「Shopify」は、国内だけでなく海外での人気も高いECプラットフォームです。
簡単にECショップを開設できるため、個人から大企業のショップまで幅広く展開されています。
しかし、ここ数年クレジットカードの不正使用が増加するとともに、チャージバック対応(顧客へ返金すること)も増え、EC事業者様の間で問題になっています。
それを踏まえて本記事では、下記の内容をまとめました。
- Shopifyでのチャージバックとは?
- Shopifyでのチャージバックを処理する方法と流れ
- Shopifyでの悪質なチャージバックを防ぐ方法
自社の損失を少なくするためにも、Shopify でのチャージバックについて理解を深めましょう。
Shopifyでのチャージバック対応を今すぐ知りたい方は「Shopifyでのチャージバックを処理する3つの方法!パターン別に解説」をご覧ください。
なお、不正検知ソフト導入実績No1(※)の「O-PLUX」は、Shopifyと連携しています。
「O-PLUX」は、データサイエンスを活用した独自の審査ロジックにより、チャージバックや転売につながる不正な注文をリアルタイムで検知することが可能です。
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目次
Shopifyでのチャージバックとは?手数料についても解説
Shopifyでのチャージバックとは、Shopifyに出店しているECショップで買い物をしたユーザーが決済に同意しない場合に、クレジットカード会社が売上を取り消してユーザーに返金する仕組みのことです。
Shopifyでチャージバックが起こる原因には、下表のようなものがあります。
チャージバックの原因 | 理由(例) |
---|---|
ショップ側に原因がある場合 |
|
ユーザー側に原因がある場合 | 家族や友人などが勝手にShopify内の店舗で購入した |
悪用者による詐欺が原因の場合 | クレジットカード情報が漏洩し、悪用者に不正利用された |
チャージバックが起こると、ショップには次のような被害が発生するおそれがあります。
- 売上が取り消される
- 悪用者による詐欺の場合、商品が戻ってこないことがある
さらに、チャージバックには手数料の支払いが必要です。
Shopifyでは国や地域ごとにチャージバック手数料が決められており、日本では1,300円のチャージバック手数料がEC事業者様に求められます(2023年10月時点)。
チャージバックによる損失は大きく、自社の経営にも影響を及ぼすおそれがあるため、事前の対策が必要です。
チャージバックの概要や仕組みを詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
クレジットカード決済とチャージバックの関係性については、下記の記事で紹介しています。
Shopifyでのチャージバックを処理する3つの方法!パターン別に解説
Shopifyでユーザーからチャージバックを申請された場合、 店舗側は下記の3つのような方法で対処します。
- チャージバックを受け入れ、顧客へ返金する
- ユーザーと交渉し、同意の上でチャージバックを解除する
- 追加証拠を準備して不正を明らかにし、代金請求の有効性を証明する
対処法を、詳しく見ていきましょう。
【パターン1】チャージバックを受け入れ、顧客に返金する
ショップ側に問題がある場合は、チャージバック申請を受け入れてユーザーに返金します。
申請を受け入れて返金するには、下記のような方法をとるのが理想的です。
- チャージバックの事実確認の回答要請に対し、チャージバックを認める(チャージバックの反証をしない)
- 全額払い戻し対応する
先ほども述べましたが、チャージバックをする際は、商品代金のほかにチャージバック処理手数料1,300円を負担する必要があります。
【パターン2】ユーザーと交渉し、同意の上でチャージバックを解除する
ユーザーと直接コンタクトをとり、双方が同意すれば、チャージバックを解除できます。
Shopifyでは、管理画面から個別にユーザーへメールを送信することが可能です。
その際、ショップ側はユーザーに対してチャージバックをするに至った経緯などの事実確認をしましょう。
ショップ側から商品交換や返金などの代替案を提案し、ユーザーが受け入れればチャージバックを取り下げてもらえます。
その場合、ユーザーに下記のような「取り下げ証明書」を作成してもらわなければなりません。
【証明書の記載内容】
- ユーザーの意思
- 該当金額
- 取引実行日
- 利用カードの発行会社名
- カード番号の下4桁
- ユーザーの署名・捺印
チャージバック対応をするより、チャージバック解除したほうが自社のメリットが大きい場合、上記の手続きをとってみてください。
【パターン3】追加証拠を準備して不正を明らかにし、代金請求の有効性を証明する
チャージバックの中には、悪意を持って申請しているものも含まれています。
チャージバック申請が「不正・不適切」だった場合、代金請求の有効性を主張できる場合があります。(チャージバックの反証)
チャージバックを反証するには下記のような追加証拠を集め、カード会社ごとの回答期限内に提示しなければなりません。
