「ECサイト(ネット通販)を作るうえで注意することってなに?」
「ECサイト(ネット通販)の運営って難しいの?」
と、お考えではないですか?
そのようなECサイト(ネット通販)をこれから運用する方、そして運用を始めたばかりの方に向けて注意点を解説していきます。
- ECの基本的な種類と動向
- ECサイトを失敗する原因と注意点
- ECサイト運営のポイント
ぜひこの記事を読んでECサイト運営の注意点を理解しておきましょう。
そもそもECサイトとは?
ECサイトとは、簡単に言うと商品をオンライン上で売買できるWebサイト上のプラットフォームのことです。
いわゆる楽天やAmazonなどのネットショップから、「お取り寄せ」や個人間取引など、さまざまな商品がWeb上で取引されています。
ECとは「Electronic Commerce」の略で、日本語では電子商取引といいます。同時に「eコマース」と呼ばれることもあります。
ECサイトは7種類に分けることができる
ECサイトは大きく7種類に分けられます。
ここでは、ビジネスモデルの観点から以下7つの種類を紹介します。
種類 | 特徴 | |
---|---|---|
BtoB | 企業間ECサイト | 企業間の調達などに用いられる |
CtoC | 個人間マーケットプレイス | 消費者同士の取引を行う方法で、フリマアプリなどが有名 |
DtoC | DtoC型ECサイト | 小売店や仲卸を通さずメーカーが自社ECサイトを通して直接消費者に販売する(直販) |
BtoC | ショッピングモール型ECサイト | Amazonや楽天、Yahooショッピングなどのマーケットプレイスに出店する形で商品を販売する |
BtoC型ECサイト | 独自で構築したECサイト | |
オムニチャネル型ECサイト | ECサイト、メールやアプリ、SNS、店頭販売などさまざまな方法で消費者との接点を増やす | |
越境ECサイト | 海外向け(主に中国や米国)に販売を行う |
「誰が」取引を行うかにより4種類に分けることができます。そしてその中でさまざまな種類に分けることができます。
今回は代表的な7種類を紹介しましたが、ECサイトは他にも存在します。
実際にECサイトを構築・運用する際は、ビジネスモデルに合わせた選択が重要です。
上記表で「BtoB」や「BtoC」などの言葉を使っていますが、これらの大文字はそれぞれ以下の単語の頭文字を意味しています。
・B (Business):企業
・C (Consumer):消費者
・D (Direct):直接取引
つまり、「BtoB」は企業と企業との取引を、「BtoC」は企業(主に卸業者と小売店)と消費者との取引、「DtoC」はメーカーと消費者が直接取引することを表します。
ECサイトは市場規模が年々拡大している
昨今、コロナ禍での外出自粛、非接触の風潮が追い風となりECサイトの市場規模は増加傾向にあります。
BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
出典:経済産業省
これまでは対面での商取引が中心でしたが、多くの取引がECへと移行する中でEC導入の必要性が増加しています。
ECサイトを自社で構築・成功したい場合、注意点を踏まえて作ること・失敗事例から学ぶことが重要です。
そこでここからはECサイトの失敗の原因についてご紹介します。
ECサイト運営を失敗する7つの例
ECの需要が高まり、多くの企業がECサイトを立ち上げていますが、失敗するケースも多く存在します。
ここでは以下3つの失敗例に合わせて、それぞれの原因をご紹介していきます。
■ECサイトの失敗例7つ
- 商品が売れない
- UI/UX設計の失敗
- 運営体制が整っていない
- 発送の体制ができていない
- 商品管理ができていない
- 顧客管理・対応ができていない
- 不正注文への対策ができていない
それでは、それぞれ説明していきます。
失敗例1. 商品が売れない
ECサイトの1番の失敗例は商品が売れないことです。
つまり「売上が発生しない」ということで、ECサイトの立ち上げや仕入れに要した費用や時間の回収が難しくなります。
この原因が以下の2つです。
- 商品力の不足
- マーケティング不足
仮に扱っている商材が需要があるモノでも、集客ができないなどが原因で商品が売れないことがあります。
これは後ほど「ECサイト運営の失敗の原因5つ」の章で詳しく解説しています。
失敗例2. UI/UX設計の失敗
次に失敗の原因としてUI/UX設計の失敗が挙げられます。
ECサイトを使う際に、画像が見えづらかったり、商品の購入まで辿り着きづらいなどのように使いづらいECサイトだと、購入者は購買意欲を失くしてそのECサイトからの離脱や、カゴ落ちにつながります。
