「なぜSNSで他人の名前や写真を無断で使っちゃいけないの?」
「もしSNSで他人になりすましたらどうなるの?」
SNS利用者の中に、このような疑問を持っている方はいませんか?
SNS普及率は増加しており、プライベートだけではなく仕事でもSNSを利用している方は多く、幅広い世代の方々にとってなくてはならないツールの一つです。
そんな中問題となっているのが、「SNSのなりすまし」です。
SNSのなりすまし行為は、相手に迷惑をかけるだけではなく、罪に問われる可能性があるということは覚えておきましょう。
この記事では、
- SNSで他人の名前や写真を無断で利用してはいけない理由
- 無断で他人になりすまして捕まる可能性はあるのか
- なりすまし行為で逮捕された事例
などを解説します。
SNSのなりすましをしてはいけない理由やどのような罪に問われるかについて分かりやすく伝えているので、ぜひご一読ください。
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目次
なりすましの定義
SNSにおけるなりすましとは、本人のアカウントの内容に似た偽物のアカウントを作成したり、本人の写真を勝手に使用するなどの方法でまるで本人かのように誤認させるようなアカウントを作成したりすることを言います。
SNSのなりすまし行為でよく勝手に使われるのは、
- ユーザー名
- アカウント名
- アカウントのプロフィール画像
- アカウントの背景画像
などです。
他にも、嫌がらせやストーキング、知名度を悪用したフォロワー稼ぎなどが目的で行われることもあります。
SNSでの知名度が高くなればなるほど、なりすましの被害には注意した方がいいでしょう。
SNS以外のなりすましの手口については、以下の記事で詳しく解説していますので本記事と併せて参考にしてください。
SNSのなりすまし被害の例
近年多発しているSNSのなりすまし被害の例として、他人のIDやパスワードを不正入手して行われるアカウントの乗っ取りが挙げられます。
例えばアカウントを乗っ取られたことで、未成年者なのに飲酒をしている合成写真を投稿されるなどの被害が発生するケースもあります。
他にも知名度が高い有名人の場合、金銭目的でSNSのアカウントを乗っ取られることもあります。
実際に、以下の記事は有名人のアカウントを乗っ取り転売した疑いで逮捕されたニュースです。
※引用:Yahoo!ニュース
特に有名人の場合は、生年月日などの個人情報を公表している方が多いため、ID・パスワードを割り出しやすいということです。
割り出しやすいような生年月日をID・パスワードに設定するのは、被害に遭う可能性が高くなるのでやめましょう。
企業SNSのアカウント乗っ取りなどの事例や対策については、以下の記事を参考にしてください。
SNSで他人の名前や写真を無断で利用してはいけない理由
SNSで他人の名前や写真を無断で利用してはいけない理由は2つあります。
- 著作権侵害
- なりすまし=迷惑行為
になるからです。
言葉では聞いたことがあっても、その内容までは知らない方のために以下で詳しく解説していきます。
著作権侵害
誰もが聞いたことがある「著作権侵害」ですが、どのような意味があるのかを分かりやすく説明します。
著作権侵害とは、著作権のある著作物を、著作権者の承諾を得ないで無断で利用したり、自分が創った著作物だと騙して利用することです。
▼著作権
自分が創作した著作物を無断でコピーされたりインターネットで利用されない権利のこと▼著作物
思想または感情を創作的に表現したもので、「文芸・学術・美術・音楽」の範囲に属するもの
SNSでは、創作した画像や写真、動画、楽曲などを載せている方も多いですが、それらを第三者の他人が勝手に使うことは著作権侵害にあたります。
著作権侵害は立派な犯罪ですので、被害者である権利者が告訴することにより刑事上の罰則を受けることになります。
例えば、大好きな有名人の写真をSNSのアイコンに設定している場合は、実は著作権侵害にあたる可能性があるので注意が必要です。
他にも、あたかも自分で撮ったかのように他人の写真を勝手に使うのも著作権侵害です。
