「お店の予約をすっぽかしてしまった!どうしよう!?」
と焦ったことはありませんか。
このような断りなく予約を無かったことにする行為は無断キャンセルと呼ばれ、予約したお店に迷惑をかけています。
飲食店やホテルなど、予約制のサービスを行っているお店の多くが無断キャンセルによって損害を受けています。
無断キャンセルはスマホの普及に伴って増加し、近年では社会問題になっています。
本記事では、
- 無断キャンセルをしてしまう理由
- 無断キャンセルをしてしまった場合の対応策
- 無断キャンセルを防ぐためにできること
を解説します。
無断キャンセルへの対応、対策を知りたい事業者の方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
無断キャンセルはNG行為!
無断キャンセルとは、飲食店などのお店などの予約をお店に断りなく取り消す・行かない等の迷惑行為のことです。
居酒屋、レストランなどの飲食業やホテル、旅館などの宿泊業、美容室、サロンなどの美容業が無断キャンセルによって大きな損害を被っています。
無断キャンセルに似た迷惑行為として、直前になって予約を取り消す”ドタキャン”があります。
そもそも迷惑行為
予約を受け付けると、お店は数週間前から提供するサービスを準備をしたり、部屋や席を確保したりして予約に備えます。
このように何日も前から準備した予約を連絡もなくなかったことにするのは、非常に迷惑な行為です。
悪意無く無断キャンセルをしてしまった場合は、誠意をもって謝罪する必要があります。
また、稀にお店に迷惑がかかることを理解したうえで敢えて繰り返す悪意のある人がいますが、そのような行為は絶対にやめましょう。
悪質な無断キャンセルが大きなトラブルへと発展した例として、2つの事件を紹介します。
【事例1】大学サークルによる無断キャンセル事件
無断キャンセルの有名な事例として、大学サークルが団体予約を無断キャンセルした事件があります。
この事件では、大学サークルが新入生歓迎会のために50人で予約を取り、無断キャンセルしました。
その結果、居酒屋側は10万円以上の損失を被ることになりました。
事件発生直後は店舗側が警察へ行き被害届を出す意思を示していましたが、最終的には話し合いによる円満解決となりました。
【事例2】虚偽の団体予約を無断キャンセルで逮捕
悪質な無断キャンセルで逮捕まで至った事例として、有楽町の居酒屋に17人分の予約をし無断キャンセルをした男性が偽計業務妨害の疑いで逮捕された事件があります。
この事件で、加害者男性は居酒屋で合計22万1000円の虚偽の団体予約し、営業を妨害しました。
さらに、それ以降も系列店の4店舗で虚偽の団体予約を取り、その全てを無断キャンセルしました。
このように、悪意を持った無断キャンセルを何度も繰り返す行為は犯罪とみなされる可能性があります。
無断キャンセル被害の実態
無断キャンセルによる損害は、スマホの普及や予約サイトの多様化に伴って増加しています。
経済産業省が公開した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」によると、無断キャンセルが飲食業界全体に与えている損害金額は、年間約2千億円にも及びます。
また、直前のキャンセルを含めた飲食業界のキャンセルの発生率は全体の6%を超えており、社会問題になっています。
無断キャンセルをしてしまう理由
無断キャンセルをしてしまう理由として、
- キャンセル料を払いたくない
- 予約サイトの多様化
- 予約サイトのポイント稼ぎ
- お店と連絡が取れない
- 予約を忘れた
- 予約日時を間違えた
- いたずら目的で予約した
- お店や旅館の人の気持ちが分からない
などが考えられます。
キャンセル料を払いたくない
キャンセル料を払いたくなくて無断キャンセルをしてしまう人がいます。
一般的に、予約日の数日から数週間前にキャンセルをすることになった場合、キャンセル料がかかります。
キャンセル料は予約への準備にかけた費用を回収するために必要なものなので、払わずに済ませようと考えるのはやめましょう。
