「クレジットマスターの手口を知りたい」
「クレジットマスターを防ぐ方法は?」
このようにお考えではありませんか。
そこで本記事では、
- クレジットマスターの手口
- クレジットマスターによる被害
- クレジットマスターを防ぐ対策
の流れでクレジットマスターの被害が増えている状況や被害、対策などについて解説します。
クレジットマスターによる被害を防ぎたい人は、ぜひ最後までお読みください。
なおクレジットカードの不正について、下記の資料でまとめています。不正利用の被害額や実態を知りたい人は、以下から資料をダウンロードしてご確認ください!
目次
クレジットマスターとは?手口や被害を紹介
クレジットマスターについて、下記の観点から紹介します。
- そもそもクレジットマスターとは
- クレジットマスターの手口とは?
- クレジットマスターの被害は多い?データを元に紹介
順番に見ていきましょう。
そもそもクレジットマスターとは
クレジットマスターとは、クレジットカード番号の規則性にしたがって、他人の番号を割り出す不正利用です。
番号そのものを割り出すので、クレジットカードをスキャンするスキミングのように手元にカードは必要ありません。
クレジットカードの利用者は、紛失していなくても身に覚えのない請求をされてしまいます。
また、クレジットマスターは決して新しい手口ではなく、昔から存在している行為です。
一時は落ち着いていましたが、近年は寄付サイトや物販サイトが増えたことにより、被害が増加しています。
クレジットマスターの手口とは?
クレジットマスターの手口は、下記の通りです。
- クレジットカード番号には規則性があるため、正常なカード番号を割り出せる
- 有効期限やセキュリティコードはパターンに限りがあるため、ツールを使用して総当たりすれば判明する
- ECサイトによっては氏名・住所の入力が不要な場合もある
日本のクレジットカードの番号は16桁ですが、最初の6桁はクレジットカード会社を表す番号で、残り10桁が個人番号です。
有効期限やセキュリティコードも含め、以下のような条件で特定できてしまいます。
- 10桁の個人番号
→クレジットカード番号には法則があり、少し調べれば比較的簡単に番号を特定できてしまいます。 - 有効期限
→最長で5年ほどなので、12ヶ月×5年で60パターン。番号が特定できていれば、最大でも約60回の試行で特定できます。 - セキュリティコード
→3桁または4桁の数字なので、1,000〜10,000パターン。数が多いので人の手では大変ですが、ツールを使えば特定できます。 - 氏名・住所
→ECサイトによっては入力が不要で、クレジットカード番号と有効期限、セキュリティコードさえあれば利用できる場合があります。
また、あるキャッシュレスサービスのリリース当初は、回数制限がなかったため、問題視されました(現在は対応済み)。
このように、クレジットカードの仕様と手口の特性上、番号自体の流出を完全に防ぐのは困難です。
クレジットマスターの被害は多い?データを元に紹介
クレジットマスターの被害については、クレジットカードの不正利用を見るとイメージしやすいです。
クレジットカードの不正利用について、一般社団法人日本クレジット協会は「日本のクレジット統計」で、クレジットカード不正利用被害額統計を発表しています。
出典元:日本のクレジット統計
2020年のクレジットカード不正利用被害額は251億円にも上り、なかでもクレジットマスターに関連のある「番号盗用」による被害額は約90%の224億円ほどでした。
2019年から2020年にかけて被害総額は減少していますが、番号盗用による被害額は横ばいであることがわかります。
クレジットマスターに関連のある「番号登用」による被害は、今もなお多いといった現状があります。
なお、2021年のクレジットカードによる被害の動向などについては、以下資料をご覧ください。
クレジットマスターによる被害の4つの例
クレジットマスターによって被害を受けた場合、下記のような例が起きえます。
- 不正アクセスされてしまう
- 個人情報の漏えいにつながる
- 不正アクセスが増えてサーバーがダウンする
- サーバーダウンになると風評被害が起こる
ひとつずつ紹介します。
【被害の例1】不正アクセスされてしまう
1つ目の被害は、「不正アクセスされてしまう」といった点です。
クレジットマスターはクレジットカード情報を抜き取るために、何度もクレジットカード情報の入力を行います。このとき、氏名・住所の入力が不要だったり、入力制限がかかっていなかったりすると「不正対策の甘いサイト」と思われてしまいます。
その結果、不正アクセスの対象にされてしまう可能性もゼロではありません。
単にクレジットカード情報を盗まれるだけでなく、他の不正につながってしまう可能性があるので対策が重要です。
【被害の例2】個人情報の漏えいにつながる
個人情報の漏えいに関しても、同様です。
クレジットマスターによって不正利用できてしまったECサイトは、「セキュリティ対策ができていないサイト」と認識される恐れがあります。
そうなればハッキングの餌食となり、最終的にはログインIDやパスワードだけではなく、個人情報の漏えいにつながりかねません。
個人情報の漏えいが起こってしまうと、信用を失ったり、風評被害を受ける可能性もあります。
個人情報漏洩による炎上に備えて、事業者さまは以下からお役立ち資料をぜひダウンロードして参考にしてください。
【漏えいによる炎上に備えよう】炎上・風評被害対策についての資料DLはこちら
また、不正グループに狙われると、何度もサイバーアタックを受けてしまうケースが考えられます。未然に防止するため、強固なセキュリティ対策を講じておきましょう。
なお、クレジットマスターを防ぐ対策は、後述します。
【被害の例3】不正アクセスが増えてサーバーがダウンする
クレジットマスターの手口は、期限やセキュリティコードを割り出すため複数回の認証を試みます。
何度もアクセスを受ければ負荷が大きくなり、サーバーがダウンしてしまう恐れがあります。
1件のカード番号を割り出すために数千から数万件アクセスが集中するので、不要なシステム負荷が増大するのです。
また、サーバーのダウンは回避できても、カード会社や決済代行会社から決済システムを停止するように依頼されるケースもあります。
