ECサイトにはさまざまな決済手段があり、お客様の支払い方法は多様化しています。
いくら集客できても、自社サイトに希望するEC決済手段がないと顧客離れが進むかもしれません。
多様な決済手段を導入して顧客ニーズを満たせるかが、他社との差をつける鍵になると言えます。
そこで本記事では、下記の内容をまとめました。
- ECサイトに導入できる決済手段の種類
- 決済手段のメリット・デメリット
- 決済手段の選び方
ニーズに対応した決済手段を導入して、カゴ落ちの防止や顧客満足度の向上につなげたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
なお、次の記事では「決済」そのものの意味や代表的な決済の種類などを解説しています。決済の基本からおさらいしたい方は、あわせてご参照ください。
目次
希望する決済手段がECサイトにないと顧客離れが加速する
SB Payment Serviceの調査によると、物販サイトによく利用する決済手段がない場合、60%以上が「別のサイトで同じ商品を探して購入する」と回答したそうです。
ECサイトは複数のサイトで同じ商品を扱うことが多く、わざわざ別の決済方法を利用してまで購入するお客様は少ない傾向にあります。
また、希望する決済手段がないと、お客様の印象が悪くなる恐れもあるので注意が必要です。
ECサイトでの顧客離れを予防したい場合、下記2つの対処法が効果的です。
【ECサイトで顧客離れを予防する対処法2選】
- 複数の決済手段を提供する
- 決済までの過程を簡単にする
複数の決済手段があるとさまざまなニーズに対応できるようになり、顧客離れの防止につながります。
また、不測の事態により一つの決済手段が使用できなくても、他の決済手段で対応できれば、その方法で購入してもらえる可能性が高まります。
ただし、希望する決済手段があった場合でも、決済までの過程が複雑だと購入を諦めてしまうお客様も多いため、決済までの過程は簡単にすることが重要です。
【決済までの過程を簡単にする方法(一例)】
たとえば、ID決済によるAmazon・楽天などの外部サイトとの連携は次のようなメリットがあります。
- 新たにアカウントを作らなくてもいい
- 外部サイトの決済方法がそのまま使える
- 外部サイトの情報がそのまま使えるので、購入までの過程が簡単になる
外部サイトの情報がそのまま使えることにより、個人情報や決済情報の入力の必要がなくなるので、お客様は煩わしさを感じることなく決済ができるのです。
決済手段を多く用意しているにもかかわらず顧客離れが多い場合は、決済までの過程を見直してみましょう。
ECサイトに導入できる主な8つの決済手段|メリット・デメリット
本章では、ECサイトに導入できる決済手段を8つ紹介します。
決済手段 | 概要 |
---|---|
クレジットカード決済 | クレジットカードを利用した決済手段 |
代金引換 | 商品やサービスの受け取りと引き換えに代金を支払う決済手段 |
後払い決済 | 利用者が商品やサービスを受け取った後に支払う決済手段 |
コンビニ決済 | ECサイトで購入した商品の代金をコンビニで支払う決済手段 |
電子マネー決済 | 現金をチャージして電子マネー化した決済手段 |
キャリア決済 | 携帯電話の利用料金と一緒に代金を支払う手段 |
銀行振込 | EC事業者が指定した金融機関の口座に代金を振り込む決済手段 |
ID決済 | Amazon・楽天のような外部サービスのID・パスワードを利用した決済手段 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【決済手段1】クレジットカード決済
クレジットカード決済は、お客様が商品やサービスを購入する時に、カード情報を利用して支払う仕組みです。ECサイトや実店舗で多くのお客様が利用しています。
決済手段 | クレジットカード決済 |
---|---|
概要 | クレジットカードを利用した決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ただし、クレジットカード決済は、不正使用されることによるチャージバックや信頼の低下などのリスクもあるため、十分な対策が必要です。
当サイトでは、カード不正の傾向と対策がわかるお役立ち資料を無料配布していますので、詳しく知りたい方は下記からダウンロードしてご活用ください。
【決済手段2】代金引換
代金引換は、お客様が商品やサービスを注文したあと、実際に受け取る時に代金を支払う方法です。
商品やサービスを確認してから代金を支払うため、お客様が安心して購入しやすい仕組みと言えます。
決済手段 | 代金引換 |
---|---|
