「マイナンバーカードを病院でどうやって使うの?」
「マイナ保険証を使うメリットやデメリットは?」
など、マイナ保険証一本化になるという発表がされたことにより、疑問や不安を抱いている方はいませんか?
また、マイナンバーカードは持っているけど、病院での使い方が分からないという方が多いでしょう。
実は、マイナンバーカードの病院での使い方は決して難しいことはなく、使用するメリットも多いです。
この記事では、
- マイナンバーカードの病院での使い方の流れ
- マイナンバーカードを病院で使う時の3つのメリット・2つのデメリット
などを解説していきます。
マイナンバーカードの病院での使い方をマスターして、健康保険証が廃止されても冷静に対応できるようにしておきましょう。
目次
マイナンバーカードを病院で使う時は保険証と紐づけておく
まず最初にやっておくのは、マイナンバーカードを病院で使う時は保険証と紐づけておくことです。
マイナンバーカードを作る時に保険証と紐づけされている場合もあるので、「マイナポータル」から保険証と紐づけされてあるかどうかを確認してください。
もし、マイナンバーカードが保険証と紐づけされていない場合は、以下の2つの方法から保険証と紐づけておくようにしましょう。
- マイナポータルから保険証紐づけを行う
- 病院に設置してあるカードリーダーから保険証紐づけを行う
それぞれの詳しいやり方については、以下で紹介していきます。
すでにマイナンバーカードの保険証紐づけが完了されている方は、「2. マイナンバーカードの病院での使い方の流れ」からご覧ください。
マイナポータルから保険証紐づけを行う
マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルからマイナンバーカードの保険証紐づけを行うことができます。
早速、マイナポータルからマイナンバーカードの保険証紐づけをやってみましょう。
▼マイナポータルからマイナンバーカードの保険証紐づけ方法
①マイナポータルの以下の画面から「利用を申し込む」をクリック
➁「マイナポータル利用規約」を確認したら、「同意して次へ進む」をクリック
③「申し込む」をクリックする(※パソコンで行う場合はICカードリーダーにマイナンバーカードをセットしてからクリックする)
④数字4桁の暗証番号を入力してスマホの場合はマイナンバーカードを読み取る(※3回連続してパスワードを間違うとロックがかかります)
⑤申し込みが完了したら、正常に行えたかを申し込み状況で確認する
※参考:マイナポータル
病院に設置してあるカードリーダーから保険証紐づけを行う
マイナポータルから事前にマイナンバーカードの保険証紐づけができていなくても、受診した病院に設置してあるカードリーダーから保険証紐づけを行うこともできます。
ただし、今はまだ全ての病院にマイナンバーカードを読み取るカードリーダーが設置してあるとは限らないので、なるべく事前にマイナポータルから申し込みを行うようにしましょう。
▼病院に設置してあるカードリーダーからマイナンバーカードの保険証紐づけ方法
①顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く
➁マイナンバーカードを保険証として「登録する」をクリック
③マイナンバーカードが保険証として利用可能になる
④そのまま病院を受診する時は同意取得画面からの操作が必要
※参考:厚生労働省|マイナンバーカードの健康保険証利用について
マイナンバーカードの病院での使い方の流れ
ここからは、マイナンバーカードを病院で使ったことがない方が最も知りたいこと「マイナンバーカードの病院での使い方の流れ」を紹介していきます。
- 顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く
- 顔認証または暗証番号で本人確認を行う
- 同意事項の確認・選択を行う
- 顔認証付きカードリーダーからマイナンバーカードを取り出す
1つ1つの流れを細かく説明していきますので、このやり方を参考にしてぜひ病院でマイナンバーカードを使って受診してみてください。
1. 顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く
まず病院の受付に来たら、顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置いて操作してください。
※引用:全国健康保険協会
健康保険証の代わりにマイナンバーカードで受診する時も、受付でカルテ番号などが書かれている診察券や公費負担医療の受給者証は必ず提示する必要があるので持参するようにしましょう。
2. 顔認証または暗証番号で本人確認を行う
次に、顔認証または暗証番号のどちらで本人確認を行うかを選択しましょう。
※引用:全国健康保険協会
顔認証を行う場合は、眼鏡や帽子、マスクを外さなくても認証を行うことができます。
また、暗証番号で本人確認を行う場合は、カード申請時に自身で設定した4桁の数字を入力してください。
3. 同意事項の確認・選択を行う
本人確認が完了したら、同意事項の確認・選択を行いましょう。
※引用:全国健康保険協会
これは、医師・薬剤師に提供する情報に関する同意です。
過去の診療や処方された薬剤情報、特定健診情報は医師・薬剤師にとっては重要な情報なので、不都合がない限り「同意する」を選択してあげるといいでしょう。
4. 顔認証付きカードリーダーからマイナンバーカードを取り出す
最後に、受付が完了したら顔認証付きカードリーダーからマイナンバーカードを取り出すことを忘れないようにしましょう。
※引用:全国健康保険協会
また、高額医療費制度を利用される方においては、マイナンバーカードを取り出す前に限度額情報を「提供する」を押してください。
そうすることで、窓口で限度額以上の支払いをしなくてもよくなります。
マイナ保険証を使うことで限度額を超える支払いが免除されることについては、「4. マイナンバーカードを病院で使う時の3つのメリット・2つのデメリット」のメリットの中で詳しく解説しています。
マイナ保険証を使う時に受付に出すものは?