ECサイト利用者のことを考えて”カゴ落ち”などさせない、使いやすいサイト設計を目指しましょう。
失敗例3. 運営体制が整っていない
3つ目は、運営体制が整っていないことです。
「運営体制が整っていない」とは、商品が売れる/売れないは別として、業務に遅延が発生する人員で運営していることを指します。
この原因は
- 1人で運営している
- 粗利を考えて少人数で運営しようとしている
- 採用ができていない
- 人材育成ができていない
などが考えられます。
業務に遅延が起こると、ユーザーからのクレームに繋がったり、社内が健全な環境ではなくなる恐れがあるので注意しましょう。
失敗例4. 発送の体制ができていない
4つ目は、発送の体制ができていないことです。
3つ目の「運営体制が整っていない」ことも繋がっていて、「人がいないから発送まで時間がかかる」ということになります。
せっかく商品を買ってもらっても、すぐに届かないなど購入者側で不満が募ると、リピートもされず売上が発生しない状況になってしまいます。
ECサイトの運営では、それぞれのフェーズに合わせた形での商品の発送に対応できるようにしておかなくてはなりません。
失敗例5. 商品管理ができていない
これも3つ目と繋がっている失敗の原因で、商品管理ができていないことです。
例えば、商材の品質劣化・商品保管スペースの不足・ナンバリングができていないなどのようなことです。
商品管理の不備は、サービス品質や法律に関わる重大な問題につながる可能性があるので注意しましょう。
失敗例6. 顧客管理・対応ができていない
6つ目は、顧客管理・対応不足が挙げられます。
これは商品を購入した既存顧客へのアフターサービスの不足や、クレームの対応の不足ということです。
顧客管理・対応ができていないと、ブランド毀損やこれまで積み上げてきた企業へのロイヤリティの消失につながります。
また、発生したクレームに対応するだけでなく、問題発生時のマニュアル作成などのリスクマネジメントに取り組むことも重要です。
失敗例7. 不正注文への対策ができていない
ECサイトでは多くの不正注文が発生する可能性があります。
不正注文の中でも「第三者のなりすまし」によるケースが多く、特にクレジットカードの不正利用での不正注文が多くなりやすいです。
商品の発送後に不正注文が発覚した場合は、クレジットカード会社への返金が必要になるだけでなく、商品も戻ってこない場合が多く、自社の損失は大きくなります。
ECサイト運営の失敗の原因3つ
上記でお伝えした、Ecサイト運営の失敗には原因があります。
それは大きく以下の3つです。
- 商材選定
- マーケティング不足
- 業務環境の問題
それぞれ解説していきます。
原因1. 商材選定
ECサイト運営の失敗の原因としてまず、商材選定のミス、商品力が足りていないことが挙げられます。
これは、ECサイトのターゲット層や、そもそも市場全体に求められていない商品を取り扱っているということです。
改めてターゲット層のニーズやトレンドを整理することで、どのような商品が求められているのかを検討しましょう。
【補足】売れる商材の選び方
- 顧客のターゲット層を考える
- 売れやすい商品を選ぶ
- トレンド性のある商品を選ぶ
- オリジナリティがある商品を選ぶ
原因2. マーケティング不足
次に、マーケティング不足が挙げられます。
マーケティングとは集客を意味する言葉で、商品を売るために戦略作成・宣伝・企画などをすることです。
これができないと、競合が多くいる中で自社のECサイトに訪れるユーザーを増やすことができないため、商品の購入・売上につながりません。
マーケティングにはさまざまな手法が存在します。広告やメール配信、オウンドメディアなど、予算規模やご自身の目標をもとにふさわしい手法を選択するようにしましょう。
原因3. 業務環境の問題
最後は、人手が足りないなどの業務環境の問題が挙げられます。
人手が足りない・採用、教育が上手くいかない=運営体制が整っていないことは、仕事ができる人に業務が偏ってしまったり、商品の管理不足などに繋がってしまいます。
つまり、1人や粗利にばかりが目が行っている少人数での運営はおすすめしない、ということです。
結局対応が後手に回って、せっかく立ち上げたECサイトの運営を失敗してしまうと、モチベーションの低下・機会の損失になります。
以下からは、ECサイトの失敗とその原因からECサイト運営の注意点をお伝えします。
ECサイトの失敗からみる4つの注意点
ここからは、ECサイトの失敗とその原因を踏まえて、ECサイトを運営する上での注意点について説明します。