【チャージバックの反証に必要な証拠】
- クレジットカード会員の詳細
- 注文者名と配送先住所
- 支払い方法と購入時のIPアドレス
- 購入品の詳細と注文日時
- 加盟店情報(店舗名、URLなど)
- 商品の配送履歴(顧客が受け取ったかどうか)
購入者が商品を受け取ったことが証明できれば、チャージバックが撤回される可能性が高まります。
しかし、チャージバックの反証には証拠の用意だけでなく書類を英訳したり、利用者とのコンタクト履歴をさかのぼったりと、煩雑な作業を行わなければなりません。
カード会社が調査する期間も2か月以上かかることもあり、日々の業務を行いながらチャージバック対応をする事業者様の負担は多大です。
チャージバックの反証にかかる労力を考えると、チャージバック対応の原因になる不正購入を事前に防いだ方が負担も軽くすみます。
不正購入を事前に防ぐ方法については、後ほど「Shopifyでの悪質なチャージバックを防ぐ2つの方法」で解説します。
次の記事では、チャージバックを反証する際に必要な事項や注意点を解説していますので、ご参照ください。
Shopifyでのチャージバックを対処する流れ
本章では、チャージバックを受け入れた場合の流れを説明します。Shopifyでのチャージバックは、次のような流れで行われます。
【チャージバックの流れ】
- カード所有者がカード会社(または銀行)に異議申し立て
- カード会社が商品代金と処理手数料1,300円を販売者(加盟店)から徴収
- カード会社が販売者に、決済の有効性について回答リクエスト
- 販売者が回答する
- 販売者の回答を元にカード会社がチャージバックを審査(65日~75日程)
- カード会社がチャージバックを解決
※参照:「Shopify」
チャージバックが無効になれば、商品代金が販売者に返金され、Shopifyから手数料も戻されます。
しかし、有効の場合は商品代金も手数料も戻ってきません。
チャージバックによる損失を少しでも抑えたい場合、チャージバック保険を導入する方法もあります。
月額利用料を支払う必要がありますが、1ヵ月あたりの補償金額が設定されており、その範囲内でチャージバックに対する金額が補填されます。
チャージバックの保険について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
Shopifyでの悪質なチャージバックを防ぐ2つの方法
「Shopifyでのチャージバックが起こる原因」でも説明しましたが、悪用者による不正注文が原因でチャージバックが起こることがあります。
ここでは、悪用者の不正注文によるチャージバックを防ぐ方法を、2つ紹介します。
- Shopifyの不正解析機能を利用する
- 不正注文検知サービスを導入する
自社の損失を減らすためにも、理解しておきましょう。
【方法1】Shopifyの不正解析機能を利用する
Shopifyには、不正購入者によるチャージバックを未然に防ぐ機能が備えられています。
不正解析機能が装備されており、不正対策アプリも使用できます。
- 不正解析インジケーター:決済に使われたカードの住所確認、IPアドレスの詳細、顧客のカード利用履歴などをスキャニングできるため、疑わしい注文に注意できる
- Shopifyの不正防止アプリ:「O-PLUX」は、特定の条件の注文をフィルタリングしてフラグをつけたり、特定客からの不正注文をブロックできるアプリ
不正防止アプリは無料で使用できるため、インストールして活用しましょう。
また、Shopifyの不正注文に関しては、こちらの記事でも解説していますので、ご参照ください。
【方法2】不正注文検知サービスを導入する
Shopifyでも不正を防止する対策はありますが、悪用者による不正は年々増えており、すべての不正を防ぐのは難しくなっています。
※引用:「クレジットカード不正利用被害実態調査|一般社団法人日本クレジットカード協会」
今四半期のクレジットカード不正利用被害額は、前年度の同じ時期と比較して16.1%も増加していると公表されました。
悪用者は新しい技術や手口で不正を巧妙に仕掛けてくるため、個人で全てを防ぐのは難しくなっています。
そこで、最新の不正を防ぐ方法としておすすめしたいのが、不正注文検知サービスの導入です。
かっこ株式会社では、Shopifyと不正注文検知サービス「O-PLUX」を連携させた最新の不正にも対応できるサービスを提供しています。
「O-PLUX」とは、データサイエンスを活用した独自の審査ロジックで、不正な購入を注文時に検知し、クレジットカードのなりすまし注文や後払い未払い等の不正被害を防止するサービスです。
また、購入者が注文した際の審査業務を自動化できるため、効率よく不正の防止対策を行えます。
Shopifyのアプリストアから「O-PLUX」をインストールするだけで、簡単に不正対策を実施できるため、導入の手間をかけないのもポイントです。
システム開発や不正対策にかける時間やコストをカットし、手軽に不正対策をしたい方は、下記から詳細をご確認ください。
Shopifyのチャージバックについてよくある3つの質問
最後に、Shopifyのチャージバックについてのよくある質問をまとめました。
- Shopifyでチャージバックが発生した場合の補償はあるの?
