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標的型攻撃メールへの6つの対策|個人情報をサイバー攻撃から守る

標的型攻撃メール 対策

「標的型攻撃メールへの有効な対抗策って何なんだろう?」

標的型攻撃メールは電子メールを使って行われるサイバー攻撃の一種です。

特定の組織に特化して作成されているため見分けるのが困難で対策が難しいという特徴があります。

万が一、標的型攻撃メールのを開封してしまうと、情報漏洩やウイルス感染に繋がります。

本記事では、標的型攻撃メールの被害にあうのを予防したり、被害にあった時の損害を抑えるための対策を紹介します。

標的型攻撃メールとは

標的型攻撃メールとは、迷惑メールの一種で機密情報を盗み取ることを目的としたサイバー攻撃です。

メール内に記載されたリンクや添付ファイルを開くと情報漏洩やウイルス感染などを引き起こす原因になります。

標的型攻撃メールの特徴は、一般的な迷惑メールとは異なり、標的としている特定の組織に最適化した内容が書かれている点です。

標的型攻撃メールの見分け方や開いてしまった時に取るべき行動を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

あなたの会社の機密情報を盗み取ることが目的

標的型攻撃メールの目的は、あなたがいる企業や組織の機密情報を盗み取ることです。

そのため、標的型攻撃メールの主なターゲットは大企業や国家機関のような重要な機密情報を所持する組織です。

しかし、近年では中小企業を狙う標的型攻撃も増加しています。

巧妙に作成されているため見分けるのが難しい

標的型攻撃メールには、ターゲットとする組織に特化した内容が書かれています。

標的の組織についてよく研究した上で高い資金を投じて制作されたものが多く、非常に巧妙な文面が書かれています。

そのため、注意深く確認をしていても騙されて開封してしまう可能性が高いです。

標的型攻撃メール開封率

※参考:東京商工会議所

東京商工会議所が2022年に行った訓練用標的型攻撃メールを約100社(約800名)に送信して開封率を調べる実験を行いました。

その結果、送信された訓練用標的型攻撃メールのうち、12.2%が開封されてしまいました。

標的型攻撃メールへの6つの対策

標的型攻撃メールの特徴として、注意深く確認しても見抜くことができない場合も多いことをお伝えしました。

そのため、万が一標的型攻撃メールを開いてしまった場合に備えて、日ごろから対策を行っておくことは非常に重要です。

標的型攻撃メールへの対策として、以下のような手段があります。

  1. 標的型メールの訓練サービスを利用して疑似体験する
  2. フィルタリング機能を利用する
  3. ウイルス対策ソフトを利用する
  4. OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておく
  5. 定期的にサーバのログを取得する
  6. 特に重要な情報は隔離して保存しておく