先程もお伝えしましたが、病院でマイナ保険証を使う時でも「診察券」「公費負担医療の受給者証」は受付に出す必要があります。
「公費負担医療の受給者証」とは、障害者、ひとり親家庭、難病疾患などの特定の病気の種類や、被保険者・被扶養者の状況により医療費の全額または一部を助成してもらえる証明書です。
例えば、愛知県の子ども医療の受給者証はこのようなものです。(※地域によって書式は変わります)
※引用:しいの木こどもクリニックブログ
この受給者証を忘れてしまうと、助成金額分はまた次回提示した時に返金してもらう形になり、当日は窓口で助成金額を負担することになります。
健康保険証が廃止されてマイナ保険証一本化されるって本当?
政府は、健康保険証を廃止してマイナ保険証一本化にするという発表しましたが、マイナンバーカードの取得は義務付けられていないので現段階では完全に一本化されるわけではありません。
※引用:東京新聞
また、健康保険証の新規発行を停止し廃止されても、廃止後最長1年間は現行の健康保険証を使える猶予期間を設けるとのことです。
つまり、マイナ保険証一本化が行われる2024年12月2日以降もしばらくは健康保険証を使える上、マイナ保険証を所有していない人には「資格確認書」が発行されるので医療機関受診に支障が生じることはないということです。
中には、「マイナンバーカードの取得は義務ではない」のに、マイナンバーカードを持っていないことが今後不利になってくるのでは?という疑問を抱く方もいるでしょう。
マイナンバーカードを持っていないと不利になるということはありませんが、マイナンバーカードを持っていれば便利なことはいくつかあります。
そのことについては、以下で解説しています。
マイナンバーカードの取得は義務ではない!
マイナンバーカードの制度が始まってから今までもそうですが、マイナンバーカードの取得は義務ではありません。
マイナンバーカード総合サイトでも、マイナンバーカードの取得義務はないと言っています。
※引用:マイナンバーカード総合サイト
ただし、上図の中にも書かれているように、国民生活の利便性の向上に資するものなので、できるだけ多くの皆様に申請していただきたいと考えを示しています。
マイナンバーカードを持っていれば、
- 個人番号を証明できる
- マイナンバー1枚で本人確認できる
- 証券口座開設など民間のオンラインサービスで使える
- コンビニで公的な証明書を取得できる
- 健康保険証として利用できる
などの便利なことがたくさんあります。
まだマイナンバーカードを持っていない方や、持っていても実際に便利なサービスを使えていない方は、ぜひマイナンバーを取得・活用してみてください。
マイナンバーカードを病院で使う時の3つのメリット・2つのデメリット
ここからは、マイナンバーカードを病院で使う時のメリットとデメリットについて紹介します。
マイナンバーカードを病院で使う時のメリットは3つあります。
- 確定申告の医療費控除手続きが自動でできる
- 限度額を超える支払いが免除される
- 処方薬をマイナポータルで確認できる
また、デメリットは2つあります。
- まだマイナ保険証に対応していない病院もある
- 病院のシステム不具合などで利用できないこともある
それぞれのメリット・デメリットについて、以下で詳しく解説していきます。
【メリット1】確定申告の医療費控除手続きが自動でできる
面倒な確定申告の医療費控除の手続きが自動でできることは、マイナ保険証を使う大きなメリットの1つです。
今までは、医療費控除手続きでは病院に受診した際の領収書が必要でしたが、マイナポータルから自動転記した医療費については、領収書の保存義務はありません。
ただし注意してもらいたいのが、マイナンバーカードを持っていても保険証と紐づけできていなければ、自動で医療費控除手続きはできません。
▼マイナ保険証で医療費控除手続きを行う手順
①マイナンバーカードと保険証を紐づけておく(紐づけ方法は「1. マイナンバーカードを病院で使う時は保険証と紐づけておく」で紹介しています)
➁マイナポータルで医療費通知情報を確認しておく
③「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成する
【メリット2】限度額を超える支払いが免除される
マイナンバーカードを病院で使えば、限度額を超える支払いがその場で免除されることもメリットの1つです。
通常誰でも、年齢や所得ごとに定められた医療費の上限を超えた場合に「高額療養費制度」を利用できます。
この「高額療養費制度」は、必要書類である「限度額適用認定証」の申請や準備が間に合わないと、上限を超えた額を一時的に支払う必要があります。
しかし、マイナ保険証を使うことで「限度額適用認定証」の申請を行わずとも、その場で限度額を超える支払いを免除してくれるので非常に便利だと言えるでしょう。
【メリット3】処方薬をマイナポータルで確認できる