予約サイトの多様化
複数の予約サイトを使っているせいで無断キャンセルをしてしまう人がいます。
複数の予約サイトを使用していると、どのサイトで予約を取ったのかわからなくなってしまうことがあります。
どのサイトで予約したかが分からなくなると、予約内容を再確認するのに手間がかかるため、つい確認を怠ってしまうことがあります。
予約サイトのポイント稼ぎ
予約サイトのポイントを稼ぐために無断キャンセルをする人がいます。
予約サイトを利用するとサイト内でポイントが貯まり、次の予約時に割引などを受けることができます。
このポイント制度のせいで、サービスを受けるつもりがないのにポイントを貯めるために大量の予約を繰り返す人がいます。
お店と連絡が取れない
キャンセルの連絡をしたいのに、お店と連絡が取れなかったせいで無断キャンセルになってしまうことがあります。
連絡が取れない理由として、
- 連絡方法が分からなかった
- 連絡先が見つからなかった
- 連絡を入れようとしたがつながらなかった
- 連絡手段がなかった(携帯電話を持っていなかった、充電がなくなった)
などがあります。
このような事態を避けるため、分かりやすいキャンセルポリシーと確実につながる連絡手段を用意しているお店を利用することをお勧めします。
予約を忘れた
予約をしていたことを忘れていて無断キャンセルをしてしまう人がいます。
予約日までの期間が長い予約を取ったり、大量の予約を取ったりすると忘れてしまう可能性が高まります。
予約日時を間違えた
予約した日時を間違えていたせいで無断キャンセルをしてしまう人がいます。
予約しようとした日と違う日を予約してしまうケースと予約日を間違えて記憶してしまうケースがあります。
前者は予約内容をよく確認することで、後者はスケジュール管理を徹底することで防ぐことができます。
いたずら目的で予約した
いたずら目的で予約を取り、無断キャンセルをする人がいます。
このケースの無断キャンセルは、お店に損害を与えることを面白がっており非常に悪質なものです。
お店や旅館の人の気持ちが分からない
お店や旅館の人の気持ちが分からずに、無断キャンセルをする人がいます。
お店は予約が入るとサービスを提供するために何日も前から仕入れや準備を行います。
このことが分からず、気軽に無断キャンセルを繰り返すと多くの人に迷惑をかけることになります。
無断キャンセルしてしまった時に起きること
万が一、無断キャンセルをしてしまうと以下のような事態になる可能性があります。
- ブラックリストに入れられる
- 訴訟の可能性がある
- 逮捕の可能性がある
順に解説します。
ブラックリストに入れられる
悪質な無断キャンセルとみなされた場合、ブラックリストに入れられることがあります。
ブラックリストに入ると次回以降は予約をできなくなる可能性があります。
特に、ホテル業界のブラックリストは近隣の他のホテルとも共有されているため、ホテルの無断キャンセルをしてしまった場合はその地域のホテルがすべて利用できなくなる可能性があります。
訴訟の可能性がある
悪質な無断キャンセルを繰り返している場合、店から訴訟を起こされる可能性があります。
以前は泣き寝入りをする店も多かったですが、最近は損害賠償請求をする店が増えています。
逮捕の可能性がある
悪質な無断キャンセルを繰り返している場合、逮捕される可能性もあります。
一般的に、予約の無断キャンセルは「債務不履行」に該当します。
また、不当に利益を得ることや、店側に被害を与えることを目的とした無断キャンセルは「偽計業務妨害」に該当することもあります。
無断キャンセルをしてしまった時の対処法
万が一、無断キャンセルをしてしまった場合、
- お店からの連絡に応答する
- 正直に謝罪する
- 弁護士に相談する
ことが非常に重要です。
これらの行動をとることで、これ以上トラブルを発展させずに済む可能性が高まります。
お店からの連絡に応答する
無断キャンセルをしてしまった場合、後日店からキャンセル料金を請求する連絡が来ることがあります。
このような店側からの連絡は、決して無視せずできる限り丁寧に対応しましょう。
