかを証明してくれます。

法的な強制力があるわけではありません。ですが、少額訴訟を起こす場合や、刑事事件(詐欺罪)として被害届を出す際に前提とされることが多いです。

2.督促手続きをする

簡易裁判所の裁判所書記官に「支払督促」の申立てをします。

これを行うと、法的に支払いを命ずることができます。

3.少額訴訟の手続きをする

60万円以下の支払いの場合は少額訴訟を起こすことも可能です。

こちらは原則として1日で審理が終了するものです。

4.被害届を提出をする

また、所轄地域の警察庁へ詐欺罪の被害届を提出しましょう。

ただし、どのような捜査が行われるかは警察の判断になります。

なお、こうした手続きについては弁護士などと相談のうえ検討することをおすすめします。

後払いは誰でも手軽に使えるため、不正にも利用されやすい

クレジットカードのような事前審査がなく、注文時に必要な情報を入力するだけで利用できる後払い。消費者にとって利便性の高い決済方法ですが、事業者にとっては悪用リスクに注意が必要です。

たとえば、1家族1点限定のお試し商品が、偽名などを用いた注文により複数購入されてしまうケースがあります。配送先に空き室の住所を指定し、忍び込んで受け取るなどの手口で、代金も回収できないようなことまで起こりえます。

このようなリスクを避けるため、債権を後払い事業者に譲渡する債権譲渡型の後払いを利用するEC事業者もいます。

債権を後払い事業者に譲渡する債権譲渡型後払いとは

債権譲渡型後払いとは、代金を後払い事業者が立て替えてくれる仕組みです。

注文情報の登録や、与信が通らなかった場合の対応等は必要になりますが、自社で後払い決済を実施するときのような請求書発行や未払い時の督促等の業務を大幅に軽減できます。

 

一方デメリットとして、クレジットカードと比べて割高な手数料負担があげられます。

また、EC事業者側では購入者が最終的に代金を支払ったのか把握できないため、未払いするような購入者にもプロモーション施策などを実施してしまうおそれがあります。

さらに、後払い事業者内での与信枠があり、購入者が別のECサイトで後払いを利用していた場合など、与信枠を超過してしまうことで買い物を断念してしまう可能性もあります。

後払いを自社でやるのか後払い事業者へ任せるのか検討する

まずは、後払いを自社でやるのか後払い事業者に任せるかを検討する必要があります。

その際は、

自社なら

  • 未払いをどうするか
  • 請求書発行や督促など運用をどうするか

 

後払い事業者に任せるなら

  • 取引額に合った料金プランがあるか(売上と手数料の折り合いがつくか)
  • システムとの連携または運用方法の検討(利用カートとの連携状況や注文情報連携の作業負担等)
  • 支払状況を把握できなくとも販促活動に影響がないか

といった点を確認しましょう。

 

また、後払い事業者を利用するなら料金プランも検討しましょう。

決済ごとに手数料がかかるプランが一般的ですが、注文件数が増えてくると月額固定費を負担する代わりに1件ごとの手数料率が低いプランの方がコストダウンに繋がる場合もあります。

利益をしっかりと出せるよう、自社の運営にあったものを選びましょう。

後払い未払いが発生した場合のリスクも視野に

今回は「後払い」で発生する未払いのリスクについてまとめました。

決済方法が多岐に渡れば、購入者の利便性があがり売上・利益拡大の可能性が高まります。

その際は、各決済で起こりうるリスクへの備えも忘れずに。

後払いに関しても未払いのリスクを考慮した上で、導入するのか、どういった形で行うのかを決定しましょう。

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