その場合は、一般利用者もアクセスできなくなるので、売上の損失につながります。
【被害の例4】サーバーダウンになると風評被害が起こる
サーバーがダウンしたり決済システムが停止したりすれば、不正グループに「セキュリティ対策ができていないサイト」と思われる一方で、一般利用者に「すぐ買い物できなくなる不便なサイト」と思われてしまうかもしれません。
ECサイトは、その場で購入できる素早さや便利さが特徴ですが、それらを体験できなければ一般利用者は不満を抱いてしまいます。
一時の不満だけで済めばまだいいのですが、最悪の場合は顧客離れを引き起こし、利用者数が減ってしまうリスクも考えられます。
クレジットマスターを防ぐ対策3つ
具体的に、クレジットマスターを防ぐ対策を3つ紹介します。
- クレジットカードの入力回数の制限をつける
- reCAPTCHAを導入する
- 不正注文検知サービスを導入する
順番に見ていきましょう。
【対策1】クレジットカードの入力回数の制限をつける
カード番号や期限、セキュリティコードの総当たりによる割り出しを回避するために、クレジットカードの入力回数に制限を設けます。
メリットやデメリットは、下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・カード情報の総当たりができなくなる ・アクセス過多によるサーバーダウンが防げるので、機会損失がなくなる | ・複数サイトの利用や間隔をあけたアタックは防ぎきれない恐れがある ・一般利用者の入力間違いを考慮できない |
カード情報の総当たりがしづらくなるので、クレジットマスター自体ができなくなります。
また、それにともなってサーバーダウンを回避できるため、一般利用者が購入できなくなる事態は避けられます。
一方で、一般利用者の入力間違いをフォローできないので、クレジットマスターと判別してしまうかもしれません。
ただし、カード番号や期限、セキュリティコードはクレジットカードに記載されているので、一般利用者が何度も間違えるケースはわずかといえます。
したがって、クレジットマスターの被害が出る前に、入力回数の制限を設定しておくのがおすすめです。
【対策2】reCAPTCHAを導入する
reCAPTCHAは、フォームに入力する際、不正アクセスや悪質なbotからサイトを守る機能です。
フォームを入力したとき、以下の文を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
- ゆがんだ文字列を入力
- 「私はロボットではありません」にチェック
- 「○○の画像をすべて選択してください」で画像選択
これらはすべてreCAPTCHAによる不正アクセスの防止です。
上記の項目はすべてreCAPTCHA v1やv2によるものですが、現在はv3がリリースされています。
reCAPTCHA v3は、v1やv2のようにユーザーがアクションをする必要はなくなりました。特に、画像選択は難易度が上がり、わかりづらくなっていたのでうれしいポイントです。
reCAPTCHAのメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・AIを活用した検知で、ユーザーの行動をスコア化する | ・人の手による不正は防ぎきれない恐れがある |
ユーザーのページ内の行動をスコア化するため、botか人間かを判別できます。そのため、悪質なbotによるアクセスの対策はしやすいのが特徴です。
一方で、直接人がおこなっている不正行為は、防ぎきれない恐れがあります。例えば、人の手でクレジットマスターを試みた場合、botと判断されなければ不正行為を続けられてしまいます。
しかし、botによる不正アクセスは防ぎやすくなるので、入力フォームを設置するなら導入するのがおすすめです。また、特別な理由がない限り、ユーザビリティの高いreCAPTCHA v3を導入しましょう。
【対策3】不正注文検知サービスを導入する
reCAPTCHAはbot対策に有効ですが、人の手による不正は見抜きづらいのが実情です。
そこでおすすめなのは、不正注文検知サービスの導入です。不正注文検知サービスを導入すると、不正な注文を購入時に検知し、商品発送前に提供をストップできます。
不正注文検知サービスには、下記のメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・botだけではなく、人の手による不正注文も見抜ける | ・導入にあたり、費用がかかる |
クレジットマスターのカードチェックでは、寄付サイトがよく狙われていました。寄付サイトであれば小額でも不自然ではないうえ、複数回行われても不思議ではありません。
このように気づきにくいケースもあるため、不正注文検知サービスがおすすめです。
例えば、不正注文を見抜けるサービスの「O-PLUX」があります。
O-PLUXの特徴は、下記の2つです。
- 商品注文時、サービス申込時の入力情報を使って人の手による不正の検知ができる
- デバイスや住所といった、複数の要素で不正を見抜ける
▲O-PLUXでできる複数要素による不正チェックの例
ほかにも、チャージバック(カード会社からの売上取消)や転売の対策もできるため、不正対策をまるごと解決に導いてくれます。
O-PLUXによる不正対策に興味がある人は、ぜひ下記のリンクから資料をダウンロードしてみてください。
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まとめ:クレジットマスター被害を軽減するために、不正注文検知サービスを導入しよう
クレジットマスターは、クレジットカード不正利用のなかでも昔からある手口です。寄付サイトや物販サイトが増えたことにより、被害が増加しています。
クレジットマスターの厄介なポイントは、カードが手元になくても不正に利用できてしまう点にあります。クレジットカードの仕組み上、完全に防止するのは難しいので、reCAPTCHAや不正注文検知サービスを導入するのがおすすめです。
ECサイトの運営には必須といえるので、まだ導入していないのであれば、ぜひ検討してみてください。
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