2021年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会で、顔認証システムが採用されることになりました。
この記事では
- オリンピックでの顔認証システム採用
- 顔認証システムのこれから
について解説します。
2021年の東京オリンピックにて顔認証システムが採用
東京2020(開催は2021年)オリンピック・パラリンピック競技大会で使われるのは、日本電気株式会社(NEC)が開発した顔認証システムです。
大会関係者の入場に顔認証システムが活用されるのはオリンピック、パラリンピック競技大会で史上初となります。
NECでは「選手やスタッフ、ボランティアなどの大会関係者約30万人を対象に、すべての大会会場で顔とIDカードを組み合わせた厳格な本人確認を実現することで、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすまし入場、IDカード偽装による不正入場を防止することができ、さらに、入場ゲートでの人手による本人確認作業の負荷を軽減し、混雑発生を防げる」としています。
顔認証システムとは?
顔認証システムとは、画像などから顔を検出し、目、鼻、口などの位置や顔の大きさといった特徴を分析して識別・照合を行うシステムを指します。
撮影機器として市販のWebカメラを使え、既存の顔写真を登録データにできるなど特別な装置・準備が不要で導入しやすく、利用者としても、認証機器に触れたり特殊な操作をしたりする必要がないために利便性に優れていると言われています。
顔認証が活用されている身近な例としてはスマートフォンやパソコンがあります。最初に自身の顔を登録しておけば、画面を見るだけでカメラが自動で認識してくれ、パスワード入力などをセずともロックを解除できます。
また、冒頭で紹介した東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用されるNECの顔認証システムは、ICチップを搭載したIDカードと事前に撮影・登録した顔画像をシステム上で紐付けし、大会会場における関係者エリアの入場ゲートに設置した顔認証装置を用いて、顔とIDカードによる本人確認を行うものだそうです。
顔認証システムのこれから
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をきっかけに顔認証システムがより広がりを見せるかもしれません。
利用者視点で考えると、顔認証システムには
- 鍵やICカードといった「物」が不要になる
- パスワードの設定・記憶の必要がない
といった、いわゆる生体認証のメリットがあります。
さらに、顔というのは普段から私達が相手を識別するための手段ですから、認証に用いても心理的負担が少ないとも言われています。
一方で、特別な装置や操作が不要なだけに、防犯カメラなどの映像を勝手に解析され、個人情報や行動履歴などが流出してしまう懸念もあります。
「不特定多数を対象としない」「顔認証システムの使用時には明示する」といった、安心・安全に配慮した制度を整えていくことも必要かもしれませんね。