「本人にバレなければ大丈夫」と安易に考えずに、もし告訴されたら刑事罰を受けることになるので、そのリスクは負わないようにしましょう。
さらに、SNSで使いたい画像の著作権者が不明の場合に著作物を使ってもいいと判断することもやめましょう。
著作権者が不明な場合は、以下を参考にしてください。
なりすまし=迷惑行為
SNSのなりすましは明らかな迷惑行為で、なりすましの悪質性によっては罪に問われることもあります。
SNSのなりすましの被害に遭うことで、
- 企業や業務に支障をきたす
- 脅迫や卑猥な投稿をされて名誉を傷つけられる
- 周りからの信用を失う
- 事実とは異なる言動で社会的評価を下げられる
- ID・パスワードを不正取得されて乗っ取られる
などのリスクを負うことになります。
しかし、これらの被害は全て罪に問われる可能性があります。
- 企業や業務に支障をきたす→「業務妨害罪」
- 脅迫や卑猥な投稿をされて名誉棄損される→「名誉毀損罪」
- 周りからの信用を失う→「信用毀損罪」
- 事実とは異なる言動で社会的評価を下げられる→「侮辱罪」
- ID・パスワードを不正取得されて乗っ取られる→「不正アクセス禁止法違反」
SNSのなりすましは、ただの迷惑行為にとどまるだけでなく、捕まる可能性もあるということを覚えておきましょう。
つまり、安易な気持ちや面白半分で他人になりすますことは、するべきではないということです。
なぜ捕まらない?
実際にこれだけ犯罪になる可能性が高いSNSのなりすましですが、取り締まりが追い付いていないのが現状です。
その理由としては、被害通報が多くて捜査が追い付いていないことや、罪に問われるかどうかの線引きが難しいことが挙げられます。
実際に、SNSアカウントの乗っ取りが多発しているため、警察は注意するように訴えかけています。
※引用:大阪府警察
しかし、実際にSNSのなりすまし被害に遭って警察に相談したけど罪には問えないと言われた事例もあります。
以下は、Instagram(インスタグラム)でなりすまし被害に遭って警察に相談したが動いてくれなかったという嘆きの声です。
※引用:Yahoo!知恵袋
被害にあった方は、弁護士から「名誉毀損罪」に該当するから被害届を出したらいいとアドバイスされたため警察に相談しています。
このような事例は他にもあるため、SNSのなりすまし被害に遭ったら直接警察署に出向く前に、まずは「都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口」に相談することがおすすめです。
なぜSNSで他人の名前や写真を勝手に使うの?
ここまではSNSのなりすましは罪になる可能性が高いというお話しをしてきましたが、それでもなぜSNSで他人の名前や写真を勝手に使うのかという疑問が出てきます。
その答えは、
- 違法ということを知らない
- 悪意を持っている
- 悪意はないが故意的に行っている
などの場合がほとんどです。
それぞれどのような意味なのかを詳しく解説していきます。
違法ということを知らない
違法ということを知らずに、無知な状態でSNSのなりすましをしている人もいます。
大好きな有名人やキャラクターの画像をSNSのアイコンに設定している場合では、違法ということを知らずに単純に好きだから写真画像を使っているだけということもあります。
もし無知でやってしまっている人がいたら、著作権侵害にあたる可能性があることを教えてあげるといいでしょう。
悪意を持っている
中には、悪意を持ってSNSのなりすましを行っている場合もあります。
例えば、金銭目的でSNSのアカウントを乗っ取るケースもあります。
自己利益のために、SNSのなりすましという迷惑行為をするのは犯罪ですので絶対にやめてください。
もしそのような行為を見つけた場合は、運営側や警察に相談するようにしましょう。
悪意はないが故意的に行っている
悪意はないが故意的にSNSのなりすましを行っている場合もあります。
例えば相手に迷惑をかけるつもりはなくて、SNSのなりすましでフォロワー数を稼いでいるケースもあります。