- 最初は売れなくても諦めずに努力する
- 運営体制を整える
- 対象となる顧客層をはっきりとさせておく
- 不正注文対策をする
それでは詳しく見ていきましょう。
注意点1. 最初は売れなくても諦めずに努力する
1つ目の注意点は「最初は売れなくても諦めずに努力する」ことです。
ECサイトをこれから立ち上げる場合、ECサイトの知名度が低いだけでなく、固定客・リピーターが存在しません。
そのためECサイトの立ち上げ初期は売上等の数字も小さく、ECサイトの伸びを実感することが難しいでしょう。
しかし、正しい方法で行動を重ねていれば結果は出てくるので、諦めずに努力することが大切です。
※この後に紹介する「ECサイト運営の4つのポイント」も参考にしてみてください。
注意点2. 運営体制を整える
2つ目の注意点は、運営体制を整えることです。
採用や人材教育をして、複数人数でのECサイト運営をしていきましょう。
そうでないと、商品が劣化してしまったり、発送に手間取ることでクレームの発生やブランドイメージの低下につながります。
特に体制を整えるべき運営は、仕入れ~商品の発送の運営です。
商品の仕入れから発送までのおおまかな流れは以下です。
- 仕入れ・検品
- 保管
- ピッキング・検品
- 梱包
- 発送
それぞれの段階で「誰が」「何を」「いつ」担当するのかについて発送の手順について固めることが重要になります。
具体的には、入荷商品のナンバリング規則や、保管場所、そして発送までの期日や発送方法の自動化(オートメーション化)を進めることが効率的な発送につながります。
注意点3. 対象となる顧客層をはっきりとさせておく
3つ目の注意点は、対象となる顧客層をはっきりとさせておくことです。
つまり、ECサイトで狙うターゲット(顧客層)を固めるということです。
そうすればマーケティングをする際に、効率的に・最速で・大きな成果を生みやすいです。
どんなに優れたマーケティング手法や莫大な金額の広告を運用しても、対象となる顧客層を見誤っていた場合は結果にはつながりません。
さまざまなフレームワークを用いて対象となる顧客層や、その顧客層の購買力について検討するようにしましょう。
【補足】有効なフレームワーク
顧客層を明らかにするフレームワークとして「ペルソナ分析」と「N1分析」があります。
それぞれの特性を理解した上で、ECサイトの段階・特徴に合わせて選択するようにしましょう。
注意点4. 不正注文対策をする
最後は不正注文への対策をすることです。
注意点2で紹介したように最初は不正注文の確認は人力・目視で良いでしょう。
しかし、注文が悪質になる・増えてくる場合もあり、人力・目視の確認では太刀打ちできない状態になります。
そうすると、またEC運営の失敗となる原因を掘り起こしてしまうので、その際は不正検知システムの導入を検討しましょう。
不正検知システムは、自動で複数の注文を正規注文か不正注文かを瞬時に見抜きます。
ECサイト運営のはじめのころは、不正な注文は少なく、早く売上を発生させることに一直線になります。また、ツールを入れるよりもコスパが良い人力での方法を考えることが多いです。
しかし、被害が起こってからだと不正者に狙われやすく、売上が伸びた後や商材を増やした後にも不正な注文をされ、利益に影響することになります。
ですから、はじめは安くて不正検知の精度が高いシステムを使ってみることをおすすめします。
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不正検知システムは、不正利用のパターンや購入者の情報・配送先情報などを活用して、リスクの高い取引を検知・判定することができます。
商品の発送後に不正注文が発覚した場合に生じる、チャージバックによる売上や商品の損失を未然に防ぐ効果が期待されます。
ECサイト運営の4つのポイント
ここからは、これまで解説した失敗とその原因を踏まえて、ECサイトを運営する上で意識するべき以下4つのポイントをご紹介します。
- ネットショップの運営についてよく理解する
- ショップのコンセプトや売る商材について決める
- 物流業務の効率化に取り組む
- 不正者への対策をする
それでは詳しく見ていきましょう。
ネットショップ運営についてよく理解する
まず一つ目のポイントとして「ネットショップ運営についてよく理解する」ことです。
ECサイトは、店舗での販売と同じ点や異なる点があり、ネットショップならではの運営について理解することが重要です。
立ち上げ期は、まず売上を立てることを目標にしましょう。
ECサイトにおける「売上」は以下のように分解することができます。