指示されたキャンセル料金を支払い謝罪することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
正直に謝罪する
無断キャンセルをしてしまった場合、隠したりせず正直に事情を話して謝罪することが重要です。
悪意のある無断キャンセルでなければ、店側も融通を利かせてくれることがあります。
トラブルの終息には店側の感情が大きく影響するため、真摯に謝罪しましょう。
弁護士に相談する
万が一、トラブルが大きくなり、損害賠償請求をされた場合は弁護士に相談した方がよいです。
店側も不当に高額な損害賠償を請求することはできません。
請求された賠償金額が適正であるか確認するためにも弁護士への相談は重要です。
無断キャンセルをしないための工夫
本記事では、無断キャンセルが店舗にどれだけの迷惑をかけているか、そして利用者にも大きなリスクがある行為であるかを解説してきました。
そこで、無断キャンセルをしてしまって後の対応だけではなく、そもそも無断キャンセルをしないようにする方法についても紹介します。
無断キャンセルをしてしまわないようにするための工夫として、
- キャンセルポリシーが明示されたサービスを利用する
- 利用する予約サイトの数を絞る
- 事前決済を採用しているサービスを利用する
- あまり先の予約を取らない
- 人の気持ちを考えて生きる
ことが有効です。
これらを実行することで、無断キャンセルの発生自体を抑えることできます。
キャンセルポリシーが明示されたサービスを利用する
無断キャンセルをしないためには、キャンセルポリシーが明確に掲載されているサービスを利用することが重要です。
キャンセルポリシーとは、店舗が設定している予約のキャンセルに関する注意事項やルールのことです。
キャンセルポリシーには、キャンセルの連絡方法が書かれているため、キャンセル方法が分からなくて連絡できなくなることがありません。
利用する予約サイトの数を絞る
無断キャンセルをしないためには、利用する予約サイトの数を絞ることが有効です。
近年は、大量の予約サイトあり、それぞれのサイトで割り引きやクーポンが配布されているため、複数のサイトを使い分けている方も多いと思います。
複数の予約サイトを使っているとどこのサイトで何の予約を取ったか確認するのが難しく、無断キャンセルの原因になる可能性があります。
事前決済を採用しているサービスを利用する
無断キャンセルをしないためには、事前決済を採用しているサービスを利用することが有効です。
一般的な予約システムでは予約後に来店してサービスを受けてから支払いを行いますが、事前決済サービスを導入している予約システムでは予約時に支払いを済ませます。
予約時に支払いを済ませておくことで、予約を忘れて無断キャンセルをしてしまう可能性が低くなります。
あまり先の予約を取らない
無断キャンセルをしないためには、あまり先の予約を取らないことが重要です。
あまり先の予定をとると、予約を取っていたことを忘れてしまうことがあります。
スケジュール管理ができないほど先の予約を取るのは控えましょう。
人の気持ちを考えて生きる
無断キャンセルをしないためには、人の気持ちを考えて生きることが大切です。
お店側の視点に立って考えることで、無断キャンセルがどれだけ大きな迷惑をかける行為なのかを理解できるはずです。
まとめ
本記事では、無断キャンセルは予約したお店に多大な迷惑をかけるNG行為であることを説明しました。
万が一、無断キャンセルをしてしまった場合は真摯に謝ることが大切で、何度も繰り返していると訴訟や逮捕につながる可能性もあります。
また、無断キャンセルを防ぐために利用者にできる工夫として、
- キャンセルポリシーが明示されたサービスを利用する
- 利用する予約サイトの数を絞る
- 事前決済を採用しているサービスを利用する
- あまり先の予約を取らない
- 人の気持ちを考えて生きる
があります。
予約サービスを正しく利用して、食事やイベントを楽しみましょう。
また、無断キャンセルへの対応、対策を知りたい事業者の方は、こちらの記事をご覧ください。