相手に迷惑をかけるつもりはなくても、SNSのなりすましはやってはいけない行為です。
無断で他人になりすまして捕まる可能性
ここからは、実際に無断で他人になりすまして捕まる可能性があるということを紹介していきます。
以下は、SNSのなりすましやその他のなりすまし行為で逮捕された事例です。
SNSでなりすましをして逮捕された事例
以下で紹介しているのは、有名な投資家の桐谷広人さんになりすましたSNSのアカウントで930万円の詐欺を行い逮捕された事例です。
※引用:東海テレビ
SNSやLINEのやり取りだけで、指定口座に現金を振り込んでくださいというのはあまりに不審です。
少しでも怪しいと感じたら、そのアカウントが正式なものなのかを調べてみることが大事です。
顔を合わせていないSNS上でのやり取りだけで、安易にお金を振り込むことがないようにしましょう。
その他、なりすまし行為で逮捕された事例
SNSのなりすましだけではなく、様々ななりすまし被害が多発しています。
以下は、警察官になりすまして高齢者のキャッシュカードを騙し取ろうとして逮捕された事例です。
※引用:khb東日本放送
この事例では、たまたま娘さんが訪れて事なきを得ましたが、もしかすると警察官だと思い込んでキャッシュカードを渡してしまっていた可能性もあります。
SNS上だけではなく、誰かになりすましているのに気づかずに目の前で詐欺被害に遭うこともあります。
少しでも不審だと感じたら、家族や周囲の人たちの意見を聞いてから行動することも大事です。
なりすましをした人は特定できる
SNSのなりすましの被害に遭った人が行動を起こすことで、なりすましをした人を特定できることがほとんどです。
では、どのような流れでなりすましをした人を特定できるのかを解説していきます。
SNSの運営に開示請求をする
法的手段をとるなどでなりすまし人物を特定したい時は、SNSの運営に開示請求を行う必要があります。
SNSの運営側も、氏名・住所等の情報を保有しておらず携帯電話番号しか分からないこともあります。
そのような場合は、SNSの運営側がその開示された携帯電話の持ち主を携帯キャリアなどに開示させる流れになります。
法的手段を検討している場合は、SNSの運営に開示請求をさせてなりすまし人物を特定させることや、被害に遭った状況を証拠として残しておくようにしましょう。
参考:国民生活センター(自分になりすました偽のアカウントを見つけた。アカウント開設者の情報を開示してもらうには?)
その他SNSでの違法行為
SNSのなりすまし行為以外で、SNSで違法行為とされているのが「根拠のない悪口を投稿する」ことです。
SNS上で根拠のない悪口を投稿することは、以下の罪に問われる可能性があります。
侮辱罪については、インターネット上の誹謗中傷など悪質な侮辱に厳正に対処するため法定刑の引上げが行われ、2022年7月7日から施行されています(法律の詳細については法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」別ウインドウで開きますを参照)。
※引用:政府広報オンライン
名誉毀損罪や侮辱罪以外でも、高額な慰謝料を請求される可能性もあるため、安易に他人の悪口をSNS上に投稿することはやめてください。
なお、SNSでの炎上や風評被害対策についての資料は以下のボタンからダウンロードできますのでぜひ参考にしてください!
まとめ
SNSのなりすましは、ただの迷惑行為にとどまらず犯罪者になる可能性もあります。
「違法だとは知らなかった」「悪意はなかった」
それでも、なりすまし被害に遭った人が通報すれば罪に問われることもあるということです。
SNSのなりすましによって問われる可能性がある罪は、
- 著作権侵害
- 業務妨害罪
- 名誉毀損罪
- 信用毀損罪
- 侮辱罪
- 不正アクセス禁止法違反
などです。
実際に、SNSのなりすましによって逮捕された事例もいくつかあるため、他人になりすまして利益を得ようと考えるのはやめてください。
SNSは、正しい使い方をすれば個人も企業もメリットがたくさんあるので、みんなが気持ちよく利用できるようにルールを守って利用していきましょう。