定期購入に関するトラブルや相談が後を経ちません。消費者庁や政府広報も、ネット通販の定期購入トラブルに関する注意を呼びかけています。
また、定期購入の受取拒否が発生すると、企業側も無駄なコストや労力が発生してしまうため注意しなければなりません。
この記事では、定期購入に関する下記の内容を解説します。
- 定期購入商品は受取拒否できるのか
- 定期購入トラブルを避ける方法
- 定期購入のトラブルに遭った場合の対処法
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>>【事業者向け】定期購入での注文が受取拒否される4つの理由
目次
定期購入した商品は勝手に受取拒否できない
前提として、定期購入した商品を消費者の都合で一方的に受取拒否することは認められていません。
定期購入した商品を受取拒否する場合、消費者の意思だけではなく事業者との合意が必要です。
基本的に、解約・返品などは事業者が定めた「返品特約」に従わなければなりません。
そのため、解約手続きを行わない限り契約は自動更新され、商品の配送が継続されることがあります。
※参考:埼玉県
定期購入した商品の受け取りを無視した場合どうなる?
定期購入した商品の受け取りを無視しても、多くの場合は定期的に商品が配送されるのでご注意ください。
契約内容にもよりますが、受け取りを無視しても消費者には支払い義務が残り、再配送や往復の配送料が追加請求されます。
販売店とトラブルになるので、一方的に無視することはやめましょう。
トラブルを避けるためには、無視するのではなく解約手続きを行うのが賢明な判断です。
解約手続きを済ませたにも関わらず、商品が送られてくるのであれば受取拒否ができます。
下記の記事では、受取拒否のやり方を4ステップで紹介していますのでご覧ください。
定期購入のトラブルを避ける主な方法
全国の消費生活センターなどに寄せられる通信販売での「定期購入」に関する相談は、増加傾向にあります。
※引用:国民生活センター
解約しようとした時には電話がつながらないような悪質な業者も存在するため、購入者自身もトラブルを避ける方法を把握しておくことが大切です。
具体的な方法として、次のようなものが挙げられます。
【定期購入のトラブルを避ける方法の例】
- 注文前に販売業者の会社情報や口コミを確認する
- 契約条件や利用規約を細かく確認する
- 解約手続きや配送に関するポリシーを遵守する
- 注文時の「最終確認画面」は最後までしっかり確認する
定期購入の商品を購入する前には、「解約や返品が可能か」「その条件と方法は」など、契約条件や解約手続きを調べておきましょう。
申込み時の最終確認画面のスクリーンショットを撮り、表示されていた契約条件を証拠として残すのも、自己防衛のための重要な手段の一つです。
※参考:政府広報オンライン
定期購入のトラブルに遭った場合の対処法
定期購入のトラブルに遭った場合の対処法は、次のとおりです。
【定期購入のトラブルに遭った場合の対処法】
- 販売店に定期購入の契約をキャンセルしたい旨を伝える
- 商品が未着の場合、受取拒否したい旨を販売店に伝える
- 販売店から「キャンセルを承諾した」などのメールが届いたら保管する
- カード会社へ返金や引き落としを止める相談をする
- 全国の消費生活センターなどへ相談する
販売店に定期購入の契約をキャンセルしたい旨を伝える際は、電話・メールなどあらゆる手段を用いて繰り返し行うようにしましょう。
解約できる期限が決まっている場合、連絡がつかない場合があるかもしれません。
その場合、通話履歴やメールなど消費者側が期限内に解約しようとしたことを記録に残すようにしましょう。
あとで証明できるものがあると、交渉の時に役立ちます。
もし、どうしても連絡が取れない場合には、消費者ホットライン「188(いやや!)番」で相談するのも一つの手です。
【事業者向け】定期購入での注文が受取拒否される4つの理由
ここまで、購入者向けの情報をお伝えしてきました。
もし定期購入で販売している商品を受取拒否されてしまうと、事業者様には無駄なコストや労働力が発生します。
そこでまずは、定期購入での注文が受取拒否される4つの理由を見ていきましょう。
- 定期購入だと気付いてもらえなかった
- いつでも解約できると思われていた
- 届いた商品がイメージと違った
- 住所変更や旅行などで荷物が受け取れなかった
受取拒否される理由を知っておくことで、次の対策が立てられます。
【理由1】定期購入だと気付いてもらえなかった
購入者が商品を注文する際に、定期購入だと気付かずに買い物をした結果、受取拒否されるケースがあります。
商品ページや規約を細かく読む人ばかりではないため、そのことを見越した対策が必要です。
具体的には、注文プロセスや表示内容を改善し、顧客への明確な情報提供を行えば定期購入であることを理解しやすくなります。
申込フォームや規約にも、定期購入であることを分かりやすく明記しましょう。
また、商品の発送前に定期購入とわかるメールを送ると、発送後のトラブルを防ぎやすくなります。
【理由2】いつでも解約できると思われていた
