ニュース・業界動向

約3200回の無断キャンセルを繰り返しポイントを不正入手。1億1500万円の被害を与えた親子を逮捕

宿泊予約サイト「一休.com」を使いホテルの無断キャンセルを繰り返し業務を妨害したとして、母親(51)と長男(31)の親子が逮捕されました。

容疑者らは1年間で約3200回の無断キャンセルを行い、宿泊施設におよそ1億1500万円の被害を与えていました。
また容疑者らは無断キャンセルを通じて不正に入手した約250万円分の「Tポイント」を利用し、ホテル暮らしをしていたとのことです。

本記事では、このニュースについてやポイントが不正に搾取できたことについてまとめています。

航空会社、宿泊施設、旅行代理店、予約サイトの不正対策に!O-plux for トラベル

ホテル予約サイトから容疑者へポイント付与された流れ

今回の事件は、そもそもなぜ3,000回を超えるキャンセルしていたにも関わらずポイントが付与されてしまったのでしょうか。

その理由はポイントサービスの仕組みにありました。

容疑者らが利用していた宿泊予約サイト「一休.com」では、当時、予約を行うと料金の1%から最大20%のポイントが付与されました。(現在は不明)

仮にその予約が無断キャンセルされた場合は、ホテル側が予約サイトに申告することでポイント付与を取り消す仕組みになっていました。

しかし、ホテル側がこの処理を忘れてしまうとポイントは取り消されず、そのままユーザーに付与されてしまうのです。

容疑者らはそういったホテル側の連絡忘れを狙い、犯行を繰り返したとみられています。

また、

  • 不正が発覚しないよう62枚ものTポイントカードを作成しIDを使い分ける
  • 獲得するポイントが高いホテルなどを意図的に狙う

といった計画的な行動も確認されています。

今回の事件の見通し

当初、警察の取り調べに対し母親は容疑を否認。
長男は「母親と一緒に偽名を使い、宿泊予約をしたことに間違いありません」と容疑を認めています。

不正に得られたポイントを負担するのはだれ?

こういった事件があった場合、不正に利用された200万円相当のポイントは誰が負担するのでしょうか。

今回に関しては一休.comが「一休側が負担するポイント分は1%でそれ以外のポイント分はホテル側が負担する」とした上で「再発防止に向け改善を図る」と回答しています。
(※ 不正への対応は事例や運営会社によって異なります)

つまり、特段取り決めはなく(各運営企業での規則はある)、予約サイトとホテル側で話し合って負担することになります。

全てのポイント付与サービス・予約サイトで対策が必要

こういった仕組みの盲点をついた不正は、どのポイント付与サービス・予約サイトでも起こり得るものです。(ポイント不正と呼ばれる)

そしてこの事件の場合、予約サイトや無断キャンセルされたホテルはもちろん、不正に入手したポイントを使われる事業者にも被害が発生します。

予約サイトを始めとして、セキュリティの強化と不正のできない仕組みづくりは今後も強く求められるでしょう。

以下の記事を参考に不正な予約・アクセスを防ぐ対策をしましょう。

ピックアップ記事

  1. サイバー攻撃への対策5選!被害事例や対処法も解説
  2. フィッシングサイトを検知する3つの方法!企業が受ける被害例も紹介
  3. 通販サイトが攻撃を受ける原因とリスク!3つのセキュリティ対策とは?
  4. クレジットカードの不正利用を防ぐ方法は?消費者と事業者の両視点から原因を解説
  5. ECサイトでの情報漏洩対策とは?どんなセキュリティ強化をするべきか

関連記事

  1. メタップス 情報漏洩
  2. ニュース・業界動向

    キャッシュレスとは?増加で起こる消費者・事業者の変化を解説

    「キャッシュレス決済とはどんなもの?」「キャッシュレス化でどんな変…

  3. Paypal 悪用,Paypal 不正
  4. メルカリ 不正行為

    ニュース・業界動向

    メルカリでの不正行為とは?禁止している出品物や行為、買ってはいけないものを紹介

    「メルカリでの不正行為とは何?」「メルカリで不正行為を見つけたらど…

  5. ニュース・業界動向

    1円オーソリとは?仕組みを悪用した巧妙な不正事例も紹介

    1円オーソリとは、第三者による不正利用の防止や利用限度額の確認を1円で…

かっこ株式会社独自調査ECレポート
EC不正事業者セルフチェックシート
漫画3匹の子豚でわかるどこよりもわかりやすいWebセキュリティ入門
漫画ウサギとカメでわかるどこよりもわかりやすいEC不正注文対策 無料ダウンロード

おすすめ記事

  1. チャージバックとは?不正が起こる原因と事業者が行うべき5つの…
  2. 【2025年最新】クレジットカードの不正利用被害は過去最高額…
  3. フィッシングサイトを検知する3つの方法!企業が受ける被害例も…
  4. 3Dセキュア2.0を導入後も不正注文対策は必要!理由とおすす…
  5. QRコード決済は危険?不正利用される原因や安全に使える電子決…
かっこ株式会社独自調査ECレポート

お役立ち資料

EC不正事業者セルフチェックシート
  1. 消費者向け

    なぜクレジットカードは使わない方がいい?クレカ生活をやめたい人におすすめの支払い…
  2. Pマーク(プライバシーマーク)

    セキュリティ用語

    Pマーク(プライバシーマーク)の取得方法や費用、取得するメリット5つを紹介
  3. 不正検知・ノウハウ

    転売屋対策に効果のある13個の方法を紹介!転売が引き起こすリスクとは?
  4. 不正検知・ノウハウ

    フリマアプリ悪用で広がる不正注文!最新の手口と6つの対策
  5. 不正アクセス・ログイン

    【事業者向け】フィッシングSMS(スミッシング)による不正アクセスとその対策を徹…
PAGE TOP