ここからは分解した要素について以下のポイントをご紹介します。
- サイトの訪問者を増やす
- 購入率を高める
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
サイトの訪問者を増やす
まず、売上の最大化のためのポイントとしてサイトの訪問者を増やすことです。
どんなにお金をかけてECサイトを構築したり、いい商品を取り扱っていても訪問者がいないと売り上げにつながりません。
ECサイトの運営において、代表的なマーケティング手法として以下が考えられます。
- SNS運営
- 広告配信
- メール・SMS配信
それぞれの手法の中でも、さまざまな施策が存在します。
自身が運営するECサイトに合わせて、それぞれの手法のメリットデメリットを踏まえた上で活用するようにしましょう。
購入率を高める
次に、売り上げの最大化のためのポイントとして訪問者の購入率を高めることが挙げられます。
たくさんの訪問者がいても、買いづらいECサイトであれば売り上げにつながりません。
具体的には以下の手法が考えられます。
- UI/UXの改善
- チャットボットなどの導入
特に、購入意思が固まったユーザーの離脱(カゴ落ち)を防ぐことが売り上げにつながります。
以下記事でカゴ落ちについて詳しく説明しています。ぜひご一読ください。
ショップのコンセプトや売る商材について決める
2つ目のポイントとして「ショップのコンセプトや売る商材について決める」ことです。
ショップのコンセプトは、今後ECサイトを運営していく上で判断の基準になる最も重要なものです。
コンセプトが明瞭であれば、ECサイトに統一感が出るだけでなく、競合サイトとの差別化にもつながります。
コンセプトを決める際には以下の手順で決めることがおすすめです。
- コンセプトキーワードを決める
- ECサイトで狙うターゲット層を決める
- サイトのUI/UXを決める
- ECサイトで取り扱う商材を決める
まず、おおまかな方向となるキーワードを考えた上で、ターゲット、そのターゲットにそぐうサイトUI/UXを決めるようにしましょう。
そしてターゲットやサイトに合致するような商材を決めてみましょう。
物流業務の効率化に取り組む
まず費用最小化のためのポイントとして物流業務の効率化が挙げられます。
EC事業者は以下の流れに沿って商品を扱います。
- 仕入れ・検品
- 保管
- ピッキング・検品
- 梱包
- 発送
過剰在庫やオペレーションのミスが発生すると、返品対応の必要やレビュー評価の悪化などさまざまなコストがかかります。
具体的な手法として以下が挙げられます。
- 作業のシステム化
- 作業のアウトソーシング(外注)
つまり、1番ミスが起こりやすい人の手での作業をなるべく減らすことが重要です。
それぞれの段階において業務を効率化することで、無駄な時間やコストを省くことができます。
発送処理については詳しく以下記事で解説しています。
不正注文対策を行う
次に、費用最小化のためのポイントとして不正注文への対策が挙げられます。
ECサイトを運営していると、ほとんどの確立で不正注文が発生します。
その不正注文取引をスルーしてしまうと、「商品を発送したけど売り上げが発生しない」「間違って空き住所に商品を送ってしまった」などという事態を引き起こします。
もし、人力・目視での監視が難しいと思う場合は不正検知システムを利用してみましょう。
不正検知システムは、先ほどもお伝えしたように怪しい注文の監視業務を自動化するシステムです。
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まとめ
本記事では、ECサイトの構築・運営の際の注意点について解説しました。
まとめると以下のようになります。
- 代表的なECサイトは7種類に分けられ、取引の主体や種類などさまざま存在する。
- ECサイトを運営する際は失敗例を参考にする、工夫することが重要。
■ECサイトの失敗例7つ
- 商品が売れない
- UI/UX設計の失敗
- 運営体制が整っていない
- 発送の体制ができていない
- 商品管理ができていない
- 顧客管理・対応ができていない
- 不正注文への対策ができていない
■ECサイト運営のポイント4つ
- ネットショップの運営についてよく理解する
- ショップのコンセプトや売る商材について決める
- 物流業務の効率化に取り組む
- 不正者への対策をする
ECサイトの構築・運営では、設計からそれぞれ必要な業務、商材選びと業務の幅は多岐にわたります。
また、不正注文が発生すると売上と商品の両者とも損失することになります。
健全なECサイト運営を目指して、ECからの売上拡大をしていきましょう。