- チャージバック保険に入っていれば安心?
- チャージバックを運営企業は拒否できる?
事前に知っておけばチャージバックが起きても慌てず対処できるので、ぜひご覧ください。
【質問1】Shopifyでチャージバックが発生した場合の補償はあるの?
チャージバックが発生しても、Shopifyによる補償はありません。
「Shopifyペイメント規約」や「公式ホームページ」には、次のように示されています。
当社は、チャージバックに関する異議申立てにおける当社の役割または支援について一切責任を負いません。
Shopifyはチャージバックの結果に関する決定には関わりません。
※引用:「チャージバックと問い合わせ」
このことから、チャージバック審査を行うのはカード会社であり、Shopifyは関与しない立場であることがわかります。
自社の損失を減らすためにも、チャージバックを防ぐ仕組みの導入が重要です。
下記の記事では、クレジットカード決済とチャージバックの関係性やチャージバックによる企業への影響について紹介していますので、ご参照ください。
【質問2】チャージバック保険に入っていれば安心?
チャージバック保険は、不正購入によるチャージバック損失分を保険会社や決済代行会社が補填してくれますが、安心とは言いきれません。
なぜなら、チャージバックを補填してくれる金額には限度額が決められているからです。
さらに、毎月の保険料の支払いがあるため、少額商品を販売しているECショップでは、保険料が負担になるおそれがあります。
チャージバック保険は、月額3,000円以上の保険料で月100万円ほどのチャージバックを補填する商品が多いです。
しかし、本人認証サービス(3Dセキュア)導入などの条件があり金額が変わることもあるので、チャージバック保険の検討だけでなくEC不正を防ぐ専門的な対策も必要です。
チャージバック保険の詳細は下記の記事をご一読ください。
【質問3】チャージバックを運営企業は拒否できる?
カード所有者からのチャージバック申請が「不当」であると証明できれば、チャージバックを拒否できる場合があります。
しかし、「不正者の非」を立証するには過去にさかのぼって複数の証拠を探す必要があり、対応工数がかかります。
また、証拠を準備しても必ず不正が立証されるとは限りません。
チャージバックされた後の対策はもちろん、チャージバックされないための予防策をたてるほうが、長期的にみた際の被害を少なくできる可能性があります。
下記の記事では不正なチャージバックを防ぐ対策について紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ:チャージバック損失を減らすには不正注文対策が鍵
Shopifyでの、チャージバック対応の流れについてご紹介しました。
ここで、チャージバック申請をされた場合の流れをおさらいします。
- カード所有者がカード会社(または銀行)に異議申し立て
- カード会社が商品代金と処理手数料の1,300円を販売者(加盟店)から徴収
- カード会社が販売者に、決済の有効性について回答リクエスト
- 販売者が回答する
- 販売者の回答を元にカード会社がチャージバックを審査(要65~75日)
- カード会社がチャージバックを解決
※Shopifyペイメント利用者は管理画面でやり取り可能
ECサイトを運営するうえでチャージバック対応は避けて通れません。
だからこそ、不正購入を未然に防ぐ対策が必須なのです。