概要 | 商品やサービスの受け取りと引き換えに代金を支払う決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
代金引換は、長期不在の返送や受け取り拒否などのデメリットもあるため、お客様のニーズに合わせて利用するといいでしょう。
代金受け取り拒否によるリスクと対策については、下記の記事もあわせてご覧ください。
【決済手段3】後払い決済
後払い決済は、お客様が商品やサービスを受け取ったあと、送られてきた請求書や払込票などを利用して代金を支払う方法です。
クレジットカードを利用できない方や若年層を中心に、後払い決済の利用は増加しています。
決済手段 | 後払い決済 |
---|---|
概要 | 利用者が商品やサービスを受け取ったあとに支払う決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
後払い決済の最大のデメリットは、代金を支払ってもらえない「未回収リスク」です。
単純に支払い手続きを忘れていたパターンだけではなく、悪質な顧客では最初から支払うつもりがないパターンもあります。
「自社のECサイトで後払い決済を導入したい」「後払い決済システムはどれを選べばいい?」などとお考えであれば、まずは弊社にご相談ください。
相談費用・仲介手数料などは一切無料で相談できます。
\後払い決済システム導入検討・選定で迷っている方を無料サポート!/
後払い未払い発生時の対策が知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
また、後払い決済の概要や仕組みを詳しく知りたい方は、次の記事をチェックしてみてください。
【決済手段4】コンビニ決済
コンビニ決済は、振込用紙を利用して商品やサービスの代金をコンビニで支払う仕組みです。
コンビニの利便性を活用した支払い方法のため、コンビニをよく利用する方やクレジットカードを所有していない方などに人気があります。
決済手段 | コンビニ決済 |
---|---|
概要 | ECサイトで購入した商品の代金をコンビニで支払う決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ただし、後払い決済同様にコンビニ決済にも未払いリスクがあるため注意が必要です。
下記の記事では、コンビニ後払いの決済の流れや導入メリットを紹介していますので、ご興味があればチェックしてみてください。
【決済手段5】電子マネー決済
電子マネー決済は、事前に専用のアカウントに電子マネーをチャージして、スマートフォンやプリペイドカードを利用して代金を支払う仕組みです。
クレジットカード情報や現金のやりとりがなく、スムーズに支払いが完了するので、スーパーやコンビニなどで幅広く利用されています。
決済手段 | 電子マネー決済 |
---|---|
概要 | 現金をチャージして電子マネー化した決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ただし、電子マネーはチャージできる金額に限度があるため、高額の取引に向かないことに注意しましょう。
【決済手段6】キャリア決済
キャリア決済は、お客様が各キャリア(通信事業者)の携帯電話料金とともに、購入した商品やサービスの代金を支払う方法です。
携帯電話を契約していれば決済できるため、クレジットカードを持たないお客様も利用できるほか、支払いが煩雑にならないというメリットがあります。
決済手段 | キャリア決済 |
---|---|
概要 | 携帯電話の利用料金と一緒に代金を支払う決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ただし、仕様や手数料がキャリアごとに異なるため、導入を検討している場合は事前に確認することが重要です。
【決済手段7】銀行振込
銀行振込は、お客様が指定された銀行口座に商品やサービスの代金を振り込む仕組みです。
現金やクレジットカード情報のやりとりがないので、安全かつ確実な支払い方法とも言えます。
決済手段 | 銀行振込 |
---|---|
概要 | EC事業者が指定した金融機関の口座に代金を振り込む決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ただし、利用できるのが銀行の窓口やATMが稼動している時間のみであるため、顧客によっては「利便性が悪い」と感じるかもしれません。
また、事業者様からすると、帳簿と照らし合わせて債務の残高を消していく「消込作業」が発生するデメリットもあります。
【決済手段8】ID決済
ID決済とは、外部サービスのID・パスワードを利用した決済方法で、外部サービスの情報(氏名・住所などの個人情報や支払い情報)をそのまま利用できます。
