不正アクセス

抽選販売で買い占めは防げる?悪質な転売ヤーによる3つの手口と対策も紹介

フリーマーケットアプリ(メルカリなど)の普及で、個人間の売買が容易になりました。それによって、転売ヤー(転売屋)による転売目的の商品買い占めが横行しています。

そこで、買い占めを防ぐ方法として有効なのが「抽選販売」です。

本記事では、下記の内容を紹介します。

  • 買い占め対策として「抽選販売」を採用した事例
  • 買い占めを狙う転売ヤーの手口
  • 抽選販売時の買い占め対策として有効な方法

悪質な買い占めを防ぐ方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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買い占め対策に「抽選販売」を採用した2つの事例

本章では、抽選販売による転売対策の事例を2つ紹介します。

  1. 高島屋:人形の買い占めを防ぐ抽選販売
  2. ゲオ:ポケモンカードの買い占めを防ぐ抽選販売

どのような事例だったのか、詳しく見ていきましょう。

【事例1】高島屋:人形の買い占めを防ぐ抽選販売

1つ目は、ファンに人気がある人形「ロリーナ」の販売において、1人2体までの購入制限を設け、先着順に販売した高島屋百貨店の事例です。

その後、海外の通販サイトで同店で販売された人形が販売予定との掲載があり、転売目的の買い占めがあったとみられる事態を招きました。

この事態を受けた高島屋は、人気が高い一部の人形に関して抽選販売を導入し、希望者は限定1体のみ購入できることを決めました。

このように、訪日外国人などによる買い占め行為を防止し、一般の消費者へ購入の機会を確保するなど、小売店やメーカーは対策を進めています。

※参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29479500X10C18A4TJ1000/

【事例2】ゲオ:ポケモンカードの買い占めを防ぐ抽選販売

子どもだけではなく大人のファンも多い「ポケモンカード」を狙う転売ヤーは少なくありません。特に、レアカードは「高額取引」が行われています。

そのようななか、メディアショップ「ゲオ」では自社の「ゲオアプリ」とPonta会員IDを連携させている客を対象として、抽選販売を行いました。

購入時には、本人確認書類とともにPontaカードかゲオアプリの会員証を提示できることが応募条件とし、転売ヤーが購入しにくい工夫をしました。

応募に会員登録を必要とすることで、個人情報を目視で確認でき、転売対策に繋がっています。

※参考:https://www.j-cast.com/trend/2023/05/29462340.html

なお、次の記事では転売問題の現状や対策を詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

抽選販売時も買い占めを狙う転売ヤーの手口3選

店舗側が抽選販売による対策をしていても、悪質な転売ヤーのなかには、なお買い占めを試みようとする者がいます。

その代表的な手口を3つ紹介します。

  1. 複数アカウント(会員)を作って抽選確率を上げる
  2. 買い子をSNSで募集する
  3. 仲間を使って何度も抽選に参加する

転売ヤーがどのような手口を使っているのか見ていきましょう。

【手口1】複数アカウント(会員)を作って抽選確率を上げる

1つ目は、複数アカウント(会員)を作って抽選確率を上げる方法です。

インターネットで抽選をする場合、BOT(※)を使用して限定商品を買い占める「買い占めBOT」の手口も増えています。

抽選販売の当選確率を上げるために、人の力では不可能な大量の申込・購入リクエストを送信して、商品を購入しようとします。

※BOT(ボット):インターネット上の操作を自動でするプログラム。(自動化ソフトウエア)

【手口2】買い子をSNSで募集する

BOTが使えない「店頭」での抽選販売の場合、買い子を雇って抽選回数を増やそうと試みる転売ヤーもいます。

SNSや仕事を探すマッチングサイトなどで買い子のバイトを募り、人員を増やして当選確率を上げる手段です。

単発バイトを探している人の中には、「買い子のバイトが悪質な転売に関わる仕事」だと気づかずに応募してしまうケースがあります。

その結果、いつの間にか悪質な転売に加担してしまうこともあるようです。

【手口3】仲間を使って何度も抽選に参加する

グループで転売ヤーをしている集団も少なくありません。仲間を使って何度も抽選に参加しようとします。

たとえば、開店前から店頭に並び、最初に購入できたらまた仲間のいる列に割り込んで一緒に抽選に参加する手口などです。

1回の抽選が終わったらまた、後ろに並んでいる仲間の元に移動し、列に割り込んで複数回抽選に参加し、当選確率を上げようとします。

抽選販売時の買い占め対策に有効な方法3選

ここからは、抽選販売時の買い占め対策方法を3つ紹介します。

  1. 抽選に応募する資格を設ける
  2. 「1人1点まで」など販売個数を制限する
  3. 抽選機能があるツールを導入する

抽選販売時の買い占め対策を考えた時に、どのような対策があるのか詳しく紹介します。

【対策1】 抽選に応募する資格を設ける

1つ目は、抽選販売に応募できる資格を設けることです。「応募資格」の例には、次のようなものがあります。

【抽選販売に応募できる資格(一例)】

  • ポイントカードの会員であること
  • 過去1年間に自店で買い物をしたことがあること
  • 購入時に本人確認書類を提出できること
  • 販売する商品に、その場で印をつけること
  • 購入理由を明確に説明できること
  • 購入時、その場で個人情報を記入できること