マイナンバーカードを病院で使うことで、処方薬をマイナポータルですぐに確認できるようになります。
また、過去に処方された薬や特定健診等の情報を、医師や薬剤師に正確に伝えることもできます。
定期通院や、いくつもの病院を利用している場合は、処方薬を紙のお薬手帳で管理するのは手間なので、処方薬の管理を正確にマイナポータルでできるのは嬉しいポイントです。
【デメリット1】まだマイナ保険証に対応していない病院もある
事実、まだマイナ保険証に対応していない病院もあるので注意が必要です。
2024年12月にマイナ保険証一本化するという発表がされたので、今後ほとんどの病院でマイナ保険証に対応する動きが加速することは間違いないでしょう。
しかし、まだマイナ保険証に対応していない病院でマイナンバーカードのみを持参して受診しようとすると、一旦窓口で全額負担しなければいけないケースもあります。
よって、マイナ保険証を使って受診したい場合は、事前に病院にマイナンバーカードが使えるかの確認をしてから受診するのが安心です。
【デメリット2】病院のシステム不具合などで利用できないこともある
病院でマイナンバーカードを使う際には、顔認証付きカードリーダーで操作するので、稀にシステム不具合などで利用できないこともあります。
もし病院側の不具合で利用できなかった場合でも、別に健康保険証を持っていなければ一旦は全額の10割負担の支払いが必要になる可能性もあります。(※2025年12月からは健康保険証が完全に廃止される予定です)
心配な方は、病院に受診する時はマイナンバーカードと健康保険証の両方を持っていくといいでしょう。
マイナ保険証についてよくある質問4つ
最後に、マイナ保険証を病院で使うことについてよくある質問を4つ紹介します。
それぞれの質問について、以下でお答えしていきます。
【質問1】顔認証付きカードリーダーの操作は病院側も手伝ってくれますか?
顔認証付きカードリーダーの操作を病院側が手伝うことはできません。
なぜなら、マイナ保険証を使用する時は、顔認証や暗証番号、同意項目など個人情報に該当する箇所が多いので、その画面を病院側の職員が見ることはできないからです。
カードリーダーでどのような操作をするのか不安な方は、「2. マイナンバーカードの病院での使い方の流れ」を確認してから病院を受診するのがおすすめです。
【質問2】マイナ保険証は受診のたびに提示する必要がありますか?
マイナ保険証は病院を受診するたびに提示する必要があります。
その理由として、
- 健康保険法施行規則第53条等でそのように定められている
- 診等情報や診療・薬剤情報、処方情報、調剤情報、薬剤情報の閲覧に関する同意を受診の度にしないといけない
からです。
よって、マイナ保険証を使用する時は、毎回持参して顔認証付きカードリーダーで操作する必要があります。
【質問3】健康保険証とマイナ保険証どちらの方が受診料安くなりますか?
マイナ保険証を使用する方が、初診と調剤において受診料が健康保険証よりも安くなります。
詳しく費用を比較すると、
- 従来の健康保険証で受診した場合の初診料→40円加算される
- マイナ保険証で受診した場合の初診料→20円加算される
こととなります。
このうち患者負担は、決められている負担割合1~3割になります。
よって、マイナ保険証を使用すれば医療費の節約になると言えるでしょう。
【質問4】マイナ保険証から個人情報はどこまで知られてしまいますか?
マイナ保険証から病院側に情報が伝わるのは、
- 氏名・生年月日・住所などの基本的な個人情報
- 健康保険証の情報(本人/家族、保険者番号、記号/番号/枝番、会社名など)
- 同意すれば過去の処方薬や特定健診等の情報
です。
病院がこれらの個人情報を悪用することは考えにくいですが、病院からこれらの情報が流出しないと断言することはできません。
もし、マイナンバーカードの健康保険証利用について分からないことがあれば、マイナンバー総合フリーダイヤルにお問合せください。
まとめ
この記事では、マイナンバーカードの病院での使い方を中心に、マイナ保険証として病院で使うメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
マイナンバーカードを病院で使うメリットは3つです。
- 確定申告の医療費控除手続きが自動でできる
- 限度額を超える支払いが免除される
- 処方薬をマイナポータルで確認できる
また、デメリットは2つです。
- まだマイナ保険証に対応していない病院もある
- 病院のシステム不具合などで利用できないこともある
このように、デメリットよりもメリットの方が多いので、もしまだマイナ保険証を病院で使ったことがないという方はぜひ使ってみてください。
ただし、現状全ての病院がマイナ保険証に対応しているわけではないので、初めて受診する病院では前もってマイナ保険証が使用できるかどうかを確認しておくといいでしょう。