EC事業者の方々は、カゴ落ちを防ぐために何かしているでしょうか?
カゴ落ちを防ぐことは、ネットショップの売上をアップさせる上で、避けては通れない道です。
この記事では、
- カゴ落ちの現状
- カゴ落ちが起こる理由
- カゴ落ちさせないための対策
について解説します。
カゴ落ちとは
ネットショッピング業界で、しばしば注目される「カゴ落ち」。
「カゴ落ち」とは、ECサイトのショッピングカートに商品が入ったまま購入されず、購入者が途中で買い物を辞めてしまうことです。
カゴ落ちの現状
一般的に「カゴ落ち」の割合は平均約70%といわれています。
これは、カートに商品を入れたお客様の10人中約7人が購入を完了しなかったことを意味します。
購入者の気が変わってしまうのは仕方がない部分もありますが、EC事業者としては販売機会損失とも考えられます。
また国内では、カゴ落ちにおける機会損失額は売上の約2.5倍であるとされています。
カゴ落ちが企業にもたらす影響
EC事業者の方は、まず自社にとってカゴ落ちによる販売機会損失がどの程度なのかを把握しましょう。
一般的なカゴ落ち率と比べて、自社の現状を見極めることが大切です。
例えば、とある会社でのミステリー本の購入に関する2022年1月第1週のカゴ落ち率を求めてみます。
この時のカゴ落ち率は約68%であり、平均的なカゴ落ち率であるといえます。
カゴ落ち率は、商品をカート投入した人数に対する商品を購入しなかった人の割合を指しています。
このカゴ落ち率を少しでも減らすことで売上を拡大させることができます。
自社のECサイトでカゴ落ちさせてしまう6つの理由
カゴ落ちが起こる理由は主に以下の6個です。
- その時点で買うつもりはなかった
- 想定外の追加費用(送料や手数料)が高い
- 決済手段が使えない
- アカウント登録が必要
- クレジットカード情報を入力したくない
- 返品ポリシーが信用できない
ネットショッピングしていて購入者が途中でサイトを離れてしまう理由として考えられる代表的なものを1つずつ見ていきます。
その時点で買うつもりはなかった
これは、最も多いと言われているカゴ落ち原因です。
現代では、手軽にECサイトを訪れることができるので「今すぐに買うわけではないけれど、チェックだけしておきたい」という消費者の考えがあるためです。
追加費用(送料や手数料)が高い
商品の購入を検討している時には、送料や手数料が記載されていないあるいは考えていないかったが、決済時に合計料金を見て購入を辞めてしまうパターンです。
事業者は購入金額に応じて「送料無料」の設定にすることもありますが、値段の安い商品はどうしても追加費用の送料や手数料の割合を高くしてしまいます。
決済手段が使えない
導入されている決済方法は、ECサイトによって異なります。
消費者は馴染みのある決済方法を選択したいため、自分の使いやすい決済方法が選択肢になければ、他のECサイトへ流れてしまうことが考えられます。
アカウント登録が必要
多くのECサイトでは、初めにアカウント登録が必要になってきます。
一度登録すれば、様々な個人情報(クレジットカード情報や住所など)を入力する手間が省けるので、消費者にとってもメリットです。
しかし、アカウント登録自体が複雑で面倒だと感じてしまうことが、カゴ落ちを引き起こす1つの要因となります。
購入完了までのプロセスは、いかに簡潔に進めることが出来るかが鍵となってきます。
クレジットカード情報を入力したくない
クレジットカード決済は、多くのECサイトで利用される決済手段です。
ただし、個人情報漏洩を心配してネットでのクレジットカード情報の登録を好まない方々もいます。
商品購入の時点で利用できる決済方法の明記がなく、決済画面に来てからクレジットカードしか使えないと判明したときに、離脱してしまう人もいるのです。
決済が上手くいかない
決済完了前に、ネット上の突然のクラッシュやエラーで強制的にページが落ちてしまうことで、そのままサイトから離れてしまい、戻ってこない消費者がいます。
「どうしてもこの商品が欲しい」という心理が働かなければ、再度サイトを開きなおさせることを100%求めるのは難しいです。
返品ポリシーが信用できない
返品対応に関しては、明確な掲示をすることが大切です。
消費者の商品購入において、最も重要なことは「不安にさせない」です。
消費者が購入をためらうと考えられる要因は、自ら取り除いていきましょう。
ECサイトでカゴ落ち率を改善するための対策10個
カゴ落ち率を改善する対策は主に以下の10個です。
- 他サイトへの離脱前に確認メッセージを表示する
- 決済前に追加費用を明示する
- ECサイトの表示スピードやUIを改善する
- SSL証明書などで安全性を伝える
- Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消する
- カゴ落ち後にレコメンドやリマインドメールを送る
- 多くの決済手段に対応する
- 会員登録の手間を少なくする
- 返品や交換に関する条件を明確に表示する
- カゴ落ちが起こる理由を分析
カートに商品を入れた後、利用者がどの段階でカゴ落ちしているかを把握した上で、どの対策を講じるか検討してみましょう。
他サイトへの離脱前に確認メッセージを表示する
ECサイトを眺めているうちに、カートに商品が入っていることを単純に忘れてしまう購入者がいます。
確認メッセージを表示することは、カートに商品が入ったままであることを思い出させます。
また、離脱防止の役割を果たすだけでなく、購入者への優しさにも繋がります。
決済前に追加費用を明示する
購入時、商品以外にかかると予想できるコスト(消費税や送料など)は早めに伝えるようにしましょう。
購入者が決済に進んでから、想定以上の高額な値段により購入を中止・戸惑ってしまうことは、不快感の原因となります。