受取拒否される理由の一つに、いつでも解約できると思われていたケースがあります。
定期購入は1回の購入で解約できないケースが多いものの、なかには「いつでも解約可能」な定期コースを提供する企業もあります。
また、ショップ側は定期購入である旨を明記しているつもりでも、消費者の勘違いで「いつでも解約できる」と思われてしまうケースも少なくありません。
ほかにも、受取拒否をすることで解約できると思っている消費者もいます。
消費者の誤解を防ぐためにも、できるだけわかりやすい商品ページを作りましょう。
【理由3】届いた商品がイメージと違った
商品の品質や色、サイズ感などに問題があるケースでも受取拒否は発生します。
ショップ側は商品の品質管理を強化し、イメージと実際の商品が一致するように注意を払いましょう。
また、誤配や欠品が起きないように対策することも重要です。
- 在庫管理システムの改善
- 業務マニュアルの作成
- 従業員のトレーニング
など、あらゆる手段を検討する必要があります。
【理由4】住所変更や旅行などで荷物が受け取れなかった
定期購入の場合、1回目から2回目以降の配達に時間差があります。
購入者側からすると、2回目以降の配送日がわからず「そもそも商品の発送日時が受け取れないスケジュールだった」というケースもあり得ます。
また、引っ越しや留学による住所変更があった場合、住所変更が必要にもかかわらず手続きされていないケースも少なくありません。
ほかにも、旅行で長期不在していた場合なども考えられます。
2回目以降の配送スケジュールが分かったら、確認のメールを送ると良いでしょう。
企業には悪質な受取拒否への対策が求められる
受取拒否のなかには、いたずらや転売目的による悪質なケースも存在します。
このケースが頻発すると、下記のようなコストを企業側が負担しなければなりません。
- 請求手続きにともなう人件費
- 返送にかかる送料
- 商品自体
無駄な出費を防ぐためにも、悪質な受取拒否への適切な対策が必要です。具体的な対策として、次のようなものが挙げられます。
【事業者向け】悪質な受取拒否への主な対策
- 受取拒否やキャンセルに関する規約を明記する
- 悪質な受取拒否がみられた注文者を履歴に残しておく
- 不正注文対策に特化したサービスを活用する
受取拒否やキャンセルに関する規約を明記し、購入前の確認を必須にすると、その後に購入したお客様は規約へ同意してもらえたことを意味します。
また、同じ購入者からの注文をブロックするためにも、悪質な受取拒否が見られた注文者の履歴は残しておくようにしましょう。
受取拒否を防ぐ対策に関しては、下記の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
定期購入に関してよくある2つの質問と回答
最後に、定期購入に関してよくある2つの質問と回答を紹介します。
- 定期購入の解約方法は?
- 定期購入した商品はクーリングオフできる?
気になったものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
【質問1】定期購入の解約方法は?
定期購入の解約方法は、販売店や契約状況によって異なるため、詳細は各社のホームページを確認するようにしましょう。
定期購入は途中解約ができないケースが多いものの、なかには「いつでも解約可能」としているショップもあります。
ホームページに記載がない場合でも、商品申し込みの際に解約方法が明記されているはずです。
お客様センターが設置されている場合は、そちらに問い合わせてみるのも有効です。
それでも上手く解約できない時には、お近くの消費生活センターに相談してみてください。
【質問2】定期購入した商品はクーリングオフできる?
定期購入した通販商品は、基本的にクーリング・オフできません。
なぜなら、特定商取引法で規定する通信販売にはクーリング・オフの制度が規定されていないからです。
ただし、ショップサイト内で返品期間が明記されている場合があります。
「次回商品発送の○日前までに連絡をすれば解約できる」などの規約がないか、確認してみましょう。
※参考:経済産業省近畿経済産業局
まとめ
定期購入の商品を消費者の都合で受取拒否したり無視したりすることは、原則として認められていません。
定期購入した商品は、基本的にクーリングオフも不可能です。商品が不要な場合は、受取拒否ではなく解約手続きをしましょう。
もし、販売者側と連絡が取れずに解約できない場合には、消費者ホットライン「188(いやや!)番」に相談してみてください。
また、いたずらな定期購入の注文や悪意のある受取拒否を防ぎたい事業者様は、不正注文検知システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
たとえば、かっこ株式会社の「O-PLUX」は、導入企業20,000サイト以上で発生した不正データをリアルタイムで共有し、怪しい注文を即座に探知できます。
不正度合いに応じて3段階で審査結果を出すため、事業者側も不正の判断をしやすいです。
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