この方法は、お客様が個人情報や支払い情報を入力する手間が省けるので、カゴ落ちリスク軽減にもつながります。
決済手段 | ID決済 |
---|---|
概要 | Amazon・楽天のような外部サービスのID・パスワードを利用した決済手段 |
主なメリット |
|
主なデメリット |
|
ID決済の種類によっては、売上日から入金日までの期間が長くなることもあるため、キャッシュフローや売上金の管理も踏まえて慎重に導入を検討しなければなりません。
ID決済をはじめとしたオンライン決済の詳細については、下記の記事でも詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。
ECサイトに導入する決済手段の選び方3選
前章では、ECサイトに導入できる主な決済手段を紹介しました。自社サイトに導入する際は、下記3つのポイントを押さえることが大切です。
【ECサイトに導入できる決済手段の選び方3選】
- 自社の商材・サービスとの相性は良いか
- 顧客ニーズに合っているか
- 運用コストの負担が大きくないか
たとえば、単価の高い商材を多く扱っている場合、分割払いができるクレジットカード決済を導入するなど、自社の特色に合わせて決済手段を選びましょう。
運用コストの負担が大きい決済手段は、自社の経営状態を圧迫する原因にもなりかねないので注意が必要です。
また、決済代行会社を選ぶ際は複数社を比較して、月額費用や決済手数料は適切かを確認することもポイントです。
なお、決済代行会社の選び方については、下記の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
近年では後払い決済のニーズが高まっている
数ある決済手段の中でも、近年では商品購入やサービスを受けた後に代金を支払う「後払い決済」が注目されています。
後払い決済は、クレジットカードを持たない若年層や初めてECサイトを利用する人などが選択するケースが多く見られます。
後払い決済の導入方法は、「自社で後払いを事業化する方法」と「後払い決済サービスを利用する方法」の2つです。
それぞれのメリット・デメリットを、下記の表にまとめました。
自社で後払いを事業化 | 後払い決済サービスを利用 | |
---|---|---|
特徴 |
|
|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
後払いを事業化する際は、開発・運用にともなうノウハウが求められますが、外部委託のコストは発生しない点が大きなメリットです。
また、外部委託先に情報共有する必要もないため、セキュリティ面のメリットも考えられます。
一方で、後払い決済環境を構築する手間や運用の煩雑さを避けたい場合、後払い決済代行サービスを利用するのも一つの手です。
サービス利用にともなうコストの発生は避けられませんが、委託先に運用を代行してもらえるメリットがあります。
後払い決済を導入する際は、それぞれのメリット・デメリットを天秤にかけて自社に適した方法をお選びください。
\後払い決済システム導入検討・選定で迷っている方を無料サポート!/
後払いの仕組みを簡単に構築できる「SaaS型BNPLシステム」
後払い決済を事業化する場合、関連業務をすべて自社でこなさなければならず負担が大きいという特徴があります。
そこで、後払い決済の事業化を検討している方には、かっこ株式会社が提供する「SaaS型BNPLシステム」がおすすめです。
SaaS型BNPLシステムは、当社がこれまで複数の後払い決済事業の構築で培ってきた経験をもとに、後払い決済に必要な仕組みをパッケージ化しています。
そのため、後払い決済に詳しくない方でも、SaaS型BNPLシステムをベースにすることで、管理の手間やコストの軽減が可能です。
SaaS型BNPLシステムに興味がある方は、ぜひ下記のバナーよりサービス資料をダウンロードしてみてください。
\ 後払いの仕組みを簡単構築/与信・入金管理・請求督促の自動化機能をパッケージ化
まとめ:ニーズに合わせた決済手段で顧客離れを防止しよう
ECサイトに希望する決済手段がない場合は、顧客の購買意欲が低下し、カゴ落ちや顧客離れが発生しやすくなります。
そのため、次のような方法で顧客離れを予防するのがおすすめです。
【顧客離れを予防する対処法2選】
- 複数の決済手段を提供する
- 決済までの過程を簡単にする
ECサイトの決済手段の中でも、近年では商品やサービスを受け取ってから代金を支払う「後払い決済」の利用が増加しています。
そして、後払いサービスの中でも最近特に注目を集めているのが「BNPL」です。
今後の市場拡大が期待されているBNPLについては、下記の記事で詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。