抽選販売の申し込みを受け付ける際に購入希望者の個人情報を記入してもらうと、抽選の際に購入履歴など過去のデータを確認できます。

過去のデータを確認する際は、下記のような点に注目してください。

  • 何度も同じ商品を購入していないか
  • 購入の頻度が不自然に多くないか
  • 同じIPアドレスで複数アカウントが作成されていないか

このような者は、転売を目的としている場合があるので、抽選対象者から外すなどの対策をしましょう。

【対策2】「1人1点まで」など販売個数を制限する

販売店が「お一人様1点限り」といった制約を設けることも、買い占めの防止につながります。

ただし、同じ人が時間をおいて何度も店舗に訪れる可能性もあります。その場合は、前述した「購入の際に個人情報を記入してもらう方法」が効果的です。

個人情報を調べることで、同一人物が2点以上購入した場合にいち早く察知でき、転売への対策が可能になります。

【対策3】抽選機能があるツールを導入する

ネットショップで抽選販売を実施したい場合、抽選機能があるツールを導入する方法もおすすめです。

たとえば、ネットショップ作成サービスBASEでは「抽選販売 App」と呼ばれるアプリをインストールすることで、商品の抽選販売ができるようになります。

特定の当選者をリストから外せるので、転売目的の買い占め対策としても活用できます。

さらに、当選者が確定したタイミングで自動的に注文を確定するため、抽選後の売り逃しもありません。

※引用:BASE

ただし、この「抽選販売 App」はBASE専用であり、他のプラットフォームでは使用できないというデメリットがあります。

BASEを使用していない場合は、次章で紹介する不正アクセス検知サービス「O-MOTION」が有効です。

「O-MOTION」には特定の当選者をリストから外す機能や、正規の購入なのか区別がつきにくいものも判断できる特徴があります。詳細は、次章で詳しく説明します。

なお、転売への対策をもっと知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

悪質な買い占めを防ぐには「O-MOTION」がおすすめ

前章では、悪質な買い占めを防ぐ対策をいくつか紹介しました。

しかし、自社で悪質な買い占めを防ぐ対策をしようとすると、時間的コストや人的コストが発生してしまいます。

そのうえ、顧客データやアクセス履歴から正規の購入なのかを判断するのは容易ではありません。

自社で不正な顧客データやアクセス履歴を判断するのが難しいとされる理由
データの複雑性
  • 顧客データやアクセス履歴は複雑かつ大量のデータを含んでいる
  • これらを解析して不正行為を特定するためには、専門的な知識や高度なツールが必要になる
不正アクセスの巧妙化
  • 不正アクセスは年々巧妙化しており、正規のものであるか区別がつきにくい
  • たとえば、IPアドレスの偽装や複数のデバイスを使用されると、それが不正なものであるか判断がしづらくなる
ログ・履歴の偽造や改ざん
  • アクセスログや履歴を不正に偽造・改ざんされると、不正行為であるにも拘わらず正当なものと誤認されてしまう
  • これらを人の手で検出するのは相当難しい
本人確認の難しさ
  • お客様の端末やアカウントがサイバー攻撃を受け、なりすましでログインされてしまうと、店舗側でも本人なのかなりすましなのか判断が難しくなる

これらを踏まえて自社での対策に不安がある場合、かっこ株式会社が提供する不正アクセス検知サービスの「O-MOTION」がおすすめです。

そもそも、抽選販売を慎重に行っていても、不正な転売を完全に防ぐのは難しいのが現状です。しかし、「O-MOTION」はより精度高く悪質な買い占めへの対策ができます。

【O-MOTIONが悪質な買い占めに有効と言える背景】
<複数アカウントを作る手口に対する対策>

  • 同一人物による多重登録を検知
  • Botアクセスの検知
  • 特定の端末をリストから外すことができるブラックリスト管理
  • ブラックリストからの会員登録の検知(一度NG認定された端末が再度なりすまし登録してきた場合の検知)
  • Tor(※)からのアクセス・外国語設定での海外からのアクセス・海外からのアクセスなど、あやしい登録を検知して追加的に多要素認証にかける

※Tor(トーア)とは、IPアドレスを相手に知られることなくインターネットに接続したり、メールを送信したりできる匿名の通信システムのこと

「O-MOTION」は、自社の担当者による悪質な買い占めへの対策での負担を最小限に抑えられます。

複数アカウント(会員)を作って抽選確率を上げる手口にも効果的です。

効率よく転売対策を実施し、お客様が安心して購入できる環境を提供したい方は、ぜひ下記からサービス資料をダウンロードしてみてください。

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まとめ

「抽選販売」は買い占め対策に有効な手段です。しかし、これだけでは悪質な転売ヤーへの対策としては十分といえません。

抽選販売時の買い占め対策には下記のような方法があります。

  • 抽選に応募する資格を設ける
  • 「1人1点まで」など販売個数を制限する
  • 抽選機能があるツールを導入する

一方で、ここまでする場合、時間的コストや人的コストが発生してしまいます。

そのうえ、顧客データやアクセス履歴から正規の購入なのかを判断するのは容易ではありません。

「不正アクセスの巧妙化」や「本人確認の難しさ」を考慮すると、専門的なツール(不正アクセス検知システムなど)を活用して悪質な買い占めを防ぐ方法もおすすめです。

抽選販売による転売対策に関しては、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

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