順に解説します。

【対策1】標的型メールの訓練サービスを利用して疑似体験する

標的型攻撃メールへの対策として、標的型メールの訓練サービスを利用して疑似体験する方法が有効です。

様々な企業が標的型攻撃メール訓練サービスを提供しているため、機能や価格を比較して自社に適したサービスを利用すると良いでしょう。

標的型攻撃メール訓練を行う目的は、以下の2つです。

  • 標的型攻撃メールを見抜けるようにする
  • 危険を感じた時の対処方法を覚える

順に解説します。

目的① 標的型攻撃メールを見抜けるようにする

標的型攻撃メール訓練を行う目的は、標的型攻撃メールを見抜けるようにするためです。

訓練サービスを利用して、標的型攻撃メールを見抜くための確認事項をチェックする癖をつけることで、本物の攻撃メールに騙されるのを防ぎます。

また、メール中のリンクをクリックしない、添付ファイルを開封しない、などと適切な判断を覚えることができます。

目的② 危険を感じた時の対処方法を覚える

標的型攻撃メール訓練を行う目的は、危険を感じた時の対処方法を覚えるためです。

訓練メールを通じて、標的型攻撃メールを開いてしまった状態をシミュレーションすることで、その後の正しい対応を覚えることができます。

社員全員が速やかに正しい対応をとれる状態を保つことで、万が一の場合に被害を最小限に抑えることができます。

【対策2】フィルタリング機能を利用する

標的型攻撃メールへの対策として、フィルタリング機能を利用する方法があります。

良く作りこまれた標的型攻撃メールをフィルタリング機能で取り除くことは難しいですが、基本的な対策をおろそかにしてはいけません。

フィルタリング機能を適用することで、怪しい送信元のメールを受信しないようにすることができます。

【対策3】ウイルス対策ソフトを利用する

標的型攻撃メールへの対策として、ウイルス対策ソフトを利用する方法があります。

ウイルス検知ソフトを活用することで、メールに添付されたウイルスが既知のウイルスの場合に検知することができます。

また、多くのウイルス検知ソフトにはふるまい検知機能が搭載されているため、未知のウイルスへの対抗策にもなります。

ふるまい検知とは、プログラムの挙動を監視して不正な行為を行ったら検出する機能のことです。

【対策4】OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておく

標的型攻撃メールへの対策として、OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておくことが重要です。

OSやソフトウェアはアップデートによって、新たに発見された脆弱性を潰しています。

OSやソフトウェアを頻繁にアップデートすることで脆弱性を減らし、ウイルスに攻撃する隙を与えないようにしましょう。

【対策5】定期的にサーバのログを取得する

標的型攻撃メールへの対策として、定期的にサーバのログを取得することが重要です。

サーバのログは、万が一ウイルスに感染してしまった時に、システムを復旧するのに必要です。

最後に取ったログが数か月前などでは、システム復旧時にデータが消えてしまったり、復旧に失敗する可能性があります。

【対策6】特に重要な情報は隔離して保存しておく

標的型攻撃メールへの対策として、特に重要な情報は隔離して保存しておくことが重要です。

万が一、情報漏洩が発生してしまった場合に絶対に流出させていけない情報はネットワークから隔離して保存することで守ることができます。

ネットワークから隔離して保存するとは、インターネット接続ができない端末に保存したり、紙データのようなアナログな方法で保存することです。

サイバー攻撃によって情報漏洩をしてしまうと?

万が一、標的型攻撃を受けてしまった場合、組織は様々な側面から損害を受けてしまいます。

例えば、以下のような損害を受ける可能性があります。

  • 顧客データが流出して加害者側になってしまう
  • 独自の情報などを盗まれる
  • 社会的信用を失う

情報漏洩についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

顧客データが流出して加害者側になってしまう

攻撃を受けて情報漏洩してしまった場合、顧客データが流出して加害者側になってしまう危険性があります。

顧客は企業を信用して個人情報を渡しているにも関わらず、顧客データを流出させてしまうと、大勢の顧客に迷惑をかけてしまいます。

また、顧客の個人情報が漏洩してしまった場合、個人情報保護法に違反して損害賠償責任が発生する可能性が高く、経済的な損害にも繋がります。

独自の情報などを盗まれる

攻撃を受けて情報漏洩してしまった場合、社内の独自情報を盗まれてしまう危険性があります。

独自技術を盗まれてしまうと、優位性を失ってライバル企業に差をつけられたり、通常通りにビジネスが実施できなくなるなどして、売上低下の原因になります。

また、未発表の情報をリークされて販売活動に悪影響を与えることもあります。

社会的信用を失う

攻撃を受けて情報漏洩してしまった場合、社会的信用を失ってしまう危険性があります。

情報漏洩の発生をニュースで報道されてしまうと、社会的に信用できない企業だというイメージを持たれてしまいます。

一度でも信用を失ってしまうと、新規顧客の獲得が困難になったり、契約を解除されてしまう原因になります。

また、印象を回復させるのも非常に難しいです。

万が一、情報漏洩が発生した場合に備えて、こちらの資料もご確認ください。

\不正発覚した時に企業としてどう対応しますか?/

まとめ

本記事では、標的型攻撃メールに対して有効な対策方法を紹介しました。

標的型攻撃メールには、

  • 標的型メールの訓練サービスを利用して疑似体験する
  • フィルタリング機能を利用する
  • ウイルス対策ソフトを利用する
  • OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておく
  • 定期的にサーバのログを取得する
  • 特に重要な情報は隔離して保存しておく

することで、被害にあうのを予防したり、被害にあった時の損害を抑えることができます。

標的型攻撃メールの見分け方や開いてしまった時に取るべき行動を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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