追加費用の送料がネックになっているのであれば、できるだけその部分の費用を安くする、あるいは「ついで買い」による売上アップを期待して、戦略的に送料をゼロにするといった対策を講じることも検討の余地があります。
金欠の学生などをターゲットにする場合は、より効果が期待できるのではないでしょうか。
ECサイトの表示スピードやUIを改善する
- UI(ユーザーインターフェイス)とはWebサイトやアプリをPCやスマホ、タブレットで閲覧した情報そのもののこと
- UX(ユーザーエクスペリエンス)とは人がモノやサービスに触れて得られる体験や経験のこと
ですが、UI/UXと2つまとめてECサイトやアプリの使い勝手を指します。
インターネット普及が当たり前の時代になってきましたが、誰もが上手く使いこなせているわけではありません。
手順の多さやページ遷移の複雑さは購入者が途中放棄することを導きかねないので、購入完了までの画面遷移を減らし、スムーズな購入ができるサイトを心掛けましょう。
UI/UXの強化方法としては、
- どこで購入者の離脱が起きているか確認する
- 一般ユーザーに利用してもらいフィードバックをもらう
などを行い、まずは具体的な改善点を見つけることです。
SSL証明書などで安全性を伝える
ECサイトは多くの媒体が運営しており、大規模なものから小規模なものまであります。
「万が一、決済してから商品が届かないのではないか」といった不安や個人情報入力に対する不信感を解消するために、購入者が「このサイトは信頼できる、安全だ」と思えることが必要です。
SSLサーバ証明書や常時SSL対応などといったショップの信頼性やセキュリティ対策について、目につくところに掲載しましょう。
Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消する
返品時の対応やサイズ感、再入荷の有無、利用可能なクレジットカード会社の種類など、ECサイトを利用する上で疑問を持つ購入者もいるでしょう。
その場合、途中で購入を辞めてしまう可能性が高まります。
そこで、Q&Aページやチャットボットを設置しスムーズに疑問を解消できれば、カゴ落ちの対策につなげることが出来るのです。
カゴ落ち後にレコメンドやリマインドメールを送る
一度ECサイトから離脱してしまった購入者に向けて、カートに注文していない商品が残っていることを、メールやメッセージにてお知らせします。
「あなたが過去に閲覧した商品」「お買い忘れではありませんか?」「カートに商品が残っています」といったタイトルで、購入手順の済んだところから再開できるリンクとともに送信することで再来訪・購入を狙うわけです。
また、ユーザー登録をしていない利用者にもこの施策を行えるよう、購入手続きの最初にメールアドレスだけ入力してもらい、あえて画面遷移して登録を済ませてしまう購入フローも用いられています。
これらによって、商品を買い忘れていた人を少しでも拾い上げることが出来るようになるのです。
多くの決済手段に対応する
カゴ落ちが起こる理由でも挙げたように、購入者に馴染みのある決済手段がないことは商品購入を妨げます。
様々な年代層が利用しやすいように、できるだけ多くの決済手段に対応することは大切です。
利用率の高いクレジットカードだけでなく、コンビニ決済やキャリア決済、後払い決済、近年主流にしていきたいといわれるID決済などの導入も考えましょう。
会員登録の手間を少なくする
商品を購入したいだけなのに、会員登録という更なる手間が増えることに面倒さを感じる人も少なくないでしょう。
会員登録の内容は最低限の必要事項入力に限り、すぐに終わるということを強調しましょう。
また、メルマガやステップメール、会員ランクの活用、クーポンを獲得できるといった会員登録をすることのメリットを最大限に伝えることも大切です。
返品や交換に関する条件を明確に表示する
やはり、購入者が気になるであろうポイントはいかに目立つ場所に配置するかが鍵となってきます。
今回で言えば、返品や交換に関する条件です。
返品可能期限や開封後の交換が可能か、送料負担に関してなど、具体的かつ分かりやすさのある明示が求められます。
カゴ落ちが起こる理由を分析
様々な対策を考える上で、どこで・どのくらいカゴ落ちしているか把握を行うことは大切なので、分析ツールを導入することをおススメします。
その1つとして、当サイトを運営するかっこ株式会社でも、ECサイトをはじめとする不正検知サービス「O-PLUX」を開発・提供しています。
これは、カゴ落ちを含む販売機会損失を防ぐことに繋がります。
カゴ落ちに悩まれている方、是非トライアルの活用をしてみてください。
また、不安に思う点があればいつでもご相談ください。
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まとめ
今回は、カゴ落ちとはどんなものであるか、カゴ落ちが起こる原因や対策についてご紹介しました。
~カゴ落ち率を改善するための10個の対策~
- 他サイトへの離脱前に、確認メッセージを表示する
- 決済前に追加費用を明示する
- ECサイトの表示スピードやUIを改善する
- SSL証明書などで安全性を伝える
- Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消する
- カゴ落ち後にレコメンドやリマインドメールを送る
- 多くの決済手段に対応する
- 会員登録の手間を少なくする
- 返品や交換に関する条件を明確に表示する
- カゴ落ちが起こる理由を分析
カゴ落ちの分析には、顧客の行動データの蓄積が必要です。
また、どこで・どのくらい離脱したのかを原因と共に把握することで、カゴ落ち率の改善や対策をより良く効率的に進めることが出来ます。
いかに購入者に優しいECサイトにできるかを念頭に置いて、各々にあった対